- 所属
- ラジオドラマ『宇宙海賊アバンギャルド』船長
- 初登場
- #187~
words言葉
「タビロス!“小型船エスカルゴ”を投下してくれ! 私はそれでなんとかこの星を脱出してみせる 君たちは先に“月”を目指すんだ」
「そこには我々の先祖がかつて暮らした 月面基地が残っているはずだ 月を目指せ」
「ああ 月面で会おう」
profileプロフィール
少年時代のムッタやヒビトが好きだったアニメ『宇宙海賊アバンギャルド』。その作品に登場する船長である。
ある夜、各キャラの声優たちが集まって生でラジオドラマをするという特別なラジオ放送があった。
ヒビトは「画(え)はないの」「想像するのが面倒臭い」「アニメでいいのに」などと文句を言っていたが、ムッタは電気を消し布団に潜りながら、目を輝かせワクワクしてラジオを聴いた。
SSPに捕らえられ、惑星ミランの地上にいるステッド船長。船長のいない船を指揮してきたへなちょこタビロス。
ステッド船長はタビロスにテレパシーを送り、小型船エスカルゴを投下してくれと頼む。
そして、月を目指せ、そこにはかつて我々の祖先が暮らした月面基地がある、と告げた。
ステッドとタビロスは約束する。
“月面で会おう”と。
「ビュルルルルオオーン」
ムッタの携帯には、アバンギャルド号がワームホールに突入した時のこの効果音がヒビトからのメールの着信音として設定されている。
パニック障害を克服し、いよいよヒビトが宇宙飛行士に復帰できると喜んだのも束の間。もうNASAから宇宙に行くことはないと悟ったヒビトは、誰にも何も言わずNASAを失踪する。
ヒビトの行方がわからず仕事でも大きなミスをしてしまったムッタは、駐車場で一人うなだれ苛立っていた。
そんな折、新田に夕食に誘われ、新田の弟カズヤの話を聞く。
引きこもりだったカズヤが就職活動を始めたこと。
素晴らしい人材だと評価され面接まで進んだ会社が「一度引きこもった人間は大事な時にまた引きこもる」と考える上司たちの意見で通らなかったこと。
英会話の勉強を頑張りヒューストンで就職先を探そうと頑張っていること。
「もう何も心配していない」「たまに世の中のつまらない考え方に残念な気持ちになるだけ」。
ムッタは、今のヒビトとNASAの関係を思いながら新田の話を聞いていたかもしれない。
弟からの連絡を待つ兄。アスキャンの時の自分みたいだ。
携帯を手放さないムッタを見て、新田は思った、その時。
「ビュルルルルオオーン」!
その音が鳴り響く。
『月面で会おう』。
ステッド船長のように諦めない男の一言が、ムッタの携帯に届いた。