今こそ知ろう!宇宙の姿を映し出す「ハッブル宇宙望遠鏡」
「ハッブル宇宙望遠鏡」という名前を聞いたことがありますか?
星雲や銀河の写真を検索すると、ハッブル宇宙望遠鏡で撮影された写真が多く引っかかります。
この大型の望遠鏡は、1990年に初めて宇宙に打ち上げられ、大気に邪魔されることのない宇宙の本当の姿を映し出してきました。
今回は、数々の宇宙の姿を私たちに伝えてきた「ハッブル宇宙望遠鏡」ついてご紹介していきます☆
ハッブル宇宙望遠鏡とは?
全長13メートル、重さ12トン。
この大きなハッブル宇宙望遠鏡は、今から28年前(1990年4月24)に、人類史上初めて宇宙空間の中で観測を可能にした望遠鏡で、天文学上の数々の重要な発見を私たちに示しました。
「ハッブル」の由来
ハッブル宇宙望遠鏡の「ハッブル」とは、アメリカの天文学者“エドウィン・ハッブル”に由来しています。
その偉大な天文学者は、「天の川銀河が無数の銀河の一つ過ぎない」ということを証明したり、“ハッブルの法則”を編み出して「宇宙が膨張している」ということを提唱したりと、当時の宇宙観を度々くつがえしてきた人物なのです。
ハッブル宇宙望遠鏡の速度や交信
ハッブル宇宙望遠鏡は、左右に広げた太陽電池パネルによって、太陽光エネルギーを源にしています。
時速約2万8000キロメートルで動き、これはたった1時間37分で地球を1 周する速度のようですから、驚きのスピードですよね!
ちなみに合計4基のアンテナを使い、地上との交信を行なっています。
ハッブル宇宙望遠鏡の司令塔として、アメリカのゴダード宇宙飛行センターと宇宙望遠鏡科学研究所にいるエンジニアたちが、遠隔操作を行い撮影の任務を遂行しているようです。
格段に上がった宇宙望遠鏡の画質
ハッブル宇宙望遠鏡は地上の望遠鏡とは違って、天候に左右されることも、大気によって天体からの光が乱されることもないので、鮮明な画像を得ることができます。
しかし始めから何もかも上手くいっていたわけではありません。
ハッブル宇宙望遠鏡が打ち上げられてからすぐに、望遠鏡の撮影した天体画像の画質が予想を下回るという事態が発覚したのです。
これは、主鏡の形状に0.002ミリメートルのわずかな歪みがあったためで、1993年に初めてのサービスミッション(宇宙飛行士による船外活動での修理)が行われました。
そのサービスミッションとは、主鏡による光の反射を補正する装置を取り付けるというもの。
また、新しいヴァージョンの「広域/惑星カメラ」に置き換えられたことで、より鮮明な画像を取得できるようになったのでした。
試行錯誤の末に進歩してきた技術の結晶
きっと当時は初めて映し出される壮大な宇宙の姿に、目を輝かせ、息をのんだ人々の姿がそこにあったのでしょう。
ハッブル宇宙望遠鏡が打ち上げれたことで、まだまだ知られていない宇宙への探求心が、目の前にして見ることのできない遠い宇宙の姿を身近なものへと変えていったのです。
大変精密な望遠鏡だからこそ、度重なる修理を要しましたが、元々15年という期限を設けられていたこの宇宙望遠鏡は、運用の期間を延ばされ今も現役で稼働しています。
これからも美しい宇宙の姿を撮り続けてほしいものです。
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[参考文献]
・Newton別冊 ハッブル宇宙望遠鏡 厳選の宇宙68
・Newton別冊 ハッブル望遠鏡 宇宙大展望
<スタッフプロフィール>
ゆみ
星空をこよなく愛する宙ガール☆天文初心者のため勉強中です。
温泉と旅も大好き。いろんな所をめぐって、その魅力をお伝えします^^