エディ・J | 『宇宙兄弟』公式サイト
エディ・J
Eddie J
所属
NASA CES-66
"ジョーカーズ" 宇宙飛行士
嫌いなモノ・苦手なこと
目立つこと
目立つこと
誕生日
1967/8/2
出身地
アメリカ
アメリカ
身長
174cm
家族構成
妻、息子 トミー、弟 ブライアン(故人 2023年事故により逝去)
妻、息子 トミー、弟 ブライアン(故人 2023年事故により逝去)
略歴
宇宙飛行士として、J兄弟として宇宙飛行士のみならずスタッフ陣からも憧れを抱かれる存在。ISSミッションを数多くこなし、計700日滞在した。CES-66“ジョーカーズ”のリーダーとして人生最後の宇宙へ。ムーンウォーカー最年長記録を更新し、数々のトラブルに見舞われながらもギリギリまで月ミッションをこなす。最後の船外活動を行い、ISSを経由して地球へ無事帰還した。
宇宙飛行士として、J兄弟として宇宙飛行士のみならずスタッフ陣からも憧れを抱かれる存在。ISSミッションを数多くこなし、計700日滞在した。CES-66“ジョーカーズ”のリーダーとして人生最後の宇宙へ。ムーンウォーカー最年長記録を更新し、数々のトラブルに見舞われながらもギリギリまで月ミッションをこなす。最後の船外活動を行い、ISSを経由して地球へ無事帰還した。
初登場
#80~

words言葉

「俺らが月に行った時一緒に月面に並べよーぜ これ」

「もう誰も……死ぬことのないように 祈ろう」

「カルロは必ず戻ってくる。交代は必要ない……最後にカルロに会った時奴の目(・)を見たんでな」

「ちょっと「夜風に当たりたいんだ」」

「ここが宇宙だムッタ。楽しいぞ~~~」

24巻
24巻
#229

「だが…本当の“最善”の為なら“決定”なんて何回したっていいんじゃねえの?」

「生物も何もないこの広大な宇宙ではな 心の癒しとなるものは 実は――“美しい景色”じゃない。“ランデブーだ”」

「『諦めるな』と背中を押してくれた人たち皆に――心から感謝する」

「俺たちを救うのは“弟”の轍だな」

「ブライアン 待たせたな」

「前代未聞の事態には 予測不能の出来事が付いて回る だが俺たちが積んできた訓練通りにやれば 大体のことは乗り越えられるようになっている ドンと構えていこう」

「我々は孤独だ だが一人ではない」

「ハガードの本当の“デカさ”ってのは――いろんなもんを飲み込めるデカさだ」

(俺たち兄弟の “宇宙”が終わるなあ…ブライアン……)

(終わりじゃない 後から来る者へつなげていく それが 俺たちの仕事なんだ)

「毎回毎回『これが最後かもしれない』――って思ってやってきたからな…いつもと同じだ なんら変わらん」

「どこにいようと最後の最後まで――俺たちは“ジョーカーズ”だ」

「いい仕事を目指すには 広きを見渡し 狭きを見抜くことだ」

「お前たちが還って来るまで 俺たちはジョーカーズのままだ!地球で会おう」

profileプロフィール

NASAのベテラン宇宙飛行士。宇宙飛行士やNASAのスタッフたちからも憧れを抱かれるJ兄弟の兄。周りを良く見ている温和なリーダーであり、豊富な経験と判断力を持つ。バイオリンを20年以上弾いている。

トミーというパンクバンドをしている息子がいる。エディに歌詞を見せもらったアドバイスを生かしたり喜ぶなど、父を尊敬している。
宇宙飛行士の背中を見ているのにと全然違う方向にいった息子を見て、エディの妻は微笑みながらこう答えた。
「当たり前のように宇宙に行って当たり前のように帰って来るから」と。

ダミアンとヒビトが月面で落下事故に遭った時にはISSに搭乗しており、ヒューストンから事故報告を受けた。弟ブライアンの事故の際には祈る暇もなかったため、エディ人形と共に2人が無事であることを祈る。
過去には弟ブライアンと共に訓練教官としてヒビトら22期生を受け持った。
ブライアンの打ち上げ時はキャプコムを担当。ブライアンの妻エイミーがブライアンから間違った打ち上げ時刻を伝えら怒っていたことや、代わりに謝っておいてと頼むブライアンに自分で謝れと言うなど、兄弟仲が伺える会話がある。

子ども時代、おもちゃ屋の前でバズとニール人形を欲しがったブライアン。サンタさんにお願いしよう、そして将来2人一緒に月面に並べようと約束。
エディが持っているのは元バズ人形である。

J兄弟は少年時代から月面に一緒に立つ夢を見、やがて宇宙飛行士となる。
しかしエディは何度も月に志願したものの、遂にアサインされることはなかった。

『いつか“月”に行くべき時は来る』。
それはかつてブライアンからエディ人形を手渡され言われた言葉だった。

年齢的にも引退が近い中、バトラーから月ミッションCES-66“ジョーカーズ”のリーダーになってくれないかと頼まれる。

しかしずっとISSに登場し一度も経験のない月ミッション。
バイオリンをやってきた人間にピアノを弾けというもの、と一度は断るもブライアンなら両方弾いたと食い下がるバトラー。

それでも変わらぬエディの固い意志を尊重してか、あるいは作戦なのか、バトラーはヒビトが偶然見つけた月面のブライアン人形の写真をエディに渡す。
自分を待っているかのようなブライアン人形に胸を打たれ、エディは人生最後に月を目指すことにした。

エディが来るまで各自バラバラだった個性的過ぎるジョーカーズの面々を穏やかで柔らかな雰囲気でまとめ、一度はアサインから外されたりカルロが誰にも何も言わず失踪するなど紆余曲折を経て、ジョーカーズは互いに欠かせないパーフェクトなチームとなっていく。

打ち上げ前日にはブライアンが作った『バレたらマズイミッション』を実行。
その内容は前日の夜“脱走”して、自分たちが乗るロケットを見に行くというものである。

人生最後にして人生初の月面へ降り立った感動と興奮は、ベテランであるエディにとってもかけがえのない体験だったようだ。
年齢的にもう行くことはないだろうと諦めていた月ミッション。自分の背中を押してくれた人々に強く深く感謝し、月に来たことは正解だったと話している。

最年長ムーンウォーカー記録の外、“人類が月の裏側へ進出”する第一歩を踏み出したのもエディである。

月の裏側ミッションは表向きには人類の第一歩だったが、実は天文台建設のミッションの一部、パラソルアンテナの数本が予定通りに刺さらなかったため捜索と確認の意図があった。

天文台建設ミッションが進んでいく中、太陽フレアが近付いていた。
メインコンピュータである“SHARON”がフレアを浴びてダメになってしまわないよう、エディはムッタと共に回収へ向かう。

その途中、エディとムッタは自分たちの兄弟はどんな宇宙ごっこをしたかなど、兄同士の会話を楽しみ懐かしんだ。

バギーは朝からの連続走行と“SHARON”の重量でバッテリーの減りが早い。
電力を確保しながら基地へ帰るため、エディはかつてキャプコムとして指示していた月面ルートを思い出しバギーの帰り道を探る。

しかし太陽フレアは多くの場所に影響を残していた。

充電スタンドがやられ、バギーは充電事故を起こす。動かなくなったバギーを動かすため、エディとムッタは“BRAIAN”が残した轍を辿りリッテンディンガー峡谷に落ちているバギーに積まれているバッテリーの回収を試みる。

だがバッテリーを回収したムッタを引き上げる際に体を引っ張られ、尖った岩で手を傷つけてしまったエディ。空気が漏れ、減圧症になってしまう。

宇宙服に搭載された新機能を駆使し峡谷から脱したムッタはエディを無事救出した。

基地に戻る途中、2人はブライアンが人形を置いたあの場所に立ち寄る。
ずっと待っていたかのようなブライアン人形の隣にエディ人形を隣に置き、エディは通信をオフにし呟く。

ヒューストンこちらエディ&ブライアン
ここから……地球が見えます
俺たちの目のように青いです

ブライアンが通信に遺した、空白の1分40秒。
もしかしたら彼もエディと同じように、かつて兄弟で宇宙ごっこをした日の言葉をつぶやいていた…のかもしれない。

トラブルが、ジョーカーズに続々と襲い掛かる。太陽フレアの次はプラズマが月面基地に襲い掛かった。予め月面基地内の機器は全て電源オフ。前代未聞の事態に予測不可能な出来事。だが、積んできた訓練通りにやれば大体のことは乗り越えられるようになっている。エディはいつもの穏やかな笑顔で言う。

「ドンと構えていこう」

「もしものもしものもしも」まで想定した訓練を行ってきたジョーカーズ。
バックアップ、非常灯まで消えた大規模停電でも慌てず、各自ができることを進めていく。見回り、機器のチェック、通信の試み…。

故障した変圧器は、磁場の影響がおさまる12時間後を目安に交換。ヒューストンと通信ができない状態でも彼らは冷静に動く。

交換の時間を待つ間、ムッタとフィリップは色々と話した。
その時初めて、フィリップが宇宙飛行士を目指したきっかけがエディだったことを聞く。

エディがISSに搭乗していたときに起こった、ISSとヒューストン間の通信事故が特集された番組。ヒューストンからの音声が届かなくなって2日、クルーたちの不安も感じていたエディは、こんな言葉をヒューストンに送っていた。

ISSクルー7人だけの世界のような時間。でも、大丈夫。みんな分かっている。
我々は孤独だ だが一人ではない。

ジャマイカ人の父とアメリカ人の母を持ち、アルゼンチンに生まれブラジルやジャマイカを転々としたフィリップはどこに行っても“よそ者代表”だったフィリップに、この言葉が届いた。エディの見ている景色をみたい。

エディと共に宇宙へ上がりオリオン宇宙船から地球を見た時、アメリカからアルゼンチンまで――上から下まで制覇していたことに気づいたフィリップは、自分が“地球人”であるという答えを見つけた。

様々なトラブルを乗り越えてきたエディの言葉は、宇宙飛行士ならず多くの人の心に届いていることを感じるエピソードである。

残念ながらトラブルは次々とジョーカーズに襲い掛かる。
太陽フレアの影響は人命に関わるため、ハガードはじめNASAは天文台を完成させないままクルーたちを帰還させるか否かの判断を迫られる。

NASAは残り5日で天文台建設と帰還の準備を同時に進めることを決めた。
相当ハードな5日間になるが、このチームなら大丈夫だと再確認した。地上の家族には不安要素は伝えず、いつも通り平和に待ってもらおう。地上に帰った時飛び込む場所はそんな平和の中が良いから――。エディはジョーカーズの面々にそう声を掛ける。ミッションを完全にするため、慌ただしい日々が始まった。

翌朝、エディは顔を拭きながらブライアンに語り掛ける。
月に来て良かったということ。ブライアンが連れて来てくれたんだなということ。

そして――自分たち兄弟の“宇宙”が終わるということ。

ムッタと共に天文台に向かい、エディは最後の船外活動を開始した。
作業の途中、宇宙服に酸素を供給する。
ブライアンが最期のミッションで置き、ヒビトの命を救った酸素生成ローバー “BRIAN03”から酸素を受け取りながら、エディは思う。

こうやってつながっていくんだ。
終わりじゃなく、後から来る者へ続けていく。
それが、宇宙飛行士の――J兄弟の、仕事なんだ、と。

最後の船外活動はどんな気分なのかとブギーがたずねた。
エディは言う。

「毎回毎回『これが最後かもしれない』――って思ってやってきたからな…いつもと同じだ なんら変わらん」

地上の家族とヒューストンが見守るなか、船外活動の一つ一つが終わる。
その日のミッションが終わり、基地へ戻ったエディは、月面の景色を焼き付けるように見つめ――月面と基地を隔てる扉がゆっくりと閉ざされた。

天文台の完成と帰還に向けての準備が急ピッチで進む中、なおもジョーカーズにトラブルが襲い掛かる。

月離脱ステージのライブラに起こった異変を確認しに向かったカルロとベティだったが、ベティが何かの筋を見つけたと同時にライブラが破裂。破裂の衝撃でベティは大怪我を負ってしまう。

急ぎ月面基地に戻ったカルロは緊急手術を行いベティは一命をとりとめた。しかし月では検査できない怪我が隠れている可能性もあり、一刻も早くベティを帰還させなければならない。
ベティを含めた4名が期間、残り2名が月に残ることが決まった。

エディはこのことを他のミッションから帰ってきたムッタとフィリップに伝え、月に残る2名を決めるため、カルロとベティを除く4名で緊急で話し合いが行われる。最後に地球を踏むまで6人一緒にいたいと思っていたが、完全なミッション遂行のためチームを2つに分けなくてはならない。

月面に残るBチームには、スムーズな帰還が約束されていない。話し合いに参加していた4人全員が“残る方”に手を挙げるが…。
既に船外活動ができないエディは、年齢的にも今更放射性被曝で命が縮まっても大差ない、と言う。

しかし人数の多いチームを指揮するのがコマンダーの役割だとムッタは言い、基地へ戻るときムッタとフィリップは覚悟を決めていた、自分たちが残るんだ、と強い意志を示した。

Bチームとして残ることに決まったムッタとフィリップ。フィリップはエディにちゃんとしたあいさつと共にあるお願いをしていた。
Bチームのコマンダーをムッタにして欲しいこと。なぜなら、今回はムッタをアシストすると決めたから。

了承したエディは、帰還船に乗り込む前ムッタに自身の腕時計を託す。
コマンダーとしての証。
今は貸しておくだけ、地球に帰って必ず返せ
――約束だ、と。

「どこにいようと最後の最後まで――俺たちは“ジョーカーズ”だ」

Aチームは月を離れ、地球帰還に向け飛び立つ。
しかしベティの容体悪化。残ったBチームのミッションの天文台は、パラソルアンテナが光らずに未だ完成しないこと。ジョーカーズには、まだまだ試練が続いていた。

月面から離れてしまった今、できることは限られている。
エディはヒューストンのビンスと相談し、月面のムッタたちには “嘘”が必要な時期であること、ベティは好調であると伝えると決めた。

ベティはISSに立ち寄って手術を行うこととなり、無事終了。滞在しながら回復と体力を見計らって帰還を待つことが後から伝えられた。
ジョーカーズの不安要素が一つなくなったことを喜び合う。

慣れ親しんだISSに立ち寄ることができたこと、最後の仕事ができることに運命を感じているというエディ。

滞在中ISSで減圧騒ぎが起こったものの、過去の経験からCTV-29のノーランたちとともに力を合わせ見事に解決した。
帰還船オリオンに開いていた小さな穴。内側はエディが、外側はアンディがしっかりときっちりとふさぐ。繊細で大きな仕事だ。

いよいよISSからの帰還が迫り、エディはISSのあちこちを掃除する。ゲストなのだから任せてくれていいと言うノーランに、帰還前の恒例でゲン担ぎと答えるエディ。

誰からも尊敬される宇宙飛行士であってなお、エディはその姿勢を崩さない。ノーランはそんなエディに感心し、別れ際「一緒のクルーになれたようで誇らしかった」と告げた。

「お前たちが還って来るまで 俺たちはジョーカーズのままだ!地球で会おう」
月面基地になおも残るムッタとフィリップに、エディは力強く伝える。
ジョーカーズのマークを宇宙服のグローブにプリントして見せるアンディ、カルロ、ベティも同じ気持ちだ。

無事地球に帰還したAチーム。
“置いてけぼり”を感じるかと思っていたムッタとフィリップだったが、「自分の一部がちゃんと地球に還った」感覚になったというムッタ。だけどエディたちにとっては逆――自分の一部がまだ月に残っている感覚ではないだろうか。

ムッタとフィリップが無事に帰還できる日を。
ジョーカーズが全員“卒業”できる日を。
エディはじめ皆が、心から待っている――。

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