北村 ケイ

きたむらけい
北村 ケイ
出身地

日本

家族構成

父、母、姉・絵名、兄・直樹、兄・キクオ、兄・オースケ

初登場
#89~

言葉

「ねえ お姉ちゃん… 自分の将来ってさ… どーやって決めたの?」
「私……お姉ちゃんよりおいしい料理作れるようになりたいんだ」
「ヒーローショーの内容はほとんど憶えてないけど――かがやく姉のヘアピンと 姉の力強さは憶えている。私はその日――絵名お姉ちゃんこそ ヒーローだと思った」

プロフィール

北村絵名の妹。初登場時19歳。
ショートカットで、目元が絵名によく似ている。3人の兄たち――特にキクオからは「女っぽくない」と言われているようだ。
やかましい兄たちに囲まれ育ったこと、「ケイ」という名前が男女どちらかわかりにくいことが「女っぽくない自分」になったことを少し気にしている様子。

宇宙飛行士候補生となった姉の絵名が渡米前に実家で過ごした時に、絵名のためにハンバーグを作り振舞う。大好きな姉から「美味しい、お店の味みたい!」と言われとても喜ぶ。

姉を駅まで送りながら、自分の将来はどうやって決めたのか、思い切って相談した。

「何になりたいかとかよくわからない」というケイに、絵名は「『できるようになりたいこと』……ならどうよ」と真摯に言葉をかける。
例えば、ピアノが弾けるようになりたい、英会話をマスターしたい。時間も忘れて続けられるようなものが1コでも見つかればいい。

1コでもいい。

その言葉に、迷いが晴れたようなケイ。駅での別れ際、彼女は少し照れながら笑顔で絵名にこう伝える。
「私……お姉ちゃんよりおいしい料理作れるようになりたいんだ」
妹の真っすぐな言葉に、絵名は言う。
「ケイちゃん さっきのハンバーグ アレさ……お金とれるよ」
ニンマリするケイ。“1コでもいい”“できるようになりたいこと”が掴めた瞬間だったことだろう。(※宇宙兄弟メシ第8回参照

幼い頃、カモンライダーαのショーを見ようと姉や兄と訪れた炎天下の公演。
人だかりで前が見えないからと、自分を背負ってくれた姉。炎天下、ショーが終わるまでの約40分間、5歳前の自分を背負い前の人の背中を見続けるしかなかった姉。
その日の力強さも覚えている。その日、自分のヒーローは絵名だとケイは思った。

その時姉の頭にきらりと光っていた太陽系の惑星ヘアピン。
手作り雑貨の店で買った、姉のお気に入り。
似たビーズでその時のピンに似せて作ったヘアピンを、ケイは宇宙へ行く姉にプレゼントした。ケイの想いがつまったヘアピンは、無重力でふわっとした絵名の髪をまとめるのに大活躍している。
ちなみにこのヘアピンは特別限定セットで発売され、現在も再版が望まれている大人気商品である。

ヒーローである姉の宇宙への旅立ちを、真っすぐに見つめたケイ。光り輝くロケットは、あの日姉の頭で光ったヘアピンのようだった――。

現在は料理人を目指している。
“1こでもできるようになりたいこと”。その言葉をもらい姉よりおいしい料理を作れるようになりたいと思い、自分の道へ進んだったケイ。
姉に褒めてもらったハンバーグを、たくさんの人が食べるようになる日も近いのかもしれない。