- 出身地
- アメリカ、ミネソタ州ポットヒル
- アメリカ、ミネソタ州ポットヒル
- 初登場
- #108~
words言葉
「高望みもいいとこだ ポットヒルからこんな大学へ行けた奴は一人もいない」
「ポットヒルに生まれた時点で無理だ だまって父親の仕事を継いだらどうだ その方が親父さんも喜ぶだろ」
「ポットヒル工業専門学校へ行け 将来鉱山で働けば十分安定した人生が送れるぞ」
「進路も同じだ 転倒せずに入れる現実的な行き先を考えとけよ」
profileプロフィール
ビンス、ピコ、リックが通うハイスクールの教師。
生徒たちは将来皆鉱山技師になることが良いと考えており、宇宙分野を目指すリックたちの夢を理解しようとしない。
ポットヒルからセントルイス大学に行った者はいない、並の人間が宇宙船を作ることなどできない、いくら成績優秀でも何万人に一人の宇宙飛行士など選ばれることはない、などと言い放つドリームキラー。
ポットヒルに生まれた時点で無理、だまって父親の仕事を継ぐこと。
将来鉱山で働けば十分安定した人生が送れることを語る。
ビンス、ピコ、リック。宇宙を目指す三人は教師のそんな言葉に負けず、日々打ち上げに見立てた疑似訓練をしていたり、ISSの通過を眺めたり、ロケットづくりに励んでいた。
だがいよいよ進路を決定しなければならなくなった頃、三人の状況はそれぞれ変わっていく。ピコは父親に殴られ、説明会に行くことにした。
ビンスが説明会に行かなかったことでビンスの父は学校に連絡を入れ説明会に来るように指導して欲しいと告げられる。教師は次の説明会は必ず行くようにと伝え「これ以上大人に迷惑をかけるな」と付け足した。
親や教師らの圧力で就職説明会に参加しISSの約束も行かなくなったのち、ピコとビンスは鉱山技師になるための工業専門学校に行くことを決める。
それはつまり、宇宙への夢を諦めるということだった。
教師は言う。正しい選択、だと。
「宇宙への夢は最初から俺たちにはデカすぎた」
自分で自分を納得させるように呟くピコ。
自分たち3人の目指す先がいつも“宇宙”を向いていることを刺す誓いのサイン。ピコとビンスは、もう誓えなくなっていた。
しかし説明会に行ったことを二人は激しく後悔する。
その日の午後、リックは交通事故で還らぬ人となったのである――。
一度は宇宙を諦めたピコとビンスは、涙で目を腫らしながらロケットの丘で誓う。宇宙を目指すと、リックといつも誓っていたその拳を突き合わせて。
ポットヒルから宇宙飛行士とNASAの技術者となったピコとビンス。
鉱山技師になる以外の道が殆どなかったポットヒルの若者たちに、二人は新しい道と可能性を拓いた。
教師だった彼は、もしかしたら今は生徒たちに二人を自慢している…かもしれない。