- 出身地
- 日本
- 日本
- 家族構成
- 長男 カズヤ、娘、次男 零次、
- 長男 カズヤ、娘、次男 零次、
- 初登場
- #96~
words言葉
「ねえ零ちゃん あんまり強い言い方しないでね 怒鳴ったり…」
「今日 零次に電話してみてね 必ず出るって言ってたから」
profileプロフィール
JAXA宇宙飛行士新田零次の母。零次のことを「零ちゃん」と呼ぶ。
日本で息子であり零次の弟にあたるカズヤと二人暮らしをしている。
引き籠りになってしまったカズヤ。
母は毎日食事を作り、部屋に届けていた。ノックし、声をかけずに佇んでいる母の表情には、積年の複雑な想いが混ざり合っているようだ。
カズヤに何とか部屋から出てもらおうと考え続けていた零次は、恐らく何年も母とのやりとりを繰り返していたことだろう。
宇宙飛行士候補生となった零次。
「明日気が向いたら電話する」
カズヤからのメモを見た母は零次にそのことを話す。
本来携帯電話の持ち込みができないアスキャン。カズヤが電話に出るかもしれない、そのチャンスを逃したくなかった零次は訓練教官であるビンスに頼み込み、特別に許可をもらった。
「今日 零次に電話してみてね 必ず出るって言ってたから」と。
返答のない部屋。電話に出て何を話せというのだろうか。
宇宙飛行士へと向かう兄、宇宙飛行士として活躍する近い年の青年の話。
子どもの頃から大好きだった宇宙に囲まれた部屋で、窓も開けず扉も開けずパジャマのまま部屋に籠り続けるカズヤには、宇宙飛行士たちの輝かしさは遠いものだった。
零次とカズヤ。殴るような喧嘩もあった。零次がキレてドアを叩いたことも。
息子が部屋に籠ってしまったこと、兄弟が喧嘩をしたこと。
零次が、カズヤと話をして部屋から出てもらいたいと強く思っていること。
零次とカズヤを通して描かれた新田兄弟のエピソード。
そしてそこで描かれる母と零次、母とカズヤ、それぞれとの会話と言葉少ない母の行動から、物語の裏であったであろう母としての長い苦しみや悲しみや葛藤、そして希望や愛情が感じ取れる。
本エピソードについてはぜひ宇宙兄弟メシ第9回「新田家のごはん」もご覧いただきたい。
宇宙が大好きだったカズヤの影響で宇宙飛行士の道へ進んだ零次。
子どもの頃カズヤが言った“生きた石コロ”。
宇宙飛行士候補生となった零次が、JAXAのホームページで伝えた“生きた石コロ”なメッセージは、年月を経てカズヤに届く。
そして――
外出していた母が目にしたものは、久しぶりに開いたカズヤの部屋の窓だった。
開いた窓と風になびくカーテン。
暗い表情ばかりが描かれた母の、熱い涙のシーンに心打たれた読者も多いことだろう。
宇宙飛行士となった零次と、大好きだった宇宙に関係する仕事に就くため渡米し再び歩き始めたカズヤ。
新田家で囲むご飯は、家族揃った笑顔の食卓であるに違いない。