CES-62 フライトディレクター | 『宇宙兄弟』公式サイト
せす ろくじゅうに ふらいとでぃれくたー CES-62 フライトディレクター
初登場
#183~

words言葉

「キャプコム!アルタイル着陸に向けて着陸ポイントがクリアになっているか ギブソンのカメラで確認するようムーンベースに伝えてくれ」

「さあ キャプコムはどうかな?」

「半年前とは別人のように頼もしくなったな ムッタは」

「よし それでいこう!」

profileプロフィール

NASA職員。ビンスらCES-62クルーたちの打ち上げ時のフライトディレクター。同時期キャプコムを務めたムッタの成長も見守った。

ヒビトの失踪に心穏やかではない日々が続いていたムッタ。

それでもキャプコムとしての訓練を順調に行ってきた。訓練中、同じくキャプコムを務めているダミアンに、ヒビトの復帰願いの嘆願書に名を連ねてくれたお礼をダミアンに伝える。

「ヘマして動けなくなった俺がまた月へ行けるのに――助けてくれたヒビトが行けないなんて そんなふざけた話はないと思ってる」

ダミアンの言葉に、ムッタはNASAのヒビトの扱いに怒りを募らせる。

やっぱりこんな扱いはおかしい…!

一人の人間が積み上げてきたものを何だと思ってる…!

俺の弟のことを何だと思ってる…!!

訓練のことから意識が離れたその一瞬、ムッタは訓練中のビンスからの通信への対応が遅れた。加えて、ビンスからの確認事項を自己判断で行ってしまう。

その結果警報が鳴りだし訓練は中断。ムッタの確認ミスによるものだった――。

この対応は、フライトディレクターが離席している最中の出来事だった。

ダミアンはムッタがミスをしたことに気づいていたが、キャプコムとして今どんなに心に乱れがあろうとも自分で気づいて欲しかった――そんな思いで沈黙していた。

離席していたフライトディレクターは警報に何事かと驚く。

ムッタが行ったミスは本当に初歩的なものだった。

帰りの駐車場で一人、自身の行いに悔しさを露わにしていたムッタ。新田に誘われ食事に行ったその日ヒビトからの連絡が入った。

ヒビトはNASAを去りロシアに渡るという。

そのヒビトの「あきらめなさ」に、ムッタは気持ちを新たにする。

半年後――キャプコムとして頼もしくなったムッタを見て、フライトディレクターはダミアンにこう言った。

「半年前とは別人のように頼もしくなったな ムッタは」

NASAを去ったヒビトの分まで頑張っているような印象だった、と答えるダミアン。

以降、ビンスの「ひっかけ」にもムッタは冷静に的確に対応していく。

CES-62クルーたちの月面着陸にはこんなこともあった。

新型着陸船“RICK”の位置が消失。ナビゲーターシステムである月面用GPS衛星が微小隕石によって被害を受けたのではないか、ということだった。

位置情報なしでパイロットの視認による着陸ならば可能かもしれない。

しかし本来のポイントから大幅に着陸位置がずれる可能性がある。

その時ムッタから「一度だけ訓練でやったヤツの応用が使える」という言葉が出た。

月面にある無人探査機ギブソンと月面基地のビーコン信号があれば位置情報が取れるはず。

フライトディレクターはそのムッタの提案をすぐ受け入れ、新型着陸船“RICK”は無事月面に着陸した。

キャプコム・南波ムッタとしての成長と活躍を、宇宙飛行士・南波ムッタとしての活躍を、フライトディレクターの彼も現場の一人として応援し見守っていることだろう。

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