- 所属
- 元NASA宇宙飛行士
- 略歴
- NASA宇宙飛行士として認定、ヘジテーションループをたった3日でマスターした驚異の新人としてウワサになる。飛行訓練中墜落事故を起こしパニック障害に。“宇宙飛行士”の肩書を得るも6年半、一度も宇宙へ行くことなくNASAを去った。
- NASA宇宙飛行士として認定、ヘジテーションループをたった3日でマスターした驚異の新人としてウワサになる。飛行訓練中墜落事故を起こしパニック障害に。“宇宙飛行士”の肩書を得るも6年半、一度も宇宙へ行くことなくNASAを去った。
- 初登場
- #137~
words言葉
「おお~~~……スゲ」
「へへ……どこまで出世する気ですか」
「僕はとにかく 早く宇宙へ行きたいですね」
「……危なかったです……もう死んだと思いました」
「僕はただ……この1年半 “魔法の裏技”だけでも――できるようになりたかった」
profileプロフィール
ジェンソン・バトラーの後輩宇宙飛行士。
ヘジテーションループをたった3日でマスターした“驚異の新人”。
バトラーは彼を特に可愛がっていたようで、ビリヤードを共に楽しんだりしていた。
バトラーが披露した“魔法の裏技”バーティカルクライムロールを目にしその迫力に感動。
『己の出世欲』『宇宙への憧れ』『向上心』。これらの自分の士気を上官たちに見せつけ宇宙への切符を勝ち取った、と誇らしげに言い「お前はどうしたい?」と問うバトラーに「とにかく早く宇宙へ行きたい」と意欲をにじませる。
ところが訓練中、霧が原因で墜落事故を起こしてしまう。結果的には全治3ヵ月程度のケガで済んだロナルドだったが、「もう死んだと思った」という程激しいものだった。
山の中からあがる黒煙とバラバラになった機体、木の枝に引っかかり一命を取り留めたロナルドが描かれ、事故の過酷さを物語っている。
バーティカルクライムロールの練習で事故が起こったわけではないと知りホッとするバトラーだったが、「もう死んだと思った」と遠くを見て言うロナルドを見て、「あんな技無理に宇宙飛行士がやる必要はない」「忘れてくれ」と伝える。
ロナルドのケガは完治し訓練に復帰したものの、彼はパニック障害を起こしてしまう。ロナルドはもう、ロケットどころか訓練機にすら乗れなくなってしまった――。
“宇宙飛行士”の肩書を得て6年半。最後の1年半は何をやっても空にすら上がることができなかった。
かつてビリヤードをしながら野望を語った時のように、バトラーは「自分はいつか室長になって踏ん反り返るぞ」と彼を鼓舞する。
しかし、若き日笑顔で野望を返したあのロナルドは消え去り、寂しげに答える。
この1年半…“魔法の裏技”だけでもできるようになりたかった、と。
結局ロナルドは一度も宇宙へ行くことなくNASAを去る。
去っていくロナルドを見つめたバトラー。
“魔法の裏技”だけでも…。パニック障害に苦しめられ宇宙飛行士でありながら宇宙へ行かれずに去ったロナルドの背中を、バトラーは忘れることはないだろう。
室長という野望を叶えたバトラーのタブレットの待ち受け画面には、共に野望を追い求めた若き後輩と共に並んだ写真が飾られていた。
第二第三のロナルド・クーパーを生みださないために、バトラーは今も前を向き続けている。