父タック・ラベル、母ベティ・レインという、宇宙飛行士の両親のもとに生まれる。宇宙飛行士二人の血を受け継いでいるクリスが宇宙に興味を持ってくれたら嬉しい――そんな二人の願いの通り、クリスは段々宇宙に興味を示すようになる。

両親と宇宙センターへ遊びに行ったり、宇宙への疑問を口にしたり。月へ行って帰ってきたらクリスの疑問に色々と答えてあげるよと言ったタックは、しかしそれきり帰らぬ人となった。2023年CES-43クルーの地球帰還時のパラシュート事故。ブライアン・Ｊと共に月ミッションに臨んだ父タックを、この事故で亡くす。

この事故以来、自分が宇宙飛行士に戻ることはクリスが不安になるだけだろうと考えたベティは宇宙から遠のく。同時にクリスも宇宙の話をしなくなったのだろう。
だが3年ほど経った頃、クリスは6歳の誕生日には地球儀が、その年のクリスマスには月球儀が欲しいとベティにお願い。

それから宇宙の話をまたしはじめたクリスを見て、ベティは再び宇宙を目指す。月ミッションで、父親タックのかわりに自分がクリスの問いに答えることを決意した。

宇宙飛行士に復帰した母ベティの訓練・ミッション中はベティの両親や友人のキャサリンがクリスの面倒をみている。キノコ類が苦手で食べないが、キャサリンがピラフにシイタケを超細切れにして入れたら食べたとのこと。徐々にキノコ類克服…なるだろうか。ベティとは頻繁に電話でやり取りをしており、仲の良さが伺える。
打ち上げ前のバーベキューではカルロをキラキラした瞳で見つめており、憧れているようだ。

タックとベティにはそれぞれ“C”を象ったタトゥーがあるが、それは恐らく三日月のマークであり、息子クリス“Chris”のことであると思われる。
TV番組「サンデードキュメント」に出演したベティは“宇宙飛行士に戻ろうと決心したキッカケは？”という質問にこう答えた。

息子のクリスが「ママを応援してる」――って言ってくれたこと――

クリスの問いに答えるため、ベティは父として母としてタックも踏んだ月のミッションに臨む。

しかし最初こそ興奮して話を聞き質問してきたクリスも、ベティの滞在が長くなるにつれ“宇宙は日常”になってしまった様子。定期的に月のベティと交信するも、意識は新しい月の画像もそっちの気でアニメ『タワシボビー』に夢中。ベティはクリスの興味が月よりもタワシボビーの方であることに「切ない…」とこぼしている。

エディの息子トミーのように、宇宙が日常となり始めていたクリス。しかし母ベティが月でのミッション中に事故に遭い、手術。太陽フレアの危険も迫っていることから予定外の帰還をすることとなった。

ベティの手術を担当したカルロは「シュシュっと」手術したこと、自分の腕が良いこと、無事に帰ってくるかと不安そうに尋ねるクリスに、笑顔で「もちろん」と答えた。
既に父タックと死別しているクリスにとってベティは大切な肉親。NASAのスタッフも、もちろんジョーカーズも、ベティを無事に帰還させることを決意する。

クリスの質問に対するベティの「答え」。
無事帰還したベティからその「答え」が伝えられることを、クリスも、そして読者も待っている。