NASA宇宙飛行士。

2015年8月7日、ISSで船外活動中に窒息事故で死亡。

太陽電池パネルの修理中、EMU（船外活動ユニット。宇宙服アセンブリと生命維持装置から構成される）の空気供給用キャニスターが詰まって酸素が回らなくなり、トッドは声も出せぬまま窒息死。
ともに作業に当たっていた同僚が「急に無口になったな」というくらいあっという間の出来事であった。

事故の主な要因は宇宙服内でヒーターの役目をする水の循環が悪くなり、キャニスター内の温度が急低下し結露が発生したことだった。

なおこのエピソードは2008年6月発行第２巻17話に登場。掲載時点では未来の出来事であり、トッド・バード飛行士は作品内に登場する架空の人物である。

NASAの宇宙飛行士は宇宙へ行く前に遺書を書く――。
まだ宇宙飛行士候補生ですらなかった頃のムッタがヒューストンのヒビトの家で発見した遺書。

「ムッちゃんへ
ひとつお願いがある。
もし俺が死んだら」

そこまで目に入り、即読むのをやめたムッタ。
宇宙飛行士として覚悟し、飲み込んでいるヒビト。
同じく、宇宙飛行士を息子に持つ親として、覚悟し飲み込んでいる両親。

自分にもその時がきた。
それぞれの覚悟を乗せ今日も夜空を翔けるISSを眺めながら、ムッタはそんなことを思った。