第17回 ジャーマンポテトベティスペシャル
コショウの味しかしない…。
18巻#177『ワクワクチームワーク』に登場。順番に食事を作ろうとのエディの提案でまずベティが作ったジャーマンポテト…らしきもの。コショウが強すぎて悲鳴にならない悲鳴が上がったメニューだが、本コラムではアレンジを加え、コショウは適度にしているので安心してほしい。
月面で初体験だったらちょっとした事件。
順番に料理をしよう、というエディの提案でトップバッターになったのはベティだった。バラバラに走った後、それぞれベティが作った料理を口にする。
ところが…。
辛え~~~~!!
あまりにも辛くコショウの味しかしないその料理は、彼らの顔を歪ませた。
声にならない声を張り上げるムッタ、コショウの味しかしないと舌を出し急いで水を飲むフィリップ。表情を変えずもくもくと食べているように見えるアンディも口元が歪んでいるのがおわかりだろうか…。
おいしくないならおいしくないといってと言うベティにそれとなく伝えようとするムッタを遮り、フィリップは怒って抗議する。
しかしそんな二人に対し、ベティはギロッと睨みもう一度言ったらアゴをはずすと怒ってしまう。そのあまりの怖さにムッタとフィリップはそれ以上もう何も言えなくなってしまうのであった。
正直にいえと言ったのに…とても理不尽である…。
言い出した手前なのだろう、汗をかきながらももりもりと食べるエディ。まさかベティの料理がこんなに特別な味がするとは思っていなかったに違いない。
ムッタは自分が大変な表情をしているところを管制室のモニターに大きく映され皆にその様子を見られていたら…と想像しベティの料理初体験が月面でなかったことに感謝するのだった。
最後にランニングを終えたカルロの皿にはフィリップが自分の分を移動させて山盛りになっており、カルロはその被害に遭う。
このシーンは青空が描かれカルロが反応するのに間がある。恐らくメンバーたちはカルロがどんな反応をするのか固唾を飲んで見守っていたに違いない。
ベティの料理被害者たちの中で唯一表情がわからないのだが、二枚目カルロの顔が辛さに歪むところはちょっと見てみたかった…カモ!?
材料(2人分目安)
じゃがいも | 中4個 |
---|---|
玉ねぎ | 1/2個 |
ベーコン | 4~5枚 |
オリーブオイル | 大さじ2 |
塩 | 小さじ1弱 |
コショウ | 適量(気持ち多めに) |
ニンニク | 小1かけ |
バターまたはマーガリン | 大さじ1程度 |
乾燥パセリなど | 適量 |
厚切りベーコンやソーセージを使ってもOK!
作り方
【1】
じゃがいもの皮をむき乱切りにします。芽の部分には毒があるのでしっかり取り除いてください。今回は新じゃがを使ったので皮をつけたままにしています。
ラップをかけ、電子レンジで6分ほど温めます。つまようじなどで一番厚い部分を刺し、スッっと通らないようならもう2~3分温めてください。更に火を通すので柔らかくなりすぎないようにしてください。
【2】
じゃがいもを温めている間に玉ねぎをスライスしベーコンはお好みサイズにニンニクをみじん切りに。温めた鍋にオリーブオイルとニンニク、玉ねぎ、ベーコンを入れ中火で玉ねぎが半透明になるくらいまで炒めます。
【3】
2にじゃがいもを入れ、よく炒めます。塩、コショウ、バターを加え、さらに炒めます。少し焦げるくらいでOKです。
【4】
薄いと感じるようでしたら再び塩コショウで味を調えてください。ベーコンの塩気があるので濃くなりすぎないようご注意。お皿に盛り付けて完成です。
揃ったスタートライン。
チームとしての訓練の筈だが、メンバーはそれぞれに自分勝手な行動をとる。ジョギング1つとってもこのチームはまったく足並みが揃わない。
一緒に宇宙に行ける気がしない。
問題児ばかりが集められたクラスでは、鬼のようなスパルタ教師がやってくるものだ。だが、問題児ばかりのチームの元へ温和なリーダーがやってきた。
宇宙飛行士誰もが憧れるJ兄弟の兄エディだ。
「あんた以外に思いつかないんでな。どうしようもない彼らをまとめられそうな船長(キャプテン)は」
バトラーから頼まれた時、ジョーカーズに集められた彼らが一体どんな人物で宇宙飛行士たちの間でどう思われているのか。エディはそれをよく聞かされているだろう。
朝のジョギングは昨日と同じだった。一人飛び出していくベティ。踊りながら走るフィリップ。のんびりと歩くように走るカルロ。入念なストレッチのアンディ。
エディは無理やり彼らをまとめようとはしない。
一人一人のやり方をじっくりと見ている。
いいねえ ワクワクしてきた
自分のやり方を押し付けようとしたり、こうであるべき、こうしよう、とは言わない。
それは、兄であるエディがいつも弟であるブライアンを見守ってきた形なのかもしれない。
NASAの宇宙飛行士や技術者、誰もが憧れるブライアンJ兄弟としての役割を知っているからなのかもしれない。
長年培ってきた『宇宙飛行士として何度もチームをまとめ上げてきた経験』からなのかもしれない。
エディはジョギングについて1つの方法を提案する。
それは、自分勝手に行動をしていては絶対に達成できない目標の設定だ。
強制ではない。強制ではないのだが、揃えなくては目標が達成できない。
誰もエディの提案に抗議はしなかった。
このチームにエディが来た意味を、皆無意識に知っている。
そして、自然と心に湧き上がっているだろう。
自分たちは、リーダーである彼とともに月へ行くのだ!と。
興奮と安心を同時にくれる―。
チームがチームとして自然と向かう為の方法をエディは知っている。
同じ時刻に目指すゴール。皆が同じ目標へ向かい、足並みを揃え走り始める。
あれぇ どうしたぁ みんなぁ
もっといつもみたいに
バラバラに走ってもいいんだぜ?
チームジョーカーズのスタートラインが揃った瞬間だった。
ジョーカーズというキーワードで思い浮かぶものといえば、ムッタたちが着用しているジョーカーズポロシャツではないだろうか。
これは28巻限定版についたもので、これもまた作品世界を届けるアイテムの一つである。
ジョーカーズのマークや袖口の6など漫画に忠実なこだわりのデザインは、自分もジョーカーズの一員になれたような気分を味わわせてくれる。
残念ながら早々に完売してしまったが、お持ちの方は宇宙兄弟関連のイベントで着用するなどぜひぜひ楽しんで欲しい。
公式サイトで公開されている熱いグッズ制作秘話もどうぞ★
【グッズ製作秘話】ムッタたちの思いの宿る、ジョーカーズポロシャツ
ヒビトの宇宙飛行士復帰のための試験が始まった。ムッタから届いた”お守り”を付けて試験にのぞんだヒビトだったが、グリーンカードにより宇宙服内で警報がなり続ける。焦る気持ちを落ち着かせようと、ヒビトはシャロンの言葉を思い出し、ムッタからの”お守り”を見つめるのだった。
宇宙兄弟18巻、好評発売中!
樹咲リヨコ(きさき・りよこ)
デザインやイラスト、ナレーションなどを仕事にしているフリーランス。宇宙兄弟や宇宙が大好きで、宇宙兄弟や宇宙の魅力をもっとたくさんの人とわかちあいたいと思っている。特に好きなキャラクターはムッタ、好きなセリフは「人生は短いんだ。テンションのあがらねえことにパワー使っている場合じゃねえ」。いつか宇宙に行ってみたい。
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