- 所属
- 道路工事事現場監督
- 出身地
- ロシア
- ロシア
- 初登場
- #373
words言葉
「ああっ…!おい新人コラァ!」
「『宿題はやったけどノート忘れました』の小学生かコノヤロー!」
「はい!ガッテン承知!」
「急ぐぞ!月との交信は俺たちの手にかかってんだ!」
profileプロフィール
マクシム4が月へ向かっている間、ロシアの国道では工事が行われていた。
モスクワの国道、A-103号線。周囲が森で囲まれた暗い道路に、ショベルカーの音が響く。
夜の作業。ただでさえ暗い中、工事用ライトの灯りが消えた。
工期が遅れている中でのアクシデントに、工事現場監督の怒鳴り声が響く。
「ライト消えたぞ新人!昨日『バッテリー充電しとけ』っつったよな!」
新人に怒る監督だが、超マイペースな新人は充電そのものを忘れていたと言ったり、充電済のバッテリーを事務所に忘れたり。慌てる様子も反省した様子もうかがえない新人に、現場監督のいら立ちが募る。
暗くて見えず、ただでさえ遅れている作業ができない。
別の方向で作業しているところからライトを借りてくる新人。しかし運んでくる途中 前のめりに倒れ、ライトは大破し使えなくなってしまう。
監督は更に苛立ち、事務所に行って予備のバッテリーを持ってくるよう指示。
新人は淡々と往復40分かかるけど行ってくると応えるが、なおもマイペースな様子に怒り心頭になった監督は運転しているショベルカーのショベルを振り上げ――。
ガガガッ、バキキッ
――激しい音が辺りに響いた。
ロスコスモスと宇宙間で通信断絶が起きていることなど知る由もない現場監督は、突然やって来たスタッフたちに驚き怒る。
なんてことしてくれた!と怒るロスコスモス側のスタッフたちに「知らねーよこっちは仕事でやってんだよ」「誰だよあんたら⁉」と詰め寄るものの、宇宙局(ロスコス)の人間だと知って青ざめる現場監督。
自分がケーブルを切ってしまったことを謝罪し、現場監督としての責任や理由を話す。その途中でバッテリーを取りに行っていた新人が戻り、共に頭を下げた。
通信回復のため、ケーブル修復を急ぐロスコスモススタッフたち。その様子を見て現場監督は自分にも手伝えることがないかと声をかける。
ケーブル周りの土をかき出してほしいとスコップを差し出された監督は「はい!ガッテン承知!」と笑顔で応じ、復旧作業の応援にあたる。
「急ぐぞ!月との交信は俺たちの手にかかってんだ!」
ケーブルを切る根本原因となった新人に「お前も手伝え ゲンバスキー この野郎!」と声をかけて。
ロスコスモスの迅速な判断と対応力はもちろんのこと、工事作業員たちが通信復旧に一役かった。手動着陸に切り替えていたマクシム4は無事月面に着陸し、ムッタとヒビトの再会は全世界に届いた。
この事故をロスコスモス側から聞いた星加は言った。「『人は間違える』生き物」だと。
起こったミスを反省し、その経験を生かし次へと繋げていくこと。
力を合わせてケーブルを修復させた現場監督の喜びと力いっぱいの笑顔は、読者に晴れやかな気持ちをもたらしてくれた。