第7回 南波家の月見うどん
家族3人、ベランダで。
7巻#66『月夜の晩にパグとハグ』に登場した南波家特製月見うどん。ヒビトのいる月を見上げながら家族3人ベランダで食べるという印象深いシーンだ。父・長介の俳句も絶好調であった。
月のウサギを想いながら。
ヒビトが、日本人が月へ。
2026年3月8日の早朝、日本中で目覚ましが鳴り響き、皆がTVをつける。日本人が古来から憧れる月へ遂に日本人宇宙飛行士・南波ヒビトが立つのだ。
ムッタ、両親、吾妻を始めとする宇宙飛行士の先輩たち。
そして日本中の人々の想いをのせて、ヒビトは軽やかな第一歩を月面に残した。
ヒビトの月面着陸を見届けたムッタはアポと共に実家へと戻る。ベランダで満月を見上げながら月見うどんをすする。父の俳句は絶好調だ。
食事をしているとマンションの上から下から声が聞こえた。ベランダから顔を出してみると望遠鏡が見える。
クレーターが見える、と嬉しそうな声。月面基地はどこだろう、その望遠鏡じゃ見えないと思うよ、と楽しそうな会話。
今月にヒビトがいるという事実。月の眩しさの再確認。
きっと今、日本中で皆が月を見上げているのだろう。ムッタはそう確信した。
きっと今日本中が
ヒビトがあそこにいるという事実と
月のまぶしさを
再確認しているところだ
かつて、閉鎖環境試験で宇宙開発反対派に抗議文を出す課題の際ムッタはこう言った。
心配ないよ、ヒビトがいる。
もうすぐヒビトが月へ行く。
そうしたら皆の心に宇宙が下りてきて帳消しにしてくれる―。
絶対に宇宙へ行くのだと言ったあの少年は、今、皆が見上げる月でウサギのように軽やかに跳ね回っている―。
日本人宇宙飛行士が初めて月に降り立った。ヒビトの月面着陸を受けて、日本はヒビトブーム到来でお祭り騒ぎだ。
月面第一歩を記念した“月面一歩チョコ”に“満月せん”、あんまんが“MOONまん”として売られていたり、『日々牛乳』とコピーの入った“イェーミルク”。
カンケーねーだろとムッタにつっこまれていたが、他にもヒビトと月をかけた商品が数多く並んだに違いない。
日本時間2026年3月8日午前4時過ぎから始まった約一時間に及ぶCES-51のクルーによる月面着陸のミッション。南波ヒビト(29)が日本人として初めて月面に着陸した。
古来より日本人に馴染み深い月への第一歩。その快挙は大ニュースとなって日本中を駆け巡り、号外が発行された。この新聞は各地で開催された宇宙兄弟展で配布された未来新聞である。これが夢ではなく、いつかきっと果たされることを期待したい。
材料(3人分目安)
ゆでうどん | 3玉 |
---|---|
生卵 | 3個 |
長ねぎ | 20cm程度 |
天かす | お好み |
★つゆ(手作りの場合) | |
水 | 600cc |
ほんだし | 1/2本 |
酒 | 大さじ1 |
醤油 | 大さじ5 |
みりん | 大さじ1 |
塩 | 少々 |
★つゆ(市販のめんつゆ使用) | |
3倍希釈の場合 | |
水 | 450cc |
めんつゆ | 150cc |
他かまぼこや油揚げなど、お好みの具材でどうぞ!
作り方
【1】ネギを斜め切りにカットします。
【2】つゆの材料を入れてひと煮立ちさせます。
市販のめんつゆを使う場合でも一度温めましょう。
【3】鍋に水をたっぷり入れて沸騰させたら、うどんを入れて約3分ほど茹でます。茹で上がったらざるにあけ、流水で軽くすすぎぬめりを取ります。そのままでも良いのですが、できればその後もう一度熱湯にさっとくぐらせましょう。
【4】器に茹で上がったうどんを器に入れ、2のつゆを入れます。ネギ、天かすを盛り付け、最後に卵を落としましょう。白身が気になる人は黄身だけ落として完成!
ヒビトを応援する人々。
日本人として初めて月の第一歩を踏み出すヒビトには、一つだけ気にかかることがあった。それはかねてより“ヒビトが先に選ばれたことが面白くない”と噂されている先輩飛行士・吾妻滝生のことだ。
NASAの食堂で吾妻ファミリーを見かけた時、ムッタは思い切って挨拶に行った。その時彼から掛けられた言葉は、ムッタが予想していなかったものだった。
席を立ち握手をしながら「打ち上げ成功おめでとう」と言ってくれた吾妻。
この人のことを本当に理解している人間は
少ないかもしれない。
この時、ヒビトが吾妻を尊敬してしまう理由がなんとなくわかったムッタ。
プレッシャーを感じないヒビトが気にかかっているであろうこと…月面着陸する前に、ムッタは宮田飛行士経由でビデオメールを託したのだった。
月面着陸時の喜びの両親と兄・ムッタ。男泣きでガッツポーズした後に見せる、息子ヒビトを想う父の笑顔が素敵である。
ガッツポーズの父と息子、笑い泣きの母と息子。
離れた場所でも南波家が一つになっている瞬間だった。
宇宙兄弟単行本22巻限定版には、なんと(株)ビクセン製のミニ望遠鏡が付いていた。手に入れた人も多いことだろう。
この望遠鏡、ミニサイズながらも月のクレーターがバッチリと見えるスグレモノだ。晴れた日にはぜひ月を覗いてみて欲しい。くっきりと見える月の海(クレーター)たちにきっと感動するだろう。
また、この望遠鏡を製作したビクセンは星空観測会など天文に関するイベントも数多く開催している他、宙ガール向けのアイテムも数多く手掛けている。
最近では宙ジュエリーが人気を博しており、売り切れで在庫が追い付かない状況だ。望遠鏡やグッズ関連は老若男女問わずぜひチェックしてみて欲しい。
ビクセン http://www.vixen.co.jp/
ビクセン公式ストア http://www.vixen-m.co.jp/
株式会社ビクセンが販売している宙(そら)ジュエリー。筆者はオリオンと北斗七星を購入。想像より大きく、存在感がある。星形のキュービックジルコニアはきっと宙ガールの心をくすぐるハズ。モチーフになった星座たちの解説書も同梱されている。空を見上げて実際の星座と見比べてみるのも楽しいかもしれない。
ヒビトを乗せたロケットは遂に打ち上がった。余韻に浸るムッタ。
ヒビトの月面着陸を見届ける為NASAに残ったムッタは、先輩飛行士である吾妻に会う。ヒビトに先を越されたことを恨んでいるーそう噂されていた吾妻だったが、ムッタが抱いた印象は違うものだったー。
宇宙兄弟7巻、好評発売中!
樹咲リヨコ(きさき・りよこ)
デザインやイラスト、ナレーションなどを仕事にしているフリーランス。宇宙兄弟や宇宙が大好きで、宇宙兄弟や宇宙の魅力をもっとたくさんの人とわかちあいたいと思っている。特に好きなキャラクターはムッタ、好きなセリフは「人生は短いんだ。テンションのあがらねえことにパワー使っている場合じゃねえ」。いつか宇宙に行ってみたい。
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