伊東せりか | 『宇宙兄弟』公式サイト
いとう せりか
伊東せりか
Ito Serika
所属
NASA CTV-28
"クローバー"JAXA宇宙飛行士
嫌いなモノ・苦手なこと
空腹の音を止めること
空腹の音を止めること
誕生日
1999/2/26
出身地
日本・神奈川県横浜市
日本・神奈川県横浜市
身長
167cm
家族構成
父 凛平(故人)、母、神戸に暮らす父方の祖父母
父 凛平(故人)、母、神戸に暮らす父方の祖父母
略歴
14歳の時に父 凛平をALS(筋萎縮性側索硬化症)で亡くす。
医師であり最後までALSの研究を続けていたが、成果が出ず未だ不治の病のまま。せりかはその道を引き継ぐため医療の道へと進み、無重力下の新薬の実験ができるISS搭乗を目指し宇宙飛行士の道に進む。
26歳で宇宙飛行士選抜試験を受け、ムッタやケンジと同期となる。
合格後NASAでの訓練を経てISSミッション・CTV-28クルーに任命、2029年初めての宇宙へ。以後ISSでALS実験をはじめとするミッションに携わる。搭乗時製薬会社との癒着という黒い噂話から発生した世間のバッシングに合うも、自身の信念を貫き実験を成功させる。せりかはALSを治る病気にするため、引き続き医療の道を進む。
14歳の時に父 凛平をALS(筋萎縮性側索硬化症)で亡くす。
医師であり最後までALSの研究を続けていたが、成果が出ず未だ不治の病のまま。せりかはその道を引き継ぐため医療の道へと進み、無重力下の新薬の実験ができるISS搭乗を目指し宇宙飛行士の道に進む。
26歳で宇宙飛行士選抜試験を受け、ムッタやケンジと同期となる。
合格後NASAでの訓練を経てISSミッション・CTV-28クルーに任命、2029年初めての宇宙へ。以後ISSでALS実験をはじめとするミッションに携わる。搭乗時製薬会社との癒着という黒い噂話から発生した世間のバッシングに合うも、自身の信念を貫き実験を成功させる。せりかはALSを治る病気にするため、引き続き医療の道を進む。
初登場
#3~

words言葉

1巻
1巻
#5

「お父さんに会えた気がした 嬉しかった」

3巻
3巻
#24

私の名前は伊東せりかです。名前に意味はありません!」

12巻
12巻
#118 

「お…お会いできて光栄です」

13巻
13巻
#120

「シャロンさんの病気に効く薬を 私が生み出してみせるって」

21巻
21巻
#203

「疑うのはやめよう。私の方こそ信じないと」

22巻
22巻
#207

「…ありがとうございます…南波さん ISSと…私たちのために」

23巻
23巻
#217

「本番の宇宙で―150%の力が出せるよう全ての力で挑んで来ます!」

27巻
27巻
#257

「‟発する言葉“は”自分自身“なんだって。皆がネットに打ち込む文字も結局”その人“でしかない。鏡を見てるってことに気づいてない人が多いだけ」

27巻
#257

「私はやります。この先…誰に何と言われようと。誰も何も言ってくれなくても。私はやります」

27巻
#258

「星加さんおっしゃいましたよね。『チャンスがある方に賭けるしかない』って。チャンスは今ここにあります」

32巻
32巻
#298

「みんなのおかげで これを地球に届けられる 私のやれることは…これで全部だ」

32巻
#300

「うまくいったよ うまくいったよ――!」

41巻
41巻
#381

「それが私の“これから”です」

43巻
43巻
#403 

「二人は自ら兄弟でソユーズへ行くことを選んだそうです…とてつもなく勇気のいることだと思いますが それは多分…あの二人だからこそ 兄弟だからこそ…」

profileプロフィール

JAXA宇宙飛行士。ムッタの同期であり、元医師。
美人でかなりの食いしん坊。せりかの食事はほとんどいつも大盛り。

14歳の時に父 凛平をALS(筋萎縮性側索硬化症)で亡くす。
医師であり最後までALSの研究を続けていたが、成果が出ず未だ不治の病のまま。せりかはその道を引き継ぐため医療の道へと進み、無重力下の新薬の実験ができるISS搭乗を目指し宇宙飛行士の道に進む。



<宇宙飛行士選抜試験へ>

宇宙飛行士選抜試験では持久力、肺活量など他の受験者の追随を許さないほど圧倒的な能力の強さを見せる。
JAXA筑波宇宙センター建物内に展示されている宇宙服。
フェイス部分に自分を投影し宇宙服を着てるっぽくならないか…と展示ボックスに張り付いているムッタの姿を見かけたせりか。
ムッタは「変人だと思われた!しかも伊東せりかさんに」と恥ずかしくなったが、せりかはその姿を見て、昔両親と来たJAXAのイベントで父 凛平が同じことをしていたのを思い出し電話で母と懐かしく笑い合う。
「お父さんに会えた気がした 嬉しかった」
自分も明日こっそりやってみようかな。せりかはそんな嬉しい気持ちで眠りについた。



<閉鎖環境試験でできたA班の絆>

ムッタ、せりか、新田、福田、古谷。A班のメンバーはこの5人だ。
自然とリーダーとしてまとめ役となる福田の存在も大きく、最初に古谷が「JAXAさんは器がでかい」と管制のカメラに向かって言ったことで話し合いのハードルが下がり、A班はケンジや溝口のいるB班に比べかなり穏やかに訓練が進んでいった。
グリーンカードで大きい衝突は起こったものの、グリーンカードの存在を知っていた福田やムッタ、存在を明かされた古谷たちの心の変化。食料が減ってきたときに皆で作ったうどん。じゃんけんで決めた最終候補2名。
A班は絆を深め、試験後皆で飲みに行く約束を交わした。



<父を苦しめた病気をなくすため>

小学生のときに父 凛平の実験中の顕微鏡をのぞかせてもらった。
細胞がまるで宇宙のように見え、父自身も憧れたという宇宙への夢を抱き始める。
数年後ALSを発症した父。
父を苦しめたALSをこの世からなくしてしまいたいと強く思ったせりかは父自身が空進めていたALS研究の道を引き継ぐため医師となり、そしてALS治療薬の研究ができる無重力環境があるISSに行きくため宇宙飛行士となる。



<せりかと家族の絆>

父がつけてくれた「せりか」という名前を気に入っている。
せりかは毎日日記をつけており、内容はほぼ「その日食べたメニュー」。
亡き父と約束をして以来ずっと続け定期的に父のお墓に持っていっている。
伊東家の食卓には「テーブルの隙間は心の隙間」という格言(?)がある。
子どものころからテーブルいっぱいの賑やかな食事風景だったからこそ”いっぱい食べる”せりかが出来上がったのだろう。
母、祖父母、友人と食卓を囲んだせりかは晴れやかな顔で渡米、アスキャンなど訓練を進め、晴れて候補生から宇宙飛行士となる。



<金子シャロンへの憧れと、病気の発見>

天文学者の金子シャロンを尊敬しており、憧れている。
ムッタとシャロンの電話の会話に動揺とソワソワが隠せない程の大ファン。
そんなせりかだが、アメリカで皆で食事会を開催した際、シャロンが父に似た症状を見せているのに気づき、ALSを疑い病院に付き添った。
シャロンはALSの診断がくだった後も周囲に対し笑顔であり続ける。
どれだけ重い病気でも自分は大丈夫、なんでもない、というかのように。

かつてムッタはシャロンに「自分は価値のない人間ですと英語でなんていうのか」という旨をたずねたことがある。
シャロンは「It`s a piece of cake!」という言葉を教えた。そのときのムッタは「自分はケーキ一切れ分の価値の人間です」という自虐的な意味に受け取ったが、実はまったく違う意味を持つ。「It`s a piece of cake!」は「楽勝だよ」という意味だったのだ。
そんな嘘を堂々と教えたシャロン。
「『そーいうウソ』を平気でついてしまうんだよなシャロンって」というムッタに対し、せりかは大きくうなずき「必ず薬を生み出してみせる」と約束した。



<ISS、存続か、廃止か――>

ある日バトラーに呼ばれたムッタ。異例の速さで宇宙へ行く切符が用意された。が、行き先はISSであり、月ではなかった。
ISS搭乗を望むせりかの想いの強さを知っているムッタは「誰よりもISS行きを希望している人がいる」と断り伊東せりかを推薦する。
その推薦もあってか、JAXA宇宙飛行士同期の中でせりかは一番最初に、彼女が望むISSミッションにアサインされる。

ところがNASA上層部の中でISS廃止の話が持ち上がる。メンテナンスなどに莫大な費用がかかるためだ。

ISS存続の危機に際し、廃止署名をムッタのいるジョーカーズが率先して集めているという噂話を耳にしたせりかはショックを受け、何度もムッタに確認しようとする。
しかし「何もしていなかった場合JAXAの仲間に疑われたと嫌な思いをさせてしまう」と思いとどまる。
だが更なる噂話耳に入り、本人に確かめようと向かったレストランでジョーカーズメンバーの話にこっそり耳を傾けると、ムッタが誰よりもISSにかけているせりかのことを理解しており廃止ではなく存続の為に署名を集めていることを知った。
ムッタの想いを知ったせりかもまた、ISS存続の為に署名をする。



<大親友>

北村絵名とは同期や仕事仲間の枠を超えた親友同士。
共に訓練を積んだせりかと絵名は、2人同時にISSのサブクルーに選ばれた。
日本人女性宇宙飛行士が二人同時にISSミッションにアサインされるという快挙は、美人宇宙飛行士ユニット『セリエナ』として大ブームにもなった。



<せりかを苦しめる誹謗中傷>

念願叶ってISS搭乗を果たしたせりかは、様々なミッションをこなしていた。
だがせりかの一番の目的であるALS実験は、思うように進まずにいた。うまくいかない焦りがせりかを襲う。
そんなタイミングで、ISSでの治験営業を断られた製薬会社の人間がせりかを陥れるためにインターネットに悪意をばらまく。悪意が悪意を呼び、多くの誹謗中傷に晒されたせりかはJAXAから研究の中止を求められるほど追い詰められてしまう。
普段苛立ちや悲しみを見せないせりかが、実験中止の連絡を受け取り乱す。

父 凛平が亡くなった時、せりかは一生分泣いたのではないだろうか、とせりかの母まちこは言う。
あの時以来せりかが泣いているところを一度も見たことがないからだ。その話を思い出したムッタは、ISSにいるせりかに対して『週刊六太』を通じてメッセージを送った。
閉鎖環境試験で一緒に作ったうどん。同じ志を持った一生付き合っている仲間がここにいること。それぞれの場所で頑張っていること。
そして、せりか個人へのメッセージにこう加える。
せりかさんのことを知らない人達が色々言うけど言うだけなら誰にでもできる。
せりかさんの代わりは誰にもできない。

苦しみストレスのなかに届いたムッタからのさりげないメール。同期で親友でもある絵名の寄り添い。”クローバー”の先輩宇宙飛行士たちの気遣いや思いやり。そして、父との約束。

せりかは自分を奮い立たせる。
ALSという病気をなくしたいという強い想い。
JAXAから実験中止を言い渡されようと、再びチャンスがあるか、未来がどうなるかわからない、とせりかは実験を続けることを選ぶ。

そして――。実験は、成功した。



<せりかの想いから生まれた宇宙兄弟のプロジェクト>

ALSにかけるせりかの強い想い、無数の悪意との闘いが描かれた27巻。
アニメ『宇宙兄弟』で第7期のエンディングテーマを担当したカサリンチュ。彼らによってせりかを応援する『あと一歩』という曲が生まれた。

夢に向かって踏み出した先でおとずれる困難に立ち向かっている人。
今苦しくて立ち止まっている人。
向かい風に踏ん張っている人。
心ない誹謗中傷に苦しんでいる人。
一人一人に「あと一歩進んでみよう」という勇気をくれる、優しくて素敵な曲だ。
この曲のPVには全国の宇宙兄弟ファンが集まり撮影が行われ、皆がせりかを応援するというストーリー仕立てになっている。

完成したPVは小山先生からファンへ、そのまたファンから大切な人たちへというリレー形式として公開された。



<せりかの子ども時代と、見守る存在>

せりかの出身地である横浜の”よっこい商店街”。その街で人気の『たぶさんのハートコロッケ』は小学生の頃のせりかとの話の中でたぶさんがヒントを得て、考案したもの。
せりかは子どもの頃、周囲の大人たちに”ちょっと変わった子”と言われていた。
蝉の抜け殻に夢中になったり、何かを思い浮かべて食べたり。

そんなせりかを見守っていたのが、”よっこい商店街”で「たぶさんのおいしいコロッケ」の店主、たぶさんこと多部さんだ。
伊東家はこのコロッケをよく買っていたようで、せりかもお使いに来ていた。
たぶさんはせりかの言動に頷いたり見守ったり、自分も宇宙への憧れがありどんな場所か行ってみたい、嬢ちゃん(せりか)ならいけるかも、と話をしたりした。
この頃コロッケも思うように売れずにいたたぶさん。

ふと、「もっと可愛い形があったらいいのに」というせりかの一言で「新型」のハートの形をしたコロッケが誕生。
せりかはこのハートコロッケが大好きで、滞在時ISSと子どもたちを繋ぐ通信で地球に帰ったら「たぶさんのハートコロッケ」が食べたいと語った。
これを機に「たぶさんのハートコロッケ」は大ヒット。
せりかが誹謗中傷に晒された時もただただ信じ応援し続けた一人たぶさんにとって、せりかの元気な姿を見ることができたことも、せりかのおかげでハートコロッケが誕生し夢だった「バカ売れ御免」ののぼりが建てられたことも、嬉しくてたまらないに違いない。

この通信の後ハートコロッケが食べたい…と思いながらポテトサラダを食べつつマヨネーズでハートを描いたせりか。
無重量空間で作ったハートの形を見て、せりかはふと、ムッタが描いた「バルタン星人」の形に似ていることを思い出す。
じっと見つめていると、それが「バルタン星人」なのではなくハートであったことに気付き、初めてムッタの想いに気付くのであった。



<ムッタの想い>

ISSと月。ムッタとせりかは、時々通信やメールで連絡を取り合っていた。
ISSでの実験を成功させたせりか。
ある日ISSのせりかと月面のムッタとの通信で、せりかはムッタが空に描いた「バルタン星人」が実はハートマークだったのではないか確かめようとする。
ところが太陽フレアの影響で通信障害が起こり、確認することはできなかった。
ムッタの気持ちに長く気付かなかったせりかだが、ISS存続署名やシャロンのこと、せりかが辛い時に応援し寄り添うメールのやりとりなど徐々にムッタとせりかの距離は縮まっている。



<願いを込めた”FUJI”と帰還>

実験の成果である結晶化されたタンパク質が、日本の補給船FUJIによって一足先に地球に帰還した。シャロンが提供した皮膚、せりかが強い思いで貫いたISSでの実験、ALS患者の希望になるみんなの想いの”結晶”だ。
FUJIは無事地球に到着し、多くの人が喜び、涙し、未来への希望を見出した。

そして遂にせりかも地球へ。
ISSで見た美しいオーロラなど、宇宙での思い出を語るせりかと絵名。
そこに先輩宇宙飛行士から、帰還時に窓から見えるプラズマも見逃さないようアドバイスされる。
宇宙飛行の終わりを告げる祝福の火花。「それを見た者は宇宙にまた呼ばれる」ブライアン・Jが作ったゲン担ぎの一つだ。
実験を強行した自分が、もう一度宇宙に来られるのだろうか…そんな考えがふとよぎったせりかに、絵名が声をかける。
「宇宙が呼んでくれるんだから エンリョなくまた来れるね」
せりかの不安にそっと寄り添う絵名のその言葉に「そうだね…!」と微笑むせりか。

既にALSを発症し、せりかの誕生日にクラッカーをうまくならせなかった父 凛平のことを思い出す。
子どもの頃のせりかが、未来の自分に向けて書いた手紙。

宇宙船からISSが見えている?
実験がうまくいっている?
ISSでは静かに眠れた?
実験がうまくいったらうれしい、きっとおとうさんもそう。
そして、もし父がクラッカーをうまくならせなかったとしても許してあげて。
心の中で密かに祝福してくれていると思うから。
クラッカー1万発くらいの力強さで。

帰還船の窓から見えるプラズマを、せりかはずっと見つめていた――。



<せりかの”これから”>

地球に帰還したせりかは、リハビリや講演会などの予定を終えシャロンのもとを訪ねる。
シャロンが提供してくれた皮膚。
ISSでのタンパク質結晶化実験が成功し、せりかが帰還後もISSでは精度の良いタンパク質結晶が作られ続けている。
これらの結晶は多くの研究機関や研究者に渡され、ALS治療薬の有力な候補の動物実験が既に始まっていた。
宇宙飛行士として活動をしながら、自分は最後までALSの研究に関わり続けていく。それがせりかの”これから”。
せりかは笑顔で、そうシャロンに約束した。



<祈り>

いよいよムッタが地球に帰還にする。月から無事に打ち上がったメドヴェージを見て、せりかは心から喜ぶ。
ところが――。

ドッキングした帰還船オリョール側は火事が発生し、ヒビトとマクシムの活躍により鎮火したものの火事の影響で空気が放出。6人のクルーのうち2人が月軌道上にあるソユーズに乗り移って帰還することとなった。
乗り移るのは、ムッタとヒビトに決まった。

JAXA側から2人の両親である南波長介と真弓に現状説明と意向確認が行われ、その話はせりかが担当した。
JAXAの考え、両親の意向。涙をこらえ説明するせりかに、長介と真弓から返ってきたのは

「私たちは兄弟二人が宇宙へ行った時から…考えられることはすべて覚悟してきたつもりです」
「できたら二人に伝えてもらえますか…?ちゃんと帰ってきなさいよって」

という言葉だった。

NASA、ロスコスモス、そしてJAXA。
宇宙にいる彼らを無事地球に帰還させるため、それぞれがそれぞれの力を注いでいく。
JAXAには常駐チームのゾーヤとグレゴリー、そして宇宙飛行士である若多が呼ばれ、ムッタとヒビトが乗り込むソユーズ帰還ミッションをとることとなった。
せりかと絵名もかけつけ、見守る。
ムッタとヒビトのEVAが始まった――。

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