


- 所属
- NASA CES-66
"ジョーカーズ" 宇宙飛行士
- 好きなモノ・得意なこと
- 音楽全般・レゲエ・ダンス・プログラミング
- 音楽全般・レゲエ・ダンス・プログラミング
- 嫌いなモノ・苦手なこと
- 踊らずに走ること
- 踊らずに走ること
- 誕生日
- 1990/2/6
- 出身地
- アルゼンチン生まれ、アメリカ・ヒューストン在住
- アルゼンチン生まれ、アメリカ・ヒューストン在住
- 身長
- 169cm
- 家族構成
- 父、母、兄、姉、弟
- 父、母、兄、姉、弟
- 略歴
- アルゼンチン生まれ。アルゼンチンに7年、ブラジルに6年、他いろいろな土地を点々と過ごしてきたためアイデンティティが曖昧で、悩みながら過ごしてきた。
そんな折NASAチャンネルでエディが言った言葉に感銘を受け、エディに憧れ宇宙飛行士を目指す。CES-66ジョーカーズとしてムッタらと共に月面へ。太陽フレアの影響を受けながらも数々のミッションをこなす。
太陽フレアの影響やベティの怪我によりジョーカーズは帰還するAチームと月面に残るBチームに分かれる。Bチームが引き継いだ『シャロン月面天文台』を完成させたのち、同じくBチームであるムッタと共に地球帰還を待つ。
ムッタらを助けに来たヒビトらのクルー”マクシム4”と合流、追加されたカルロム洞窟での月面ミッションをこなし遂に地球帰還に向け月を離れる――。 - アルゼンチン生まれ。アルゼンチンに7年、ブラジルに6年、他いろいろな土地を点々と過ごしてきたためアイデンティティが曖昧で、悩みながら過ごしてきた。
そんな折NASAチャンネルでエディが言った言葉に感銘を受け、エディに憧れ宇宙飛行士を目指す。CES-66ジョーカーズとしてムッタらと共に月面へ。太陽フレアの影響を受けながらも数々のミッションをこなす。
太陽フレアの影響やベティの怪我によりジョーカーズは帰還するAチームと月面に残るBチームに分かれる。Bチームが引き継いだ『シャロン月面天文台』を完成させたのち、同じくBチームであるムッタと共に地球帰還を待つ。
ムッタらを助けに来たヒビトらのクルー”マクシム4”と合流、追加されたカルロム洞窟での月面ミッションをこなし遂に地球帰還に向け月を離れる――。
- 初登場
- #172~
words言葉
「ヤァマン」
「もう最高 ドレッド全開にしていい」
「ヤァムーン」
「OK手伝うよヤァマンムッタの夢を俺の次の夢にしよっ」
「エディの見てる景色を 俺も見たいと思った 国とか人種とか どーでもよくなる高さまで行って この地球を見てやろう――って」
「俺 もう…… “地球人”でいいや」
「もうね… 帰りのビートルん中で『2人残る』――って聞いた時 覚悟決めたよね『俺ら2人が残るんだ』――って」
「エディと月まで来れて 本当 最高(ヤァマン)なミッションだったよ 楽しかった 俺をここまで連れて来てくれて ありがとう」
「それに俺は 今回のミッションはムッタのアシストに注力するって決めたんだ」
「ヤァマン 感慨深いな」
「すげぇな!良かったなムッタ!ヒビト超ヤァマンじゃん!」
「くう~っ なんだよこれ…っ 読むのに1時間くらいかかりそう…!」
「これだな…これだよなムッタ 『俺らのやったことが 誰かの意味あることになる』――ってのは」
「困ったら「ヤァマン」て言えばいいよ」
「俺は親父がジャマイカ人 母ちゃんはアメリカ人♫アルゼンチンとブラジル育ちの地球人――♫フィリップルイスね♪」
「そうだよな なんかでもめっちゃ燃えてきてるよ わかる?ムッタ」
「俺らのこと 忘れんなよ」
「もう十分”救助”されたって」
「ムッタ…ずっと一緒だったのに…チクショー こんな途中で…」
profileプロフィール
アルゼンチン生まれ。父はジャマイカ人、母はアメリカ人で、アルゼンチン、ブラジル、アメリカを転々としながら育つ。感情豊かで陽気。いつも音楽を聴いている。
トレードマークのドレッドヘアは5日に1回くらい洗っている。
<孤独で個性的なフィリップ>
ムッタとの出会いはCES-62バックアップクルーとして参加したデザートラッツ訓練。
CES-62のバックアップクルーは誰もかれも個性的すぎて孤独。
陽気で騒がしいフィリップもまた、そのノリに周囲が誰もついていけなかった。
毎朝騒がしい音楽で目覚め、走るべき訓練では半分踊っているなど実に自由であった。
紆余曲折を経てCES-66”ジョーカーズ”として月へ。
NASAでは映画のパロディでミッションポスターの写真を撮るが、フィリップは元ネタとなった映画でタコの海賊が好きなため自らの髪型をタコにしてもらう。
会見でのキャッチフレーズは「NASA一のリズム感を持つ男」である。
<アサイン取り消しとISS存続のための活動>
月面ミッションのために訓練を重ねてきたジョーカーズだったが、アサインが取り消される事態が発生。ゲイツからISS廃止の署名を集めろと言われるが、ムッタの強い想いと意向を汲み、ムッタ、フィリップ、アンディは“廃止させないため”に積極的に動き出す。
存続のための署名集め。月面天文台ミッションの概要を理解し叩き込み、コスト面を抑える方法を提案。ジョーカーズが如何に月面天文台ミッションに相応しいかをNASA上層部と技術者たちにプレゼンした。
そしてジョーカーズは晴れてCES-66月面ミッションへの切符を手に入れる。
<ムッタの夢を、自分の夢に>
フィリップは月面ミッションでムッタと共に技術面を担当。
太陽フレアにより船外活動できない期間ができるなど多くのトラブルに見舞われ、自分たちの担当期間では天文台が完成しきらない可能性も出始めた。
シャロン月面天文台完成を目指すムッタの姿を近くで見て、改めてムッタの天文台に対する気持ちを尋ねたフィリップ。
「自分が月面にいる間に完成させたい」というムッタの想いの強さを知ったフィリップは、ムッタの夢を自分の次の夢にすることを決めた。
<俺もう“地球人”でいいや>
何故宇宙飛行士になったのか。ムッタからたずねられたフィリップは、自分のことを話し始める。
両親共に違う国で生まれ、子どもの頃からいくつかの国を転々として過ごしたこと。「何人だよ」「国へ帰れ」など、どこに行っても“よそ者代表”として悩みながら過ごしたこと。
そんな折NASAチャンネルで、ISSで活躍するエディの姿を見たフィリップ。
「我々は孤独だ。だが独りではない」という言葉に感銘を受けたことが宇宙飛行士を目指すきっかけだった。
エディと同じチームで、エディの見ている景色を自分も一緒に見ていること。
宇宙から見た地球。フィリップは自分がアメリカ大陸の上から下まで制覇していることに気が付いた。
「俺 もう…… “地球人”でいいや」
アイデンティティの悩みを抱えていたフィリップは答えを見つけた。
<太陽フレアのトラブルと、仲間の帰還>
数々のトラブルに見舞われながらもジョーカーズは数々のミッションをこなす。
しかし太陽フレアの影響は大きい。予定通り進まないミッション、滞在期間の延長などいくつもの不安が彼らを襲う。
太陽フレアが落ち着くタイミングを見計らって地球帰還することが決まり、ジョーカーズは滞在数日以内に天文台を完成させるため残っている各ミッションのスピードを上げる。
ところが月離脱ステージ“ライブラ”の様子がおかしいため確認に向かったベティが大怪我をしてしまった。すぐに基地内でカルロによる緊急手術が行われるも予断を許さない状況だ。
ベティの怪我、手術。一刻も早くベティを地球帰還させなおかつミッションを完遂させるため、NASAは帰還チームと月面チームに分けることを決定。
ムッタとフィリップは基地に帰還するビートルの中で帰還組と月面組に分けることを聞く。
誰が残るか。怪我を負っているベティと医師のカルロを除いた4人で行われた会議では全員が手を挙げた。
ムッタは更にそれよりも一段高く手を挙げ、フィリップもムッタに続く。
適任は誰か。
エディは被ばく量の関係でもうEVAはできず、天文台建設に関わる技術関係は元々ムッタとフィリップの担当分野だ。残った場合スムーズな帰還は約束されないと言うエディに、ムッタとフィリップは答える。
「俺ら2人が残るんだ」と。
帰りのビートルの中で覚悟を持って決めていた。
ムッタとフィリップ。月に残るメンバーは決まった。
その夜フィリップはエディの元を訪れる。
エディと月まで来れて最高のミッションだったこと。自分を連れて来てくれたお礼。
そして――ムッタをコマンダーに選んでほしいというお願い。順当にいけば訓練歴の長い自分の方が普通だろう。でも、ムッタがとった数々の行動は自分ではできる気がしない。適任だと思う、と。
そして天文台建設にかけるムッタの想いの強さを知ったフィリップは、今回はムッタのアシストに注力すると決めていた。
<”みんなの夢”天文台完成へ>
地球帰還のため基地を出発するAチームを見送り、Bチームのムッタとフィリップは天文台建設を再開する。無事に帰還船に乗り込んだ報告を受け、Aチームは月面から出発した。
天文台は遂に最終工程に至ったが、電源を入れてもアンテナ点灯は途中で止まり一定以上進まなかった。
今日で終わると思っていたムッタとフィリップは肩を落とし、力なく基地へと帰る。
天文台の不具合をヒューストンで調査している間、ムッタとフィリップは休暇のような時間を過ごしていた。映画を観たり、体力維持をしたり。
2人になってから、フィリップは時々天を仰ぐようになる。
ベティたちのこと、太陽フレアの不安、いつ帰還船はいつ来るのか。
不安の中、遂に天文台パラソルアンテナで怪しいと思われる箇所が特定できたとの連絡を受け当該箇所に向かう。
移動するビートルの中でAチームがISSに立ち寄ったこと、ベティの緊急手術を行ったとエディから連絡を受け驚きと安堵する2人。
ジョーカーズの不安が一つなくなり、ムッタとフィリップに笑顔が浮かぶ。
<誰かの”意味あること”になればいい>
ヒューストンではBチームの帰還準備が着実に進み、なんとロシアの旧型ソユーズがムッタたちの帰還船として日本から打ち上がった。
2人は天文台の完成に向け仕事をこなしていくが、ケーブルの不良部分一つ一つに対応していく中でフィリップは自身の思いをムッタに漏らす。基地でのチェックも含め、途方もない作業をしていることに意味があるのかと考えてしまう、と。
ムッタは自分たちの帰還船を打ち上げてくれた技術責任者の一人である福田のことを話し始めた。
日本のロケットでソユーズを打ち上げるという試みに対する途方もないプレッシャーを抱えながら、途方もない安全に対するチェック項目を何回もシミュレーションしたと思うこと。打ち上げ成功して自分たちが助かるから、結果としてすごく意味があったこと。
「俺たちもそれでいいんだよ 自分のやってることの“意味”を探す必要はない
やったことの結果が 誰かの“意味あること”になればいいんだ」
そのヤァマンな言葉にフィリップはしびれる。さすがBチームのコマンダーだ。
2人は最後の修復作業を行い――遂にシャロン月内天文台の点灯式。ジョーカーズAチームの面々やヒューストンが中継で静かに見守る中すべてのパラソルアンテナが点灯。シャロン月面天文台は完成を迎えた。
<帰還船を待つ日々>
ソユーズで帰還するためのVR訓練をしながら、太陽フレアの落ち着きを待つ日々が続く。そんな中、自分たちの食料等を積んだ着陸船ルナランダーが到着する日が来た。
ルナランダーは無事月面へ着陸…したかに見えた。ところが、LGPS(月のGPS)の故障で着陸船は予定と違う場所に着陸してしまう。
基地より80km以上離れた場所に到着したという調査結果を聞かされた2人は、がっくりを肩を落とす。自分たちがビートルで移動した最長距離は64km。それは“往復”での距離だ。
「あぁ~…ダメだ…遠すぎる」
陽気なフィリップにも絶望的な気分が襲い掛かる。
地上ではムッタたち救出のための策が練られていた。
ムッタとフィリップを救うためのレスキューミッション。
ロスコスモスの会見に写っていたクルーのメンバー、そこに映っていたのはヒビトだった。
フィリップは「すげぇな!良かったなムッタ!ヒビト超ヤァマンじゃん!」と興奮するムッタに声をかける。
嬉しそうに画面を見つめるムッタをフィリップは静かな笑顔で見つめる。
やがて、途中ISSに滞在していたジョーカーズAチームの地球帰還の時が来た。
ISSに立ち寄っていたAチームと「今まではまだ“同じ宇宙にいるチーム”という感じがあった」。しかし、遂にAチームは地球に還る。
「2度目だなこの感じ」
月面の2人、帰還の4人。
流れる沈黙の間に、エディたちから通信が入った。
「お前たちが還って来るまで 俺たちはジョーカーズのままだ!」
その熱い言葉にムッタとフィリップの表情は明るいものに変わる。
「ヤァマン!」
地球で再会する。ジョーカーズの心が改めて一つになった瞬間だった。
<Aチームの帰還と、友の絆>
Aチームは無事に帰還。それを見守っていたムッタとフィリップも安堵の表情でいっぱいだ。
しかし――基地を離れるとき、宇宙から帰るとき。
そんな置いてけぼり感を二度感じた2人。
Aチームの帰還は「自分の一部がちゃんと地球に還った」。
しかしエディたちからすれば「自分の一部が」「まだ月に残ってる…」。
そんな気持ちだろうと、ムッタは、そしてフィリップも思っていたに違いない。
地上では月面からムッタたちを帰還させるため、問題解決のために動く“タイガーチーム”が結成される。物資のあるルナランダーまでどう安全に往復するか。
タイガーチームに志願したケンジと新田によって、基地とルナランダーのルートが何度も何度もシミュレーションされていた。
悪路が多い中、遂にルートが決定。
VR訓練で示された道を見て、その滑落箇所の多さ、絶壁にフィリップは驚く。
「すげえこと考えるなレイジたち ヤァマンだわ」
遂にルナランダーへ出発。
途中ハビタットという中継地点でキャンプしながら彼らの示してくれた道を進む。中継地点ハビタットに無事到着したムッタとフィリップは思わぬ“先客”に驚く。
帽子とかつら、ジャケットを身につけた人のような後ろ姿――旧型のジョック。紫が2年前に仕掛けたイタズラだった。
「ムラサキとは“久しぶり”なんだけど もうそういうのどうでもいいな このヤロウ…」管制室で爆笑している紫を見て冷めた顔で呟くフィリップ。翌日もムラサキにドッキリとかすんなよ、とぼやくフィリップであった。
そして――ケンジと新田が提案したルートと、紫ジョックの大活躍によってムッタとフィリップは無事ルナランダーに到着。
その中にあったのは、たくさんの物資と、多くのメッセージが書かれた垂れ幕だった。
「くう~っ なんだよこれ…っ 読むのに1時間くらいかかりそう…!
泣かせにきやがって ドッキリ好きな奴らだな」
陽気なフィリップも思わず涙ぐむような、NASAからのサプライズだった。物資を積み替え無事に基地に戻った2人は、一時間かけて垂れ幕をゆっくり読んだ。月面にいる2人にとって手書きのメッセージは大きな力になったことだろう。
<シャロン天文台、完成!>
帰還に向けての訓練が続く中、地上ではシャロン月面天文台のセレモニーが行われる。性能チェックとなる最初の天体を映し出すファーストライト。
沸き立つ会場の様子を見たフィリップは、ムッタにこう話す。
「これだな…これだよなムッタ 『俺らのやったことが 誰かの意味あることになる』――ってのは」
実現させたことが必ず未来に繋がっていく。
多くの人の思いや、シャロンの言葉。
ムッタの夢をアシストしたフィリップ。
誰かの意味のあることになったその事実を、熱量を、誇らしい思いで感じていたに違いない。
<ワクワクな出会い>
ロシアからヒビトたち”マクシム4”が打ち上がった。
月面基地で、大音量にしてマクシム4の打ち上げを見守るムッタとフィリップ。
弟の打ち上げを嬉しそうに見守るムッタをこれまた嬉しそうに見るフィリップも嬉しそうだ。
“マクシム4”がいよいよ月へ到着する頃、地上から連絡が入る。メドヴェージとの交信が途絶えている、と。
地上の工事によるケーブル切断が原因だったが、その原因を究明するまでの時間がないマクシムたちは手動操作に切り替え着陸を試みていた。
着陸の知らせはまだ届かず、到着予定場所にメドヴェージの姿はない。しかし、自分たちは無事の着陸を信じ待つしかない。
宇宙服の酸素もある。ムッタはこのままメドヴェージを探しに行っても良いか、とビンスにたずねる。
かつてヒビトの月面事故を思い出した管制は、許可を出し酸素生成ローバーBRAIANも向かわせる。
バギーを走らせ着陸想定地点に到着したムッタとフィリップは、ブギーと紫操作のジョック一人+一体で組になり二手に分かれ三角測量で捜索。
そして――ムッタは無事ヒビトたちと合流したのだった――。
全員が月面基地に集合しワクワクする時間が始まった。
地球が恋しくなっていた二人。伝わってくるマクシム4のワクワクが、フィリップとムッタを熱くさせた。
<シンボルマークと大発見>
We are “Space brothers”。
その言葉は新しいシンボルマークとなった。ナショナル・ムーン・デーに発表されたワッペン。月面基地でもそのマークが刺繍された。
ちなみにこの回想でフィリップが自身を”手芸のフィリップ”と名乗ることにカルロが珍しく「聞いたことない」と反論。とはいえ、髪型をみれば編み物が得意なことはわかる…とはムッタのセリフである。
ついで水資源調査としてムッタたちがカルロム洞窟の調査に入った。フィリップは吾妻とともに月面基地で道案内をつとめる。彼らが持ち帰った岩石からは水が測定され大発見に基地も地上も湧きたち、彼らはこの日、水でカンパイした。
<地球帰還へ>
あっという間に最後の日が訪れる。
しばらく無人になる月面の施設を無人化させる。月面基地内を綺麗に清掃して、月の滞在は終了だ。
長く濃い思い出が溢れた場所を見渡し基地を後にした。
帰還船メドヴェージに乗り込んだところでフィリップの宇宙服に異変が起こっていることがわかる。宇宙服のインナーの冷却水が漏れたらしくブーツの中に水がたまっていたのだ。循環を止め、船内をぬらさないよう気を付けて脱ぐ。
クルーを乗せた帰還船オリョールは無事メドヴェージとドッキングした。
ところが――なんとメドヴェージ側が火災しておりハッチを開けた吾妻が骨折してしまう。
即座に反応したヒビトと続くマクシムによって火災は無事鎮火。しかし様々な不具合を抱え大量の酸素を放出してしまったため、全員の帰還が困難な状況となる…。
クルーを無事帰還させるため、地上はクルーを二手に分けることを決断。月軌道上にあるソユーズに2人乗り込ませることを決定した。
フィリップは即座に自分たちが、と名乗りを上げる。元々帰還のために乗る予定だった月軌道上のソユーズ。ムッタとフィリップはVRで何度も何度も訓練してきた。
が、冷却水が漏れだした宇宙服ではもう船外活動ができない。
頭を抱えるフィリップ。
決断が迫られる。ソユーズに向かうことになったのは、ムッタとヒビトだ。
誰もが色々なことを覚悟しやるべきことを進める。短い時間の中でソユーズに飛ぶ練習を進めるムッタとヒビト。
いよいよ別れの時。フィリップは涙を浮かべてムッタに飛びつき、こう呟く。
「ムッタ…ずっと一緒だったのに…チクショー こんな途中で…」
フィリップにとっても、最後までムッタと一緒にいられないことは悔しい気持ちでいっぱいだったに違いない。
またすぐ会える。クルーたちは挨拶を交わし、ムッタとヒビトはいよいよ船外へ。
2人の無事を、誰もが祈っている――。