- 初登場
- #2~
words言葉
「六太さんは悩んだ時とかいつも一人でここに来てましたもんね。日々人さんは全くそんなことなかったけど」
「でもこれ……六太さんには見せづらいような…」
「この兄弟は――本当にスゴイ……!」
「やりましたねシャロン先生 六太さんがとうとう…!」
「…そうですね だけど六太さんなら… しっかり天文台を完成させて ちゃんと帰ってきますよ」
profileプロフィール
金子シャロン博士の助手。黒髪に眼鏡の女性。
南波兄弟が小学生の頃には既にシャロン天文台に勤めており、長きにわたり南波兄弟を見守ってきた一人でもある。
兄弟の行動や性格もよく知っており、ムッタは悩んだ時によく一人でシャロン天文台に来ていたこと、ヒビトはそんなことなかったこと、ムッタがヒビトにコンプレックスを抱いていたことなどを知っている。
ムッタとヒビトの記事をスクラップ帳に貼り付けているシャロン。
宇宙飛行士候補生になったムッタの記事を貼り付け「最っ…高ね!」と笑顔になるシャロンに、田村は「ひとつ望みが叶いましたね」と一緒に喜ぶ。
しかし同ページに貼られた2人の記事の大きさの違いをムッタが気にするのではと心配した田村はシャロンがムッタに見せたそのページを長い時間見ないようさりげなく脇に移動させた。
ゴダードでの天文学者の会議に同行、シャロン月面天文台建設のプレゼンに出席。このときシャロンのグループが提案した月面天文台に興味を持ったのが惑星系形成論のモリソン博士である。田村はモリソンの方からシャロンに話しかけてきたことに驚きと興奮の表情を浮かべていた。
ゴダードでの会議に渡米する前から、シャロンはよくつまずいたり物を落とすことが多かった。田村はシャロンの様子を気にしており、ヒューストンのフードコートで子どもにぶつかられ踏ん張ることができず倒れたシャロンに病院へ行くことを促す。
「ヤダ」というシャロンを厳しい顔で見つめ一緒にいたヒビトと共に病院へ連れていく。そのときはただの疲労と診断されたが、シャロンの様子がALS患者だった父と似ていると感じたせりかが再び病院行きを促し、田村も付き添った。
長年シャロンとともに仕事をしてきた田村にとっても、シャロンにALSの診断がくだったことはショックだったに違いない。
闘病するシャロンを田村は今まで以上に支え、モリソン博士や五月蠅教授と協力し月面天文台計画を進めていく。
月面から帰還しシャロンをたずねてきたヒビト。
力が弱くなってきたシャロンでも鍵盤が軽くても引きやすいキーボードを持ってきたヒビトだが、実は同じものをムッタが送ってきていた。
シャロンへのプレゼントに同じものを選んだムッタとヒビト。それを知る田村は「この兄弟は本当にスゴイ」と感動した。
そして遂にムッタも月面へ。打ち上げ、着陸、ムッタがアップする『週刊六太』をなどなど多くの大切な瞬間を、田村もシャロンと一緒に見守り喜んだ。
太陽フレアとベティの怪我の影響により、ジョーカーズは帰還組と月面組にわかれる。ムッタは天文台建設を進めるため月面に残った。
ムッタは「不安じゃないよ」と言うが、きっと不安ではないだろうか――
そんな心配をするシャロンに、田村は穏やかにこう返す。
きっと六太さんなら天文台を完成させて帰ってきますよ、と。
そして遂に、シャロン月面天文台完成の日が訪れた。
シャロンとともに南波兄弟の成長を見守ってきた田村にとっても、この瞬間は特別なものだったに違いない。
長い年月シャロンを支え、兄弟を見守ってきた田村。
穏やかに、そっと寄り添うように、これからもそれは続いていく。