たけのこニュータウン近くの森にある天文台に住む天文学者。田村さんという助手がいる。
ムッタとヒビトにとって母のような存在で、宇宙飛行士になるために2人に英語などを教えてた。ムッタとヒビトの活躍を心から喜び応援、２人の記事をスクラップしている。ピアノを弾くことが大好きで兄弟ともよくセッションした。

子供のころから見守っている兄弟の感情の変化にはとても敏感で、いつでも自然に二人の背中を押してくれる。「自分は役に立たない人間です」という意味の訳をムッタから頼まれた際には「It`s a piece of cake！（楽勝だよ）」という言葉を教える。〝そういうウソ″ならば積極的につく人。

ムッタたちとの懇親会の際、父と同じような症状がみられると気づいたせりかと共に病院へ行き多くの検査の後ALSと告げられる。
どんなに思い悩み悲しむことがあっても決して人前では涙を見せず、笑顔を絶やさない。病気が告げられた後もシャロンはムッタとヒビトの前で前向きな言葉を残し笑顔で帰国していった。

ＡＬＳの病に冒されるも、日々を前向きに懸命に一つ一つに向き合っていく。
メールではなく文字を「書」いてムッタに手紙を送り続けたことによって、ALSの進行により表情や手足が動かなくなった今も指先を動かして音声機械を通し会話ができる。

夫は故・金子進一天文学者。夫が発見した小惑星「シャロン」の姿を見ることを夢見ており、月面望遠鏡建設計画の提唱者。ALS発症後はモリソン博士、五月蠅天文学者も加わり３人で月面望遠鏡計画を完成させる。
夫にもらった三日月の形のネックレスは宝物で常に身に着けている。

ムッタとヒビトに対しては勿論、読者にとっても母のようにあたたかく優しいシャロン。いつでも前向きで明るくいようとするシャロンの姿にはとても励まされる。そんなシャロンを冒していくALSという病。現在も多くの人が世界中でこの難病と闘い続けている。この病気を治すために日々研究を続けている人たちがいる。
シャロンから、そして世界から、ALSという病気がなくなる日がくることを願ってやまない。