サンドロ | 『宇宙兄弟』公式サイト
さんどろ サンドロ Sandro
出身地
イタリア
イタリア
初登場
#224~

words言葉

「もう少し早めに連絡すれば良かった」

「お前の親父は 組織(ファミリー)の方針を一人で変えようとしてた」

「ただ言えることは――リベリオは死期を悟っていたし――お前との再会も望んでた」

「“気がしてた”だけだ 誰にも…話してもいない 組織(ファミリー)の誰より信頼していたし 尊敬もしていた人物だ」

profileプロフィール

カルロの父リベリオが潜入捜査で潜り込んだマフィアの “ファミリー”の一人。リベリオの良き相談役。組織の中で一番要領がいい。

ヒューストンまで出向き、リベリオの危篤をカルロに知らせた人物でもある。

リベリオ、カルロ親子を知る人間として、最期に2人を会わせたかったのだろう。カルロが今宇宙飛行士をやっていることもすべてリベリオに伝える。

リベリオが元警察の人間ではないだろうかと思いながらも、サンドロはリベリオを詮索することなく最期のときまでリベリオの近くに居続けた。葬儀の手配をしたのも恐らく彼だろう。

カルロはマフィアである父リベリオをずっと憎み、軽蔑し、遠ざけ続けた。父の暴力行為を見続けていたからである。16歳の頃に家を出、国籍を変え、カルロは父と決別して生きてきた。

危篤の報せを受け看取りにきたもの、カルロがリベリオに対し抱いている憎しみは消えない。リベリオが死んだ後も「そんな悪人 土に埋めてやるのもどうかと思う」と言い放つ。

だが、サンドロはそんなカルロの言葉にこう返す。

「ちょっと待てルチアーノ お前…何の話をしてるんだ?」

サンドロはカルロに話す。リベリオが組織でなんと呼ばれ、どんな人物だったかを――。

“腰抜けリベリオ”と呼ばれていたこと。

組織(ファミリー)の方針を一人で変えようとしていたこと。

ビジネスに必要なのは“力”ではなく“頭”、そのやり方を示し続け“殺し”どころか“脅し”もやらず伸し上がったこと。

そんな頭脳派の男がなぜ捕まるようなヘマをしたのかはわからない…が、リベリオは死期を悟り、息子に会いたがっていたということ――。

カルロの記憶との、いくつかの食い違い。カルロは父リベリオから「リベリオの人生の鍵」である指輪を受け取り、本当は父リベリオが潜入捜査のため組織に入った警察官だったことを知った。

リベリオが残した「警察官である証拠」。

それらを見ていたサンドロは、リベリオが元警察の人間であるような気がしていたことをカルロに告げる。

マフィアも警察も、頭が切れて腕が達者。人だけ見てりゃよく似てる。

リベリオがそう言っていたことも。

サンドロはリベリオを組織の誰よりも信頼していた。元警察のような“気がしてた”が、誰にも話すことはしなかった。

リベリオの警察時代の同僚であるエンリコが警察内部の誰かに殺害されてから、戻れなくなったのか警察に嫌気がさしたのか。サンドロはこのとき、リベリオの人生を思ったことだろう。

それでもなお、カルロはマフィアそのものだった暴力的な父を嫌悪する。だが真実はそうではなかったのだ。

リベリオは一度も人を殴ったことなどない。むしろ止める側だった。

カルロが記憶していた“暴力を振るっていた父”の光景。殴っていたのはサンドロで、リベリオはそれを止めていたのだった。「そりゃ三流のやり方だ」と笑って。

カルロは葬儀には出なかったが、リベリオの葬儀があったこの日、父が本当は警察官であったこと、決して暴力的なマフィアではなく“正義のヒーロー”だったことを知る。

土に埋めることもどうかと思うと吐き捨て、葬儀にも出なかったカルロ。だがサンドロから聞いた真実とリベリオが遺した真実が、カルロの父への想いを溶かしていく。

「墓の場所を…教えてくれ それで俺は――晴々と月へ行けるようになる」

リベリオを尊敬し誰よりも信頼していたサンドロ。

彼は誰にもこの“真実”を話すことなく胸に秘め、「宇宙飛行士カルロ・グレコ」を静かに見守っていくことだろう。

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