フランツ・クラーキン | 『宇宙兄弟』公式サイト
ふらんつ・くらーきん フランツ・クラーキン Frantz Kurakin
所属
"ロスコスモス LPK-29
”マクシム4” 宇宙飛行士"
出身地
ロシア連邦共和国
ロシア連邦共和国
家族構成
妻マルタ
妻マルタ
略歴
ロシア人宇宙飛行士。医療担当。
ヒビトと共にウィンターサバイバル訓練を行ったのち、イヴァンら“トルストイ4”のバックアップクルーに任命され月を目指していた。
太陽フレアの影響により月面での活動を抑えることを決定したNASAに対し、ロシアは物資輸送や人の貢献に大きく動くことを決める。危険を伴うその月面ミッションでロスコスモスは“新たな英雄”たちとして若手を送り出すことを決定。元々行く予定であったベテラン宇宙飛行士“トルストイ4”と入れ替わり“マクシム4”として月面へ。
カルロム洞窟の岩石採掘などを行い、月面でのミッションを無事完了。”ジョーカーズ””マクシム4”全員で地球帰還を目指す。
ロシア人宇宙飛行士。医療担当。
ヒビトと共にウィンターサバイバル訓練を行ったのち、イヴァンら“トルストイ4”のバックアップクルーに任命され月を目指していた。
太陽フレアの影響により月面での活動を抑えることを決定したNASAに対し、ロシアは物資輸送や人の貢献に大きく動くことを決める。危険を伴うその月面ミッションでロスコスモスは“新たな英雄”たちとして若手を送り出すことを決定。元々行く予定であったベテラン宇宙飛行士“トルストイ4”と入れ替わり“マクシム4”として月面へ。
カルロム洞窟の岩石採掘などを行い、月面でのミッションを無事完了。”ジョーカーズ””マクシム4”全員で地球帰還を目指す。
初登場
#283~

words言葉

30巻
30巻
#285

「あいつ口悪いんだけど いい奴だから」

30巻
#286

「みんなの健康にカンパイ!ウラー!ウラー!ウラー!」

31巻
31巻
#290

「いやあ~!君たちか!“雪上のサバイバル”のメンバーじゃん!4人目あいつ」

39巻
39巻
#362

「祝福しない”ゲン担ぎ”なんだよヒビチョフ みんな素っ気なく見えたかもしれないけど 実は心の中では拍手してるから」

39巻
#365

「それでもさ受け入れて溶け込もうとしてくれるヒビチョフとタッキーの姿勢は同じチームとしてありがたいよ」

41巻
41巻
#381

「“ブリヌイ”っていうロシアの定番料理だよ うちの妻に教わってきた クレープよりちょっとしっとりした感じかな」

42巻
42巻
#388

「もう帰るのか ようやく月に慣れてきたのになあ」

43巻
43巻
#402

「ヒビチョフ 練習通りやれば絶対うまくいくからね」

44巻
44巻
#404

「そうだよね…外で見たら尚更…」

profileプロフィール

ロシア人宇宙飛行士。ロスコスモスでヒビトと共に訓練をする同期。医療担当。
髪の毛の色より濃い眉毛と長い下まつ毛が特徴。ヒビトのことを「ヒビチョフ」と呼ぶ。



<ヒビトとの出会い、心の距離の変化>

ロシアンジョークを披露したりヒビトの話を楽しそうに聴いたり表情も豊かで、ロシア人宇宙飛行士の中でもかなりごきげんなフランツ。しかし当初は多くの他のロシア人と同じくヒビトに対して距離を持っていた。
講義でヒビトが紹介されたときには固い表情で「NASAにいたらしいよ」と噂する。

回転イス訓練では座っていられない程酔う。難なくこなしたヒビトを見て思わず「ウソでしょ?」と声をあげた。

やがてヒビト自身が“ロシアの宇宙飛行士”になるべく皆に歩み寄り始める。
「よく考えたら一人で宇宙へ行くわけじゃない」。
そう思ったヒビトは食堂でマクシムたちに声をかけ、共に食事をとるようになった。

フランツはヒビトと初めて共に食事をとる際「“回転イス”すごかったよな」と興奮気味に声をかける。回転イス訓練を見事こなしたヒビトにフランツ心の距離が少し縮まったようだ。



<上がっていくお互いの温度>

酒の席では“アネクドート”という小話(ロシアンジョーク)を披露する。本人はかなりごげんなのだが、マクシム曰く、フランツのアネクドートは大抵すべる…らしい。

ヒビトの話を聞いて大いに笑ったり肩を組みあったり。
最初の頃はそっけなく冷たく感じるロシアの人々。
彼らは会うたび、そして酒を酌み交わすたび一段と心の距離が近くなっていくのだ。
ヒビトは“ロシアの温度”が上がっていくのを感じていた。

マクシムによるフランツのあだ名は“見切り発車マン”“おしゃべりボーズ”“バカ舌”など遠慮なく様々。
フランツのおしゃべりにマクシムがツッコミをいれたり、フランツが笑顔でツッコミ返したりと2人の言葉のやりとりはお互い「口は悪いけどいい奴」という仲の良さと信頼が伺える。

雪上のサバイバル訓練ではフランツ、マクシム、ユルと共に時間を過ごしたヒビト。
たくさんの言葉を交わし凍ったスター湖に飛び込み、皆でヒビトに試験のアドバイスをしたりと4人の間の温度は上がっていった。

そして――その4人が月ミッション“トルストイ4”のバックアップクルーに選ばれる。



<ムッタとフィリップを救うため、月へ>

ムッタたちジョーカーズの月面ミッションは困難が続いていた。太陽フレアの影響による機器の故障や遅れ、スケジュールの変更、ベティの大怪我。急ぎベティを帰還させるためジョーカーズは地球帰還組と月面組に分かれた。
NASA、ロスコスモス、そしてJAXA。地上では史上初のレスキューミッションが行われようとしていた。
ロスコスモスは経験豊富なベテラン宇宙飛行士4人を送り出すことにしていた。
しかしそれもメインミッションあってのこと。
太陽フレアそして月面の状況が刻々と変わり、ロスコスモス宇宙飛行士たちのミッション内容は危険度が増し、メインミッションは縮小されほぼレスキューのみがメインとなる。
ロスコスモス上層部はクルーを入れ替えることを決めた。
新たにレスキューミッションのクルーに選ばれたのは雪上サバイバル訓練からヒビト、マクシム、フランツ。そしてユルと入れ替えでベテランかつ日本人宇宙飛行士である吾妻が選ばれた。



<着々と進む準備の中で>

マクシム4の準備が着々と進んでいく。
宇宙飛行士である彼らは、ラジオ出演、インタビューなどへの出演も多い。
とある番組収録ではマクシム4の訓練中のトラブルのエピソードに。
フランツは溶接の訓練でうっかりマクシムの訓練用宇宙服にバーナーで穴を空けてしまい、めちゃくちゃ怒られた上にその日から2日間くらい”殺人犯”と呼ばれていたエピソードを披露。
またマクシムは吾妻が加わったことで全体のプロ意識が高まったとも話す。

続いてフランツが披露したのはヒビトのエピソードだ。
月で実際に使う本番用船外宇宙服の動作実験。ヒビトは一番の成績だった。
ヒビトはそこで自分が「宇宙服を着るとパニックの発作を起こす時期があった」ことを明かす。
公の場での突然のヒビトの告白に、フランツは大丈夫だろうかという表情を見せ司会者も放送して大丈夫かと尋ねるが、続けてヒビトは「大勢に知っといてもらう方が気が楽だ」と笑顔で語る。

すかさずフランツはこの話を続け、ヒビトの発作がでないか緊張感があったこと、そんな中で“着脱試験”“動作試験”ともにヒビトがダントツ高成績だったことを語った。
ちなみにロシアでは“前祝い”をタブーとするという風習がある。本番用宇宙服動作試験でヒビトが高成績を残したときも、周囲はシーンとしていたようだ。
“前祝い”しない。そのことをフランツが後からヒビトに教えた。実は心の中で拍手していることを。
ヒビトは、その皆の沈黙をありがたいと思った。



<出発前のゲン担ぎ>

打ち上げが迫ってきた。フランツ家でパーティーが催され”マクシム4”であるマクシム、吾妻一家、フランツ夫婦と雪上サバイバルを共にしたかつての”マクシム4”のユルの面々が集まる。
フランツは妻マルタと共にパーティーの準備。
5年前の結婚写真から大きく丸くなった妻マルタ。オーバーオールを着て準備するフランツ。
棚には小さな人形がたくさん並べられフランツの家庭は可愛いでいっぱいだ。
乾杯の場面にまだ到着してないことをユルが尋ねるが、フランツはヒビトから事前に伝えられていた。
古巣のNASAの仲間たちにロシアでのことを報告すること。月へ行く前にずっとモヤモヤしていたことをスッキリさせたいということを。

――そしていよいよ出発の朝。
フランツはマルタと共に椅子に座り1分間黙ってじっと座る。棚のオモチャまで座らせたのはマルタの仕掛けだ。
“旅立ちの前に座る”。これもまたロシアのゲン担ぎである。
そしてソユーズのモニュメントの前での写真撮影。
バイコヌールに移動し植樹の儀式。3年前にも宇宙に行ったことがあるフランツの木は順調に育ち、今回は水をやるのみだ(ちなみにマクシムの木は葉がまったくつかず枯れそうになっているようにも見える)。

その他にも”ロシア映画の『砂漠の白い太陽』を鑑賞” したり”送迎バスのタイヤに立ちション”したり”ソユーズに乗り込む前に上司から膝蹴りをもらったり”。
山ほどゲン担ぎ、ジンクスがありロシア人でさえ面倒くさい。しかしフランツはそれを受け入れ溶け込もうとしてくれるヒビトと吾妻のことをとてもありがたく思っている。

最後に――マクシムとフランツはいたずらで”新しいゲン担ぎ”をヒビトと仕掛けた。“宇宙飛行士(コスモノート)は打ち上げ場で靴を脱ぐ”。発射台の前で裸足になっての記念撮影だ。
当然そんなゲン担ぎは今までのロシアに存在していない。撮影した記者たちからもざわめきが起こり、ヒビトはそんなゲン担ぎがなかったことをそこで知る。
軽~く遊んだつもりのマクシムだったがおおごとになった。フランツも同じく軽く遊んだつもりだったのだろう。ネット記事に載るやつだよ…と微妙な顔つきになった。
2人の仕掛けにのった吾妻は、自分たちがこのミッションを成功させたらこれが新しい“儀式”に加わるだろうと微笑む。

そして彼らはいよいよ宇宙へ――!



<いよいよ月へ>

遂に月へ出発。
宇宙空間に到達しリラックスする“マクシム4”。フランツは激しい揺れに毎回「死んだ」と思うと笑う。

しかし月面を目前にマクシム4が乗るオリョールの通信が突如途絶えた。原因はロスコスモス近くの工事でケーブルが切断されたことによるものだったが、当然その時は原因不明だ。
マクシム4は手動操作に切り替え着陸する判断をする。そして――
無事に着陸した彼らは、月面でムッタとフィリップと遂に出会った。
We are “Space brothers”。



<月面での活動>

合流したジョーカーズとマクシム4。月でのワクワクする日々が始まった。
フランツはフィリップのノリノリの自己紹介に「僕はロシア人の両親を持つロシア生まれのロシア育ちの地球人――フランツ クラーキンだ よろしく」と返す。
なおフランツは「週刊ムッタ」で割と予習してきているため、既にムッタとフィリップに親しみを感じている。しかも結構ファン、である。
ヒビトの軽いノリにツッコミ鋭いマクシム。そこにやわらかく解説を挟むフランツ。そのチームワークのバランスの良さに感動するムッタ。
合流翌日の朝食はフランツとムッタが作った “ブリヌイ”だ。ロシアの定番料理でクレープより少ししっとりしたものだという。
ブリヌイを焼くフランツを見て、ムッタはフランツを“どことなく美味しいものを作りそうなシェフ感がある”と評した。
ワクワクは続く。月面でのミッションが追加。あの「水があるかもしれない」カルロム洞窟の探検だ。フランツは初めてのローバーにテンションが上がる。
はしゃぎすぎたヒビトが洞窟の奥に行き過ぎる…といったトラブルはあったものの、岩石の採掘も無事完了。月面基地で測定が行われた。
無事水が採掘され、月面基地も地上も大盛り上がりだ。その夜は皆で水でカンパイだ。

月面基地内でのワイワイした日常。最近は適当に切っていたムッタの髪を、フランツがシャキッシャキッと切っていく。以前はカルロに切ってもらっていたムッタだったが、フランツのプロっぽい手さばきに感心するムッタ。フランツは以前、ペットサロンで働いていた…とのことで納得するムッタなのであった。



<帰還へ…>

ようやく月に慣れてきた――そう口にし思い始めた頃、いよいよ地球帰還の時が来た。
クルーたちは無人化の作業をし、丁寧に丁寧に基地を掃除する。そして最後の晩餐を大いに楽しんだ。
クルーを乗せた帰還船オリョールは無事メドヴェージとドッキング。ところが――なんとメドヴェージ側が火災。ハッチを開けた吾妻が骨折を負ってしまう。
フランツはすぐに吾妻の怪我の様子を診る。
即座に反応したヒビトと続くマクシムによって火災は無事鎮火。しかし様々な不具合を抱え大量の酸素を放出してしまったため、全員の帰還が困難な状況となる…。
クルーを無事帰還させるため、地上はクルーを二手に分けることを決断。月軌道上にあるソユーズに2人乗り込ませることを決定した。
そこでソユーズに向かうことになったのがムッタとヒビトだ。
誰もが色々なことを覚悟し、やるべきことを進める。短い時間の中でソユーズに飛ぶ練習を進めるムッタとヒビト。
いよいよ別れの時。
フランツはヒビトに声をかける。練習通りやれば絶対うまくいくから、と。
それぞれにひととき挨拶を交わし、ムッタとヒビトはいよいよ船外へ。
2人の無事を、誰もが祈った――。

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