“シャロン天文台”で宇宙兄弟36巻を語る!新刊ミニトークパーティレポ | 『宇宙兄弟』公式サイト

“シャロン天文台”で宇宙兄弟36巻を語る!新刊ミニトークパーティレポ

2019.09.13
text by:樹咲リヨコ
アイコン:X アイコン:Facebook

『宇宙兄弟が、始まる。』

こんにちは!宇宙兄弟メシ、キャラクター紹介担当のライターの樹咲リヨコです。

祝! 36巻発売!

先日のコヤチュー部メルマガでモーニング編集部のコミーさんが熱く語られていた帯の「あおり文」。

36巻を読み終わった後再びこのコピーを読むと、「そういうことか!」を感じ込められた熱い想いがこみ上げてきますね。

笑顔のヒビトの、躍動感ある表紙もとても素敵でかっこいいですよね!

今回も熱い36巻を語りあう読書会ことミニトークパーティが、去る9月8日に東京都三鷹市の国立天文台で行われました。

なんと今回の読書会はアルマプロジェクトの助教を務められており『宇宙兄弟』のシャロン天文台監修をされている平松正顕先生からのご提案により実現。す、凄い!

そんな“特別な場所”で行われた読書会のレポートをお届けします!

シャロン天文台のモデル。国立天文台

さて、国立天文台といえばまずはここを紹介させてください!

南波兄弟が子どもの頃から通ってきたシャロン天文台。そのモデルとなった建物が、敷地の一角にあります。

天文台歴史館(大赤道儀室)は大正15年に建てられた歴史ある建物。床はもちろん、ドーム部分も木造で造られています。見上げると、そこには見たことがある光景が。

シャロンの夫・金子進一博士が“小惑星シャロン”を見つけ、シャロンはもちろん南波兄弟が何度ものぞいたであろう望遠鏡がそこにありました。

江戸時代の幕府天文方から今日まで続く日本の天文学の歴史。解説パネルや当時使われていた望遠鏡など、日本の天文・天体観測の歩みを知ることができます。

ところで…気づかれましたか?

そう、当日ここには少年時代の南波兄弟とシャロンのパネルが置かれていました!

元気な少年ムッタと少年ヒビトが「シャロンおばちゃーん!」と尋ねてきている、そんな光景が見えますね^^

趣向が凝らされたスタンプラリー

今回コヤチュー部オンライン部室の読書会企画運営の方々が趣向を凝らされたアクティビティの一つがスタンプラリー。

アポとブライアン(かもしれないしエディかもしれない)人形が描かれた可愛いMAPとともに国立天文台敷地内の施設を巡って見学しながら、宇宙兄弟スタンプを押していきます。

レトロで可愛らしい、太陽黒点のスケッチ観測で活躍した第一赤道儀室。

太陽系を縮小し、惑星間の距離を感じられる太陽系ウォーク

※写真提供・国立天文台

シャロン天文台のモデルとなった天文台歴史館。

貴重な子午儀がたくさん展示されている子午儀資料館。

そして普段の見学では入ることのできない、読書会会場であるすばる棟。

受付開始から一定時間ごとに一緒になった方々とともに見学しながら、『宇宙兄弟』の話題、宇宙の話題、スタンプの絵柄に盛り上がりつつ会場へ向かっていきます。

このスタンプがまた素晴らしくて!
2cmx2cmのサイズ(最後の1つは6cmx6cm)の中で、小山先生の線が美しく再現されているんですよ~!
私が個人的にとても感動したのはそのキャラクターチョイスと並び!
シャロン天文台は金子進一・金子シャロン夫妻が研究と生活していた大切な場所。
そのモデルとなった“天文台歴史館”のマスには金子進一博士が、その下の “太陽系ウォーク”のマスには金子シャロン博士が。
夫婦二人の穏やかな笑顔の写真が、まさに「最…っ高ね!」なのでした…!

ちなみに…正門で案内をしてくれたのは、なんとブルースーツを着たムッちゃん!

リンスが泡立ちそうなもじゃもじゃ髪。遠くからでも目立つブルースーツ。『宇宙兄弟』だー!と思わず笑顔になってしまいましたよね^^

ムッちゃんに扮していたのは、コヤチュー部員のとんじるさん。暑い中お疲れさまでした!

平松先生による天文学のお話

平松先生はシャロンと同じ天文学者。

「遠くの宇宙」を観るため、日本が欧米などと共同で進めているアルマプロジェクトのメンバーのお一人です(くわしくはこちらをご覧ください)。

4次元デジタル宇宙ビューワー「Mitaka」によって映し出される無数の銀河。

アポロ11号が着陸した「静かの海」の場所はこのあたりなど、月のマップの解説をしていただきました。ちなみにムッタたちがいる月面基地の場所は月の南極地点だそうですよ。

ビューワーで画面がどんどんズームアウトされていき、地球と月の距離が表示されました。地球に一番近い天体とされる月でも「ええ~!そんなに距離が(意外)!?」と思うほど遠く、会場からは驚きの声が。
ムッタとフィリップは今、地球からこんなに離れたところにたった二人でいるんですね…そんな気持ちも沸きあがってきます。

画面はさらにズームアウトしていきます。
今はやぶさ2がいるリュウグウを超え、太陽系を飛び出します。
都心からでも見える明るい星たちもはるか遠く、やがて私たちの地球がある天の川銀河もどんどん小さくなっていきました。

天の川銀河を超えて、さらに遠くの銀河まで観測されている星々。
「“遥か遠くを見る力”なら 我々に勝る者はいません」
そんなシャロンの声も聞こえてきそうです。

また、世界中の望遠鏡の力を集結してその姿が捉えられたブラックホールのお話も。
世界中の望遠鏡の力を合わせると300万という視力になるそう。単位が大きすぎてピンときませんが、具体的には地球上から月面にあるゴルフボールを見つけることができるほどのものだそう。
遠くを見る力、凄いですね!

「宇宙で実際にいけない場所にも面白いものがたくさんあって、天文学者はそれを見ることができるから面白い」

平松先生のお話を真剣に聞く皆さん。
10年後、20年後には今の私たちが未だ知らなかったり、よく見えない星の姿が鮮明になるのかもしれませんね。
それこそ、“小惑星シャロン”のように…!

平松先生、ありがとうございました!

waiwai!36巻トーク

そして、チームごとに36巻を語る時間がやってまいりました!

毎回小山先生のオープニング映像で始まるのですが、今回は原稿が大詰めということで無し。そのかわり、なんと小山先生とリアルタイム通信が行われることに!
今まさに現場で仕事をされている先生と会場が繋がり、読書会の熱気を伝えられる時間。嬉しいですよね。

ちなみに先生、毎回相当長いこと喋り、ご自身で編集されて映像をご用意してくださっているそう。
どこが笑いのポイントになるか、どこを切り取ったら面白いか。まるで漫画のように映像のストーリー作りをされているのカモ!?


皆で手を振ります。先生、お疲れ様です!嬉しそうなアポの背中も…♪

今回半数以上が読書会初参加の皆さん。
つまり初対面の方が多いということですが、「『宇宙兄弟』が好き」その共通点でどのテーブルも最初から大盛り上がり!

『宇宙兄弟』の好きなキャラクター、好きなシーン。
36巻ではまさに「宇宙兄弟が、始まる。」なあのシーンや、ラストの会見、ヒビトとオリガのこれからや、“クリスマス”なあのシーン。マクシム4の彼らについて。新キャラについて。
皆さん本当に熱く、楽しそうなこと!

中でもヒビトが再びパニック障害と向き合い覚悟をしたシーンは、本当に多くの方の心を打ち、一番好きなシーンとしてあげる方が多かったよう。
ご自身も過去にパニック障害を患われて、ヒビトに勇気を貰ったという方も。

読書会恒例ネームと単行本を読み比べる特別タイムではモーニング連載時と単行本の違いを比べ「あ~ここが違うんだ!」という発見をしたり楽しんだりされているようでした。

また自慢の宇宙兄弟グッズを披露されている方もたくさんいらっしゃいましたよ~!^^

シャロンとの“約束”を果たす…あのシーンを再現

最後に行われた室内アクティビティでは1人1人に“あるアイテム”が手渡され、床に貼られたシールに沿ってぐるりと曲線を描いていきます。

床に貼られた黒いテープ。どこかで見たことがある形ですね…!

チームごとにテープに沿ってぐるりと並んでいきます。

そう、それはまさに月面に打ち込まれたパラソルアンテナ。私たちがシャロン月面望遠鏡の一部となり “約束”を果たすべく、 “点灯式”が行われました。

画面に流れる、月面天文台完成までのムービー。

宇宙兄弟の音楽、ムッタやシャロンのセリフに思わず涙ぐむ方も…。

(動画制作:みねきちさん)

アンテナの中心部から、一つ一つ、光が灯っていきます。

60名の光が綺麗な曲線を描いていき、一つの大きな曲線になっていくその光景はとても美しいものでした。

最後には、ムッタの“約束”のポーズで記念撮影。
皆さんとっても素敵な笑顔ですね!

台風接近中につき当初予定していた観望会まで行うことはできませんでしたが、「人間は“天候”には勝てない生き物」。参加された皆さんが無事に帰れることが何よりです。

皆が笑顔で会場を後にする素敵な読書会でした!


読書会は今週末、9月14日(土)に大阪、9月15日(日)に名古屋にて開催されます。

お一人でのご参加が多い読書会。『宇宙兄弟』が好きなら、もうそれだけで盛り上がれちゃいます☆

申し込みはまだ受付中ですので、初めての方もぜひお気軽にご参加くださいね。

https://koyamachuya.com/news/attention/98735/

10月は国立天文台特別公開、そして三鷹市での“太陽系ウォーク”もあります!

秋は宇宙関係の特別公開が続々と!
国立天文台では10月25日(金)、26日(土)に開催されます。
26日(土)はキャンパス全域で開催。今年はすばる望遠鏡20周年をテーマに講演が行われるそう。 詳細は下記リンクよりご確認ください。

https://www.nao.ac.jp/open-day/2019/

また、三鷹市では “太陽系ウォーク”が開催!
太陽系をカラダで感じて大きさや距離を実感するため、まちの大きさと同じくらいになるように小さくした太陽系を散歩する「実感太陽系」というイベント。
惑星スタンプを集めるとオリジナル天文グッズをもらるそう!
9月20日(金)~10月27日(日)まで期間の長いイベントですので、ぜひお出かけください。

http://www.taiyokei-walk.jp/

宇宙酒場、開催!

宇宙兄弟関連では9月13日(金)~20日(金)、お月見が楽しめる宇宙兄弟ポップアップバーが原宿で開催!

作中に登場するメニューやせりか基金コラボカクテルが登場!ドリンクは宇宙兄弟コースターでサーブされます。

期間中は毎日担当編集や商品企画担当がフラッと立呑みをしているのであんな話やこんな話も聞けちゃうかも?

https://koyamachuya.com/news/attention/98866/

『宇宙兄弟』関連のイベント多しの今秋。今後もいろいろと予定されています。

ぜひ公式Twitterや本サイトをチェックして、お出かけくださいね!^^

<ライタープロフィール>

樹咲リヨコ @RiyokoKisaki / @riyoko_kisaki

好きなキャラクターはムッタ、好きなセリフは「人生は短いんだ。テンションのあがらねえことにパワー使ってる場合じゃねえ」。『宇宙兄弟メシ』担当、電子書籍Vol.1~5発売中。現在公式キャラクター紹介執筆中。

イベントなどで宇宙兄弟メシメニューが色々と食べられるようになってとっても嬉しい今日この頃。宇宙関係では現在“はやぶさ2”の無事の帰還を心待ちにしています!