オーウェン・パーカー | 『宇宙兄弟』公式サイト
おーうぇん・ぱーかー オーウェン・パーカー Owen Parker
所属
アウトプット・ダヴァーン店主
元NASA職員
嫌いなモノ・苦手なこと
宇宙飛行士たちの救いになれないこと
宇宙飛行士たちの救いになれないこと
誕生日
1972/8/8
身長
178cm
略歴
元NASA職員として宇宙開発に携わる。部下のミスの責任をとって日陰部署へ飛ばされたのち、NASAを退職。現在はかつて火事で焼失したバー「OUTPUT TAVERN」を復活させ、オーナーをしている。
元NASA職員として宇宙開発に携わる。部下のミスの責任をとって日陰部署へ飛ばされたのち、NASAを退職。現在はかつて火事で焼失したバー「OUTPUT TAVERN」を復活させ、オーナーをしている。
初登場
#207~

words言葉

「宇宙飛行士もNASAの職員も 分けへだてなく 宇宙に憧れる者たちが集う店―― それがこの「アウトプット・タヴァーン」だ いつでも来ておくれ」

「俺は“宇宙”をテーマに生き 宇宙飛行士たちの救いになるような仕事がしたかったのさ つまり……この店もそうだと気付いた」

「肝心なのはなぜ今日君が この店へやってきたかだ 思い出すためだろ?本当の自分を」

「ジオラマを熱心に作っている君は――クソマジメで実に楽しそうだった あのジオラマを現実にするために 君はNASAにいるんだと 俺は思ってたよ」

profileプロフィール

元NASA職員。ゲイツの一年上の先輩であり、仕事を共にした同僚でもある。
現在は「OUTPUT TAVERN」のオーナーをしている。
喫煙家。パーカーが喫煙しながら作った料理のほうがウマイという評判のため、開店当初は吸っていなかったが吸うようにしたという。もちろん、料理に灰はこぼさない。

「OUTPUT TAVERN」はNASAのスタッフや宇宙飛行士が集まり、日夜宇宙開発についての熱い話を繰り広げている、そんな店だった。
過去、火事で屋根が崩落し閉店。
NASAが大好きなパーカーがその店を引き継ぎ、当時の雰囲気を再現し再びオープンした。

ある日、ムッタ、アンディ、フィリップがこの店を訪れる。アサインを取り戻すこと、ISSを存続させること。そのために様々奔走したもののうまくいかず、会話は暗いものとなっていた。
そんな“元気のない人”たちにパーカーがすすめたギャラクシー・スパイシー・バーガー。
「めちゃくちゃ辛いだけだけど食べたらそんな風にうつむいていられなくなるよ」というパーカーのすすめで、ムッタたちはバーガーを注文にする。
あまりの辛さに悶絶する3人。確かに、うつむいていられなくなってしまった。ちなみにこのメニュー、パーカーは味見をしていないらしい…。

「ISSも“過去のモノ”になっちまったら終わるだろうな だが“未来のモノ”として再生することは十分有り得る」
この店もそう。10年前に火事で焼失したものの、パーカーが再生させた。
“未来のモノ”。再生。その話を聞いて、ムッタには何か得るものがあったようだ。

ムッタたちのあとゲイツが店を訪れた。前の店の時に訪れていたゲイツは当時と変わらない店の再現具合、雰囲気に驚く。

NASAの人間にとっては第二の故郷である店。宇宙開発の自慢話や噂話や上司の愚痴。打ち合わせをしたり手順を確認する宇宙飛行士たち。
アレンジもしているが自分たちが客として通っていたころの雰囲気は再現したつもりだ、とパーカーは言う。
「そういう“風景”――ってのは いつの時代も必要だと思わねえか?」

NASA時代のパーカーは部下からの信頼も厚い男。
彼自身も周囲を信じ、素直でやる気のある若者に「思いっきりやれよ」とどんどん仕事を任せていた。そんな風に大胆さと軽快さで仕事をこなすパーカーのことを、ゲイツは羨んでいた。

だがある日、企画リーダーを任せていた部下が全てを投げ出して失踪。
熱意ある者はいずれ花開く才能があるのだと信じ切っていたことが、唯一の間違いだった、とゲイツは思っている。パーカーは責任をとり日陰部署に飛ばされ、そしてNASAを去った。

“ミスをしたものには仕事は任せられない”。
組織の風潮はそこからあからさまに変わっていった。

彼を身近で見、組織の空気の変化を感じたゲイツが変わっていったのはここが境目だった。やがてゲイツは「一度たりともミスをしてはならない」という想いだけで生きるようになっていく。
そして、宇宙への夢そのものも失ってしまった。

あの一件がなければ今もNASAで働いていた筈だ、とゲイツはいう。だが、それがベストだったとはパーカーは思っていなかった。
NASAの一人として働いていた頃からパーカーが感じていたこと。

「俺は“宇宙”をテーマに生き 宇宙飛行士たちの救いになるような仕事がしたかったのさ つまり……この店もそうだと気付いた」

この店の店主もNASAの一員。日陰部署に飛ばされNASAを去った自分を夢破れた敗者だと思っているかい?逆だよ。
パーカーは何の曇りもない表情で、ゲイツにそう言ったのだった。

失敗を恐れるようになり、ミスをしない男としてのぼりつめていったゲイツ。気軽に店に飲みに行く男ではなくなった彼が「OUTPUT TAVERN」を訪れた。ゲイツ自身、自分の在り方に疑問を持ち始めていたのかもしれない。

「肝心なのはなぜ今日君が この店へやってきたかだ 思い出すためだろ?本当の自分を」

かつて共に働いたパーカーからかけられる言葉に、ゲイツの心が動き出した。

再び店を訪れたゲイツは「勇気をだしたい」メニューを注文する。そんなメニューはないだろ、と付け加える彼に、パーカーはニッカリと「あるよォ」と答えた。
酒を飲みながらゲイツの口をつく、くすぶった思いたち。部下に信頼されていないこと、自分という人間を上は見ていないだろうということ、一度も仕事を楽しんだことがないこと。

パーカーは言う。
そのクソマジメなところは君のいい所であり、君の“力”でもある。その“力”は注ぐ方向が肝心だ。
ジオラマを楽しそうにいじっていたところ、何回失敗しても作り直していたところ。材料費まできっちりつけるようなクソマジメなところ。

「ジオラマを熱心に作っている君は――クソマジメで実に楽しそうだった あのジオラマを現実にするために 君はNASAにいるんだと 俺は思ってたよ」

ギャラクシー・スパイシー・バーガーを食べたゲイツに、勇気の炎が燃え上がった。あのジオラマを現実にするために、ゲイツは動き出す。

その後――ゲイツはバトラーらNASAスタッフともよく店を訪れるようになる。ゲイツ、バトラー、ハガードなどもこの「OUTPUT TAVERN」を訪れ、宇宙開発について飛行士たちについて熱く語り合っている。

かつての「OUTPUT TAVERN」にあったそんな“風景”を、NASAが大好きなオーウェン・パーカーは、“NASAの一員”として今日も誇らしくカウンターに立っていることだろう。新作メニューをあれこれ考案しながら。

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