ムッタと同期のJAXA所属宇宙飛行士。元医師。
小学生の時に見た父・凛平の実験中の顕微鏡をのぞかせてもらった際に細胞がまるで宇宙のようにみえ、父も憧れた宇宙への夢を抱き始める。
数年後父がALSを発症、医者になることを決意。父を苦しめたALSをこの世から無くしてしまいたいと強く思い、無重力環境でALSの薬の為の研究ができる環境があるISS行きを希望し宇宙飛行士に合格。医者、宇宙飛行士という２つの大きな目標を叶え、歩み続けている。



かなりの食いしん坊で彼女の食事は殆どいつも大盛り。ケーキは勿論別腹。閉鎖環境試験で同じチームだったムッタいわく、料理の腕前はかなりのものらしい。
伊東家の食卓は「テーブルの隙間は心の隙間」という格言(？)があるらしく、子供のころからテーブルいっぱいの賑やかな食事風景だったことが伺える。
毎日日記をつけており、その内容はほぼその日食べたメニュー。
これは亡き父と約束して以来ずっと続けている。定期的に父のお墓に持っていき読んでもらっている。
宇宙服の展示にベッタリとくっついていたムッタを見て父を思い出し、そのことを嬉しそうに母に報告している（※『宇宙兄弟メシ第一回』を参照）。
子どもの頃は近所でも評判のちょっと変わった子だった。
彼女の出身のよっこい商店街で人気の『たぶさんのハートコロッケ』は小学生の頃のせりかとの話の中でたぶさんがヒントを得、考案したもの。



天文学者の金子・シャロンを子供時代より尊敬しており、彼女の本に書かれていた『何かの瞬間に出会った抑えきれない心臓の高まり「胸のドキドキ」を信じて』目標へ進み続けた。
ムッタとシャロンの電話での会話には（シャロンおばちゃんって言った！？）と動揺とそわそわが隠せない程のファン。
ヒビト帰還後の食事会で初めて会った際、シャロンが見せた父の時のような違和感にいち早く気づき、ALSを疑い病院へと付き添っていった。



シャロンはALSの診断が下った後も、周囲に対して笑顔であり続けた。それだけ重い病気でも、自分は大丈夫よなんでもないわよというように。かつてムッタが自虐的な英訳を頼んだ時も「It`s a piece of cake!(楽勝だよ)」と堂々と嘘を教えたシャロン。「そーいうウソ」を平気でついてしまうシャロンに対し、せりかは「必ず薬を生み出してみせる」と約束した。



父がつけてくれた「せりか」という名前を気に入っている。



ムッタがISS搭乗を「誰よりもISS行きを希望している人がいる」と断ったため、JAXA宇宙飛行士同期の中で一番にミッションにアサインされる。
ISS存続の危機に際し、廃止署名をムッタのいるジョーカーズが率先して集めているという噂話を耳にしたせりかはショックを受け何度もムッタに確認しようとするも、「何もしていなかった場合JAXAの仲間に疑われたと嫌な思いをさせてしまう」と思いとどまる。
だが、更なる噂話耳に入り本人に確かめようとしたところ、ムッタが誰よりもISSにかけている自分自身のことを理解してくれており、廃止ではなく存続の為に署名を集めていると知った。せりかもまた、存続の為に署名をする。



同期の北村絵名とは仕事仲間という枠を超えた親友同士。
日本人女性宇宙飛行士が二人同時にISSミッションにアサインされるという快挙で、美人宇宙飛行士ユニット『セリエナ』として大ブーム。遂にISS搭乗を果たす。



ISS搭乗で様々なミッションをこなしていたが、一番の目的であるALS実験は、思うように進まずにいた。徐々に焦りがせりかを襲う。そんなタイミングでせりかを陥れようとする者の悪意によってネットで叩かれ、研究の中止を求められるほど追い詰められてしまう。



普段苛立ちや悲しみを見せない彼女が実験中止の連絡を受け取り乱すも、ムッタからのメールや絵名やクルーたちの思いやり、父との約束を思い出し、自分を奮い立たせるせりか。



世間の悪意に晒されながらも、子どもの頃に決意したALSという病気をなくしたいという彼女の強い想い。JAXAからの実験中止の要請を受けながらも、未来がどうなるかも再びチャンスがあるかもわからないからと、せりかは実験を続ける。そして―。



そんなISSでのせりかの強い想いと悪意との戦いが描かれた27巻を受け、アニメ宇宙兄弟で第７期ＥＤを担当したカサリンチュによってせりかを応援する『あと一歩』が生まれた。
夢に向かって踏み出した先で訪れる困難に立ち向かっている人や、今苦しくて立ち止まってしまっている人、向かい風に踏ん張っている人、心ない誹謗中傷に苦しんでいる人など、一人一人にあと一歩進んでみようと勇気をくれる優しくて素敵な曲だ。またこの曲のＰＶは全国から宇宙兄弟ファンが集まり撮影が行われ、せりかを応援するというストーリー仕立てになっている。
完成したPVは小山先生からファンへ、そのまたファンから大切な人たちへというリレー形式として公開された。



父の死、そして父を奪ったALSという病気をこの世からなくしてしまいたいと強く願い歩んできた彼女は、一歩ずつ一歩ずつこれからも着実に進んでいくことだろう。