ヒビトが目指すロシアの月ミッション「トルストイ４」バックアップクルーの面接官を務める。
マクシムがつけたあだ名は“ブッコミマンボウ”。口頭試問で『訓練で触れていないことを突然ブッ込んでくる』ところからきているようだが、“ブッ込み”だけでなく横顔もどことなくマンボウに似ている。物腰、言葉遣いは丁寧である。

ヒビトへの口頭試問では、質問に対するヒビトの答えを「冷静な判断力に乏しい」とし無表情で淡々と「回答」を伝える。 質問は「“寝袋をどう使うか”」だったのだが、ヒビトが回答すべき出題範囲は「ソユーズ打ち上げから月軌道に入るまでの間」であり正解は「寝る時間はないので寝袋は使わない」であるという。

マクシムがヒビトに注意点を伝えた通り、ロシアの宇宙飛行士には今までヒビトが培ってきた以上に想像力を働かせて“多少のユーモア”や“余裕”を見せることが必要なようだ…。

ヒビトの第１回適性試験では「冷静な判断力に乏しい」ヒビトの回答に無表情の彼だったが、第2回の適性試験での「月面基地内での飛行士の人体のために特に注意すべき点3点」という質問に対しヒビトが答えた「地球で飲むお酒の“回り”が早いのでロシア人飛行士は量も普段の6分の1にしておいた方がいい」「体が軽いのでジャンプすると天井に頭をぶつける、自分も経験済み、はしゃぐのは危険」との回答に声を出して笑い柔らかい表情を見せた。

その後もヒビトらメンバーのウィンターサバイバル映像のやり取りを見て笑ったり、ボルシュマン室長の“答え合わせメモ”の真意がわからず不思議そうな表情を見せるなど実は表情豊かな人物であることが伺える。

ヒビトのバックアップクルーが決まり、“コスモノート”になったヒビトにボルシュマン室長から渡されるロシアのブルースーツ。
ロシアの方が「いいブルー」であること、生地が厚手であること、トイレで脱がずに“大”ができるようお尻までジッバーがあることを熱弁。

彼もまた、“ロシアの温度”を持った人物なのだろう。