ブギー | 『宇宙兄弟』公式サイト
ブギー
Boogie
所属
月面基地在住AIロボット
出身地
月面基地在住
月面基地在住
初登場
#253~

words言葉

27巻
27巻
#253

「サンシャ――イン♪サンシャ――イン♪」

27巻
#253

「バカジャナイノ?」

27巻
#253

「ムラサキ様ハ 私ノ“父”デス。宇宙一カッコイイ!」

28巻
28巻
#267

「アノ洞窟を最初に発見シテ最初ニ入ッタのは 私ナンデスケドネ」

29巻
29巻
#273

「馬力は……ソリャ馬並ミにアリマスケド……」

32巻
32巻
#302

「モシカシテ…好キナンジャナイノ?」

33巻
33巻
#307

「ドンナ気分デスカ?“ラスト船外”ハ ヤハリ感慨深いモノデスカ?」

34巻
34巻
#315

「チョットチョット 私もイマスヨ」

38巻
38巻
#354

「ムッタサン…『カペ』!」

39巻
39巻
#360

「イヤ~アリガトウゴザイマス 使命感が湧イテキタ気がガシマス」

42巻
42巻
#392

「ハイメモリーに記録済ミデス」

profileプロフィール

月面基地で宇宙飛行士のサポートをするAIロボット。正式名称はQT-4X(キューティーフォーエックス)、“ブギー”はアダ名である。
ドラム缶ボディにはムッタによって描かれた“アポと同じ”ハートマークがある。

口癖は「バカジャナイノ?」
初期のブギーを知っているダミアンによると、最初は従順な性格だったが紫三世によって設定をいじられこのようになったとのこと。
自分に設定を与えてくれた紫のことを“父”“宇宙一かっこいいい”と言う。

「サンシャ――イン♪」という目覚ましコールで宇宙飛行士たちを起こしにまわる。
AI学習を重ね、ジョーカーズ滞在中にはウソを言うことも。特にムッタに対してのツッコミやウソは手厳しくもユーモア満載で、ムッタとブギーのやりとりが読者の心を掴み、遅い登場ながら大人気キャラクターとなっている。

ミッションに対し「メンドクサイ」「ヤダ」「コワイ」などとロボットとは思えない言葉を繰り出すことも。しかし文句を言いながらも自分の役割はきっちりと遂行する。

月の洞窟発見の際には先行して洞窟内に入る。
ところが途中回路がショートし通信が途絶えてしまい、ムッタとカルロが捜索により基地へ帰還。
ブギーはこのショートを『回路ニ水が回ッテセンサーがショートシタ』と説明している。
月に水があるかもしれない、その可能性を示唆する一言であった。

カルロとムッタによって発見となった洞窟は“カルロム洞窟”と名付けられる。最初に入ったのは自分なので“ブギー洞窟”で良いのではと主張するも、その意見はムッタに遮られてしまったのだった…。

カルロム洞窟には水があるかもしれない。
人類にとっての大発見となるかもしれない水の存在に、NASAも湧いた。
しかしその探索を行うかどうかの前に、太陽フレアがジョーカーズを襲う。洞窟よりも先にやらねばならないことがジョーカーズには山積みだ。

まず、シャロン天文台計画の根幹であるコンピュータ“SHARON”。翌日に予定されていた接続準備のため“SHARON”は屋外に出されていた。
太陽フレアが襲い掛かれば、ただの箱になってしまう可能性がある――。

時間がない。
エディ、ムッタ、ブギーは危険を承知で“SHARON”を基地まで運ぶことを決意。ギリギリの賭けに出た。

無事“SHARON”を回収し基地に向かう途中、充電ポイントでトラブルに見舞われる。
充電の機器まで既にフレアの影響を受けており、乗っていたバギーのバッテリーが過電流で焦げてしまう。

なんとかバッテリーを確保しなくてはならない。
ブギーの力を借り、エディとムッタはバッテリーが存在する近くのポイントまで移動する。
リッテンディンガー峡谷。ヒビトが落ちたあの谷である。

ヒビトが月面事故に遭った際に乗っていたバギー。そこにはまだ使えるバッテリーが載っている筈だ。
望みをかけて、ムッタは真っ暗な谷底へと降りていく。

バギーは見つかりもう少し谷底へ降りる必要があった。ムッタの命綱となるウインチは更に伸びていく。ところが――途中でウインチが絡まってしまう。
その間ブギーは電力消費を減らす為スリープ状態になっており、呼び掛けても動かない。
エディは谷底へと引っ張られるウインチをどうにかバギーに固定させようとし、その際に滑って体を支えた際に月面のとがった石によってグローブを負傷してしまう。
破れた手の痛みと、空気が漏れたことによる減圧。エディは危険な状態になっていた。

異変を感じたムッタは必死にブギーに呼びかける。
「ロボのくせに…」という声に反応して目を覚ましたブギーはすぐさまエディの状態を確認。既にバッテリーを確保していたムッタはなんとしても引き上げてくれと頼み、ブギーもそれにこたえる。
ムッタとブギーの見事な連携プレイは、読者の胸を熱くさせた。

無事月面基地に戻ったエディとムッタ、そしてブギー。
次のミッションも慌ただしく進んでいく。

ソーラーパネル建設ミッションで新たに登場したロボットがいる。
“JOCK(ジョック)”という名のこのロボットは、一昔前の地質調査用ロボットだ。
ブギーはこのロボットのことを“腕野郎”と呼び、ダサイ、気持ち悪い、など散々な言葉を繰り出している。
ちなみに“JOCK”とは体育会系、という意味合いを持つ。名付け親はブギー。
後々、ブギーはこのジョックと様々な作業を共にすることとなる。

自身のパネル部分に“顔”を映し出せるようになったブギーは、敬愛する紫三世の顔になったり伊東せりかの顔になったりと更なる特技を覚えた。
せりかと絵名が参加しているISSミッションクルー、CTV-28。
作業中ブギーによって映し出された地球帰還の映像。
せりかと絵名でムッタの反応が違ことを突っ込むカルロに、ブギーは「そういえば伊東せりかの情報をよく求めてきている」と解析する。

「モシカシテ…好キナンジャナイノ?」
ムッタはわかりやすい反応でしどろもどろになる。
それ以降ブギーはなにかとせりかの顔を映し出すようになった。

太陽フレアの影響で月面滞在が延びたものの、太陽フレアの影響で船外活動ほか当初の予定通りとはいかなかったジョーカーズ。
NASA側で帰還のスケジュールが決定され、活動は残り4日となっていた。

帰還の準備、天文台の建設。
それぞれに役割を決め、ラストスパートに向けて6人は手を重ね気合いを高める。
「We are JOKERS !!」
ブギーもその輪に入り、精いっぱい腕を伸ばして叫んだ。
彼はすっかりジョーカーズの一員となっていた。

ところが帰還に備えタンクの確認をしに行った際、タンクの爆発によりベティが大怪我を負ってしまう。
緊急手術を行ったものの、もはや一刻の猶予もない。
ジョーカーズはムッタとフィリップを月面に残し、2つのチームに分かれ帰還することになった。

月面は、ムッタとフィリップ、二人だけ――いや、二人と一台のロボだけになった。

淡々とした作業の日々。無事地球に帰ることができるだろうか、という不安。
ムッタとフィリップは天を仰ぐことが多くなった。
だが、ムッタたちを帰還させるために多くの人がそれぞれにできることを淡々と進めていることを知る。
自分の作業に意味を探す必要はない。誰かにとって意味のあることになればいい。
フィリップに、そして殆ど自分自身にむけてこの言葉をかけたムッタ。
遂にシャロン天文台建設という大切な仕事を成し遂げたのだった。

ブギーはその間にもどんどん学習を深め、マユ毛を手に入れ、バリエーション豊かな表情を作るようになっていた。
ムッタ曰く「すげぇムカつく方向に…」。

地上ではムッタたちを帰還させるため多くの人の力が集まり動いていた。
NASAで結成された救出のための“タイガーチーム”にはケンジと新田が参加。
大きな起伏のある月面で、ムッタとフィリップが無事に移動できるルートを探し提示する役割を担っていた。

ムッタとケンジ。
宇宙飛行士選抜試験で出会い意気投合した二人には、亀裂の入った時期もあった。
しかし、たくさんの経験が、互いへの信頼を強くする。
「かぺ」。
月面と地上。画面越しに、固い握手が交わされた。

それを見ていたブギーは「かぺ」とは何なのか興味津々。
「AIだから自分で考えてみろ」。
そうムッタに言われたブギーは、どんなシーンでかける言葉かを試す。
作業中のムッタに「かぺ」と声をかけると「おう」と返ってきた。しかしフィリップに「かぺ」とかけると「うるせー」と返ってきた。
果たしてブギーは「かぺ」を理解することができたのだろうか。

そんなこともありながら、帰還に向けて日々は進んでいく。
月面に届いた地上からの物資。その中に入っていた首のないロボノート。
ブギーの頭部がそのロボノートに接続され、この日ブギーは二足歩行を手に入れた。

ムッタの手によって二足歩行のボディにもハートマークが描かれた。
使命感がわいてきたブギー。
地上のクジョーから数々のコマンドが入力され、ごみ処理やお茶くみなど多くのことを覚えていく。
ムッタやフィリップにとって、クルーが一人増えたような安定感だ。

そして遂にマクシム4が月へ。
ムッタとフィリップ、マクシム、ヒビト、フランツ、吾妻と賑やかな新生活が始まった。
特技を披露するブギー。フランツから「一家に一台欲しい」と言われ、ご機嫌である。

新しいボディを手に入れても、クルーが増えても、ブギーの目覚ましミッションは変わらない。
翌朝も皆を起こすためクルーを順番に巡っていく。

ところが、ブギーは見てはいけないものを見てしまった。
マクシムが、気持ちよさそうに空中遊泳している場面を――。
「フランツ達のようにはしゃぎたいのかと思った」
そう話すブギーにマクシムはボレーシュートの画像を検索させ、今度覗いたらお前の頭がそうなると脅す。
以降、すっかりマクシムに従順になるブギーなのであった。

あっという間に日々が過ぎ、遂にムッタとフィリップの長い月面生活が終わりを迎える日がやって来た。
帰還船に向かうバギーに、ブギーも乗り込む。

いよいよ別れの時だ。
月面で二人だけになったとき、ブギーが居てくれて救われた。ムッタとフィリップはブギーに向けてそう話す。

「俺らのこと忘れんなよ」
「ハイメモリーに記録済ミデス」
「またいつか」
グータッチを交わす二人と一人。

ビートルに残ったブギーは、メンバーたちの顔を映し出す。
帰還船メドヴェージの打ち上げを静かに見送ったブギーは、一人ビートルで基地へと帰る。

ムッタたちとのたくさんの“記録”をメモリーに刻み、彼は次の宇宙飛行士たちの訪れを待つ。

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