- 出身地
- 日本・梅茶菓町在住
- 日本・梅茶菓町在住
- 身長
- 164cm/57kg
- 初登場
- アニメ映画『宇宙兄弟#0』
words言葉
「オラのマイカーが調子おかしくってな みてもらえっけ?」
「往復の320円あったら“梅八”の極上ハマチ2カン食えんのに…」
「エビザベス~… 修理屋さんが来てくれったぞ~」
「おお~っやるじゃ~ん 六太君~!」
「あれか 弟くんも車のメカニックか?この青いツナギ…」
「六太君あんた…大物になるよ!あははははっ」
profileプロフィール
アニメ映画『宇宙兄弟#0』に登場。
梅の産地、梅茶菓(うめちゃか)町で農業を営む、ハの字眉毛の人の良さそうな男性。68歳。愛称は「海老じい」「海老ちゃん」。
愛車は真っ赤な農業用トラクター“エビザベス”。
ムッタのことは「六太君」と呼ぶ。
まだ『宇宙兄弟』が始まる前の物語。
ミラクルカーコーポレーションに勤務していたムッタは、ある日上司に呼び出され「地方の支店を盛り上げてほしい」とミラクルカー梅茶菓支店への“体(てい)のよい出向”を命じられる。
のどかな農村にある梅茶菓支店。
梅茶菓町は民家と商店、梅の栽培園がぽつぽつとあるだけで人もあまり歩いておらず、田園風景が広がる町だ。
ムッタ赴任後の翌日、愛車である“エビザベス号”の修理をして欲しいと海老じいが訪れる。
だが修理担当の宗片がそのタイミングで他の車をいじっていたこと、肝心の車がないことから所長の鯉口が断ってしまう。
愛車の調子が悪いのでバスで訪れた海老じいは、往復のバス代が無駄になってしまったこと、その320円があれば極上ハマチが2カン食べられるのに、とガッカリ。帰ろうとした矢先、ムッタが「行きます」と声を掛けた。
この出会いによって、海老じいはムッタの梅茶菓支店のお客第一号となる。
ところが海老じいの家に到着したムッタの目の前にあったのは農業用トラクター。“エビザベス号”は車ではなく農機だった…。
ミラクルカーにとってもムッタにとっても専門外の“車”。
修理屋が来てくれたと喜び“エビザベス号”に話しかけていた海老じいに、ムッタは申し訳なさそうに「仕組みも違うためウチでは修理できない」と一度は断る。
「買い換えるしかないか」と残念そうに呟く海老じい。そんな海老じいを見つめながら、ムッタは年代物の“エビザベス号”が綺麗に磨かれていること、運転席には磨き布が吊るされていることを発見。海老じいが普段からどれだけ“エビザベス号”を大切にしているか感じたムッタは言った。
「…この“エビザベス号”の…症状を教えてください」
海老じいの表情が喜びに変わった。
製造元にもう部品がないということで、梅茶菓町にある『宗片製作所』の協力を得て修理パーツを自作したムッタ。これで“エビザベス号”が直りそうだと知った海老じいはとても嬉しそうだ。
“エビザベス号”の修理をしているうちに堺家に集まるご近所の面々から車以外の修理もやって、などと話が出るようになる。ムッタはすっかり梅茶菓町に溶け込んでいた。
休憩中聞こえてきた豆腐屋の声。ムッタは子ども時代強面のオヤジがやっている『どこんじょ豆腐』を追いかけ、ヒビトと二人『勇気のポーズ』を披露した思い出話をした。
話をした後、最近送られてきた弟ヒビトの写真を皆に見せる。そこに写っているのはNASAのブルースーツを着たヒビトとブライアンJ。
青いツナギを見た海老じいは「弟くんも車のメカニックか?」と尋ねた。ムッタはそれを聞き「そうですね…弟の会社の方が…ちょっと大きいですけどね」と笑った。
そして遂に“エビザベス号”の修理が完了。
ピカピカの外観、“EBIZABETH”と新しく書かれた文字、更に水筒を差し込むホルダーや家族写真などを入れられる“オマケ”付に海老じいは大喜び。
「六太君…あんた大物になるよ!」と嬉しそうに笑った。
海老じいの喜ぶ顔を目にしたムッタは、梅茶菓に異動して初めての仕事を終えようやく一個やり遂げた気分られた気がする、と事務所に戻った。
しばらく経ち、海老じいは梅茶菓店を訪れトウモロコシの差し入れとともに友人である蟹ちゃんの車を修理して欲しい、と仕事を持ってきた。
その仕事が、海老じいと蟹ちゃんの会話が、「グッドイカスカー賞」のコンペ企画を練っていたムッタと宗片にひらめきを与える。
――やがて、諦めないムッタと宗片のミーティングに他の社員も参加するようになり、アイデアを出し合い、企画を練り、遂にコンペ企画書が完成。
“車”“運転”をもっと楽しむ、という理念のもと作られた車の構造の“電子制御化”。タイヤの角度を変えたりハンドルを付け替えたり、もっと自由に運転を楽しむ。車の構造をカスタマイズすることで、例えば足が不自由な人も手の操作だけで運転ができる。
“チーム梅茶菓”のアイデアは会場を沸かせ、見事「グッドイカスカー賞」を受賞。
この受賞を機に本社に戻ったムッタは、この時企画した “#6(ナンバーシックス)”を開発、完成させた。
ミラクルカーコーポレーションをクビになったムッタが駐車違反取締のアルバイトをしていた際に “弁当を買っていて違反切符を切られた”男が乗っていた車も “#6”なのだが、それはまた後のお話である。
ムッタが梅茶菓店から本社へ戻る日、海老じいは友人の蟹ちゃんとムッタを送る。ムッタが修理した蟹ちゃんのスポーツカーが、梅茶菓の田舎道を颯爽と走っていく。
専門外の農業用トラクター “エビザベス号”に真摯に向き合い、完璧な修理をしてくれたムッタに「大物になるよ」と言った海老じい。
今日も愛車“エビザベス号”を軽快に乗り回しながら、「六太君はやっぱり大物になったぁ」と笑っている…かもしれない。
※プロフィール画像は#0製作時に小山さんにより描かれた下絵のもの。