真壁 ケンジ

まかべ けんじ
真壁 ケンジ
誕生日

1993年4月10日

出身地

日本

職業

JAXA宇宙飛行士

家族構成

妻 ユキ、長女 風佳(ふうか)、次女 安(あん)

略歴

1993年生まれ。2016年光化学研究所に就職、8年間務めたのち、2025年宇宙飛行士選抜試験を受験し宇宙飛行士となる。月ミッションへの切符を逃すものの2027年12月NASAのクリスマスパーティーの夜、小惑星探査のミッションをバトラーに告げられた。同夜次女が誕生し宇宙飛行士であり娘2人の父となる。ムッタらジョーカーズBチームの帰還が困難になる中、ジョーカーズを救うためのタイガーチームに志願。物資補給のためのルート確保に尽力。

初登場
#3~

言葉

「『ねじれ者』結構!それが俺だ!しょーがない。かぺるしかないな!」
「これで良かったんだ最初から。終わる前に気付けて良かった。」
「俺はあの場所を飛び出したい。だだっ広い施設のほんの一角から俺のモヤモヤをブッ飛ばせる程の場所へ―!」
「“小惑星を目指す宇宙飛行士”であり“2人の娘の父”であり―僕もまだ生まれたばっかだ」
「いつだって積み上げていく過程は途方もなく崩れ去るのは一瞬だ。それでその後―どうするか……」
「宇宙飛行士をやめない限り“宇宙”へはきっと行ける」
「なあ風佳 また積めばいいよ。次はもっと上手く積めるようになってるよ」
「『ムリしてね』『ムリしないでね』―って言われるよりも何倍もやる気になる言葉だ」
「了解しました!月面のムッ君に なったつもりで」
「ふふ レイ君「アトラクションにしたら儲かりそう」――って思ってるでしょ」
「もちろん」
「間違ってたよ… “帰れない不安”が常にある中で あんな場所を… 帰還船(ルナモジュール)は恐ろしすぎて使いたくない もっと別の方法を考え出さないと… 僕らも“同じ恐怖”を持ったままで」

プロフィール

JAXA所属宇宙飛行士でムッタと同期にあたる。人の年齢を当てるのが得意。本人曰く‟ねじれ者“だが、非情に真面目で几帳面な性格。

宇宙飛行士選抜試験の面接の日に食堂で話しかけ10分で打ち解けて以来、ムッタとは唯一無二の親友同士。互いに良い影響を与え合っている。

宇宙飛行士選抜試験の閉鎖環境試験ではB班になる。自然なリーダーシップでチームをまとめようとしていくも、率先してリーダーとして振舞ってきた溝口にライバル視され疎まれてきた。
試験中書くメンバーには“わざと様々なトラブルを起こす”グリーンカードがJAXA側から出されており、メンバーは互いに疑心暗鬼の状態になっていた。リーダータイプであるケンジと溝口にはわざとグリーンカードが出ず、チームの状態は悪くなっていく。

誰も疑うことなく解決していこうとする姿勢を取ろうとしていたケンジだったが、遂に溝口と衝突。試験の辞退を迫られたケンジは一度自暴自棄になりかけるも、娘風佳の「かぺ」を思い出し気持ちを切り替えメンバーとも雑談をしながら笑顔で訓練を終える。B班メンバーには白いジグソーパズルにサインを書いてもらうという、ムッタ曰く青春男な行動をする。

当初より火星探査を熱望している。子どもの頃からでかいものにワクワクし、火星の景色の大きさに憧れていた。学生時代にはグランドキャニオンやエベレストに行ってその景色を見てきた。
知識ではなく「白いジグソーパズルを完成させた時の気持ち」など、本やネットでは知ることのできないことを自分で知りたい・体験したいという強い想いを持っている。

ケンジの真面目で几帳面な一面がよくわかるエピソードとして、紫からのイタズラメールに「先輩から気を引き締めろというメッセージではないか」と「その裏に何かあるであろう意図」を読み取ろうとする。

宇宙飛行士選抜試験に合格し、JAXA宇宙飛行士として認定、訓練を経て合格。
共に合格した日本人宇宙飛行士4人といくつかの訓練を共にし絆を深め、ムッタとも良い関係を築いていく。

NEEMO訓練ではムッタと同じチームになり、お互いにアイデアを出し合いながら更なる信頼関係を深めていた。しかし同チームの先輩宇宙飛行士ラブから2人一緒に宇宙へはいかれないことを告げられ動揺が走る。この時初めてムッタとの溝が生まれ、ケンジは己の薄情さとも向き合うこととなった。

ムッタの考えにわざと反対意見を言ったりあまり話さなくなって、何を考えたら良いのかわからなくなっていたケンジ。

大事なのは“今”。ちょっとだけ無理なことに挑戦してこーぜ。
ムッタの言葉や行動に気付かされ、娘風佳から言われた「ムリしてね」の言葉に励まされ、ケンジは前に進んでいく。

月に行くのに選ばれるのはどちらか一人。それでも、ムッタとケンジはお互いが最高のパートナーだ。
以前水の中から引き上げられるために差しのべられたムッタの手を拒否したケンジ。 は今度はムッタに手をのばし引き上げる。
このNEEMO訓練の一件で、ムッタとケンジの絆はますます強く確かなものとなった。

“本当に月面にいるつもり”でアイデアを出し行動していたムッタを見てきたケンジ。
月行きの切符を手に入れるのはムッタだろうと納得し、心の整理をつける。

JAXA宇宙飛行士同期メンバー中唯一の既婚者。宇宙飛行士へのきっかけを開いてくれたのは妻ユキである。宇宙飛行士募集の新聞広告を見せ、背中を押した。
家族想いだが、自身が宇宙飛行士になったことで妻子に慣れないアメリカ暮らしをさせてしまっていることに申し訳なさを感じることもしばしば。

NEEMO訓練を終えムッタが選ばれ、自身が目指し訓練してきた月行きはなくなった。月を逃した宇宙飛行士の“行く先”はどこなのか。わからないまま訓練が続くことに焦りと不安を感じる日々が続く。

そんな生活の中NASAで行われたクリスマスパーティーの夜、ケンジはバトラーより人類初の有人小惑星ミッションに任命される。小惑星の名は「314225AN41」。
その日の夜には次女が誕生。長女風佳が絵本「あんころちゃんとわたし」からひらめいたらしい「あんちゃん」という響きと、小惑星の名前の中にある「AN」から「真壁安」と命名。“宇宙飛行士であり二児の父としてのケンジ”が始まった。

ちなみに風佳の「かぺー!」や、妻ユキの出産時ケンジが彼女の眉間の皴をこすったエピソードは、作者小山宙哉の体験談である。

新田と共に人類初の小惑星ミッションメンバー、チーム「スウェッツ」に任命されたケンジは訓練に邁進していた。2人は訓練を重ね、「レイ君」「ケンさん」と呼び合う仲になっていた。

そんな中、月へ行ったムッタらCES-66“ジョーカーズ”は様々な想定外のトラブルに見舞われていた。
太陽フレアの影響によりチームは地球帰還のAチームと月面に残るBチームに分かれる。天文台を完成させたムッタとフィリップだったが、帰還船のトラブルもあり彼らを月面からどう安全に帰すかがNASAの課題となっていた。

まずは物資の問題だ。ムッタたちが月面に滞在中に必要な物資を積んだルナランダーは、予定着地地点から大きくずれてしまった。月面基地とルナランダーを往復して食料など物資の回収しなければならない。
ムッタとフィリップは月面で過去最高距離を往復することになる。NASAは問題解決のための必要な技量をもった集団「タイガーチーム」を結成。ルナランダー往復のための緊急シミュレーションを行う。

そのチームの一員として志願したのがケンジと新田である。

今行っている小惑星探査ミッションの訓練スケジュールを組み替えてでもやる。その強い決意で志願した。

月面基地からルナランダーまでをどう移動しどうルートを繋ぐか。

チームに志願したケンジと新田はビートルのモジュールで安全なルートを探る日々が続く。月面基地のあるA地点からルナランダーのあるB地点までの距離は遠い。行き止まり、一歩間違えれば滑落するようなクレーターなど危険な場所だらけだ。

月にいるムッタたちとできる限り同じ体験を。
ケンジと新田は月面基地のように宇宙食を口にし、日々ルートを探っていた。

タイガーチームはあらゆる力を結集させ安全なルートや方法を探る。あまりにも前途多難な地形に愕然とする面々だったが、ケンジは考える。ムッタならどうするか、と。

今度は月面基地からではなくルナランダーからのルートを探ってみよう。

月面にある機器たちの中で今回のミッションに使えそうなものはどれか。
組み合わせは可能なのか。
ルナモジュールとスティッチを合わせたらいいのではないか、ビートルをドッキングさせればいいのではないか――様々案が出るものの、帰還用にできる限り使用したくないものや、技術的でドッキングさせられないなど難題は多い。
ケンジと新田は解決策を未だ見つけられていないまま月面のムッタとフィリップと対面することになる。

「どんな顔すりゃいい…こんな未解決のまんまで」

ムッタたちに良い報告ができない不安を漏らす新田。ケンジは答える。

「いつもの顔だよ」

月面で不安をかかえたままでいるムッタとフィリップに、ケンジと新田は準備が順調に進んでいると「いつもの顔」で伝えた。
“帰れない不安”が常にあるなかで2人が月にいるんだ――強く実感した2人は、“同じ恐怖”を持ったまま他の方法を考えようと気持ちを新たにする。

月面にいくつかある、足が稼働するスティッチ。その上にビートルを載せるのはどうだろうか。ガタガタとする地面の上で、ビートルが落ちない方法、固定する方法などなど具体的な方法や議論が続く。

ケンジと新田は業務後もムッタたちを助けるため考え続けた。月面基地のモジュールの中で2人はムッタに想いを馳せる。

いっぱい助けられた。
いつも最善の解決策を考え出してくれた。
手を差し伸べて引っ張り上げてくれた。

今度は自分の番だ…そう決意する。

そして、月の“軽さ”を利用し2台のスティッチを使う案を提案する。議論は具体的に進み、シミュレーションも進んでいく。

この案でいける――タイガーチームはそう確信し、月面基地からルナランダーへの道が決まった。

いいニュースを“いつもの顔”で届ける。

月面と地上。モニター越しに交わされるムッタとケンジの固い握手は、いつかNEEMO訓練で交わした日の握手のようだった。

そのルートを通るVR訓練で、その険しい道のりを見てムッタは思う。ケンジと新田がそれ以外のすべてのルートを試しここに至ったのだということを。

ムッタは2人が持ち上げてくれているような、一緒に居てくれるような安心感を感じ、友が示してくれた道を進む――。

タイガーチームによってムッタたちのミッションは進む。

上手くいっているか気になって眠れなかったケンジは、ミッション中継を見始めた。

滑落地帯では、2台のうち1台のスティッチのウインチを使い“命綱”とすることを提案していたケンジ。既に滑落地帯に入っていた中継を、2人を引っ張り上げてくれと祈りながら見ていた。

中継中、ムッタはこの命綱はケンジが考えてくれたものだと紫から聞く。

ムッタはNEEMO訓練を思い出すと答えた。
あの時、水面から引っ張り上げられたように、ケンジが引っ張ってくれている。

ムッタとケンジ。

地上と月面に離れても、2人は互いを信頼し引っ張り合う“最高のパートナー”である。