「宇宙兄弟 ペットボトルロケット大会&夏祭り」開催しました! | 『宇宙兄弟』公式サイト

「宇宙兄弟 ペットボトルロケット大会&夏祭り」開催しました!

2024.09.25
text by:編集部コルク
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「月面着陸」目指して、夏空にペットボトルロケットが舞う!

 酷暑が続く東京で、8月24日・25日に「宇宙兄弟 ペットボトルロケット大会&夏祭り」が開催されました! 

大宮…10/12~13 10:00〜17:00

🍁大宮会場のチケットはこちら🚀

ペットボトルロケットとは文字通り、ペットボトルを本体にして、その中に詰めた空気と水の反作用を推力に飛ぶミニロケットのことです。身近な材料で手軽にロケット体験ができることから、年齢を問わず愛好者が多く、各地で競技会や大会が行われています。

『宇宙兄弟』チームでは以前から、ペットボトルロケットの大会を開きたいと願ってきました。アニメ映画『宇宙兄弟 #0』の冒頭では、少年時代の六太と日々人がペットボトルロケット大会に出場していました。あのワクワクした雰囲気と二人の目の輝きを再現したい、という思いから企画が立ち上がり、このたびその機会が巡ってきたのです。作品内での出来事がリアルの世界でつながり現実化した、当日の会場の様子をご紹介しましょう。

 今回の会場となったのは東京都北区、JR王子駅に隣接する飛鳥山公園です。約300年前に将軍徳川吉宗が江戸っ子たちの行楽地にと築いた地で、新一万円札の肖像として注目されている渋沢栄一の旧邸もあります。

 ペットボトルロケット大会は、公園内の多目的広場を借り切って会場として使わせていただきました。この小さなロケットは思いのほかよく飛ぶので、かなり広い空間が必要となるのです。

 広場の一方の隅に、一直線に何かが並べられています。プラスチック製の土台に、自転車のタイヤ用空気入れがつなげてあるもの。これがペットボトルロケットの発射台です。

 その後方には、臨時に設営した日除けのテントがいくつか。参加者はここでロケットの準備を整えて、発射台からロケットを飛ばす算段になっています。

 大会は午前10時からスタート。時間前から集まっていた参加者のみなさんが、テント内で一斉に準備を開始します。

 ひとつのテントで、小学生の男の子とお父さんがロケット制作にいそしんでいました。イベントに合わせて発売となった、青いパッケージが映える専用キットを開封して、材料をテーブル上に並べます。つくり方はさほど難しくないので、男の子がみずからぐいぐい制作を進めます。

 キットとは別途用意した500mlの炭酸飲料用ペットボトルに羽を取り付けてシールで補強し、ペットボトルの底にクッションを装着。ボトルの口の部分には発射口を差し込みます。これでロケットの本体が完成。

 バケツから水を注入したら準備完了。男の子は「マイロケット」を手に、いざ発射台へと向かいます。ロケットを台にきちんとセットし、空気入れを押し込んで空気を入れていきます。

 意外に力が要るので、男の子は全身を使い体重をかけて空気を注入。空気の入れ具合によって飛距離が変わってくるので、ちょうどいい案配を探りながら進めます。

 発射台の角度も微調整します。目指す先はもちろん「月面」。発射台からはるか先のほうに、2本のラインで囲われたエリアがあり、そこを「月面」とみなしているのです。飛んでいったロケットがエリア内に収まれば、みごと「月面」着陸成功! というわけです。

 万端整い、男の子は発射ボタンを手にしました。耳をすませてスタッフのカウントダウンを聞き、「3、2、1、リフトオフ!」の合図でボタンを押します。

と、とたんに激しい水しぶきが上がり、ロケットが勢いよく飛び出しました。スピードは充分だったものの、飛行高度がすこし足りなかったか、「月面」のラインにはすこし届きません。

 自分でつくったロケットを発射できた爽快感と、月面に達しなかった残念な気持ちの入り混ざった表情の男の子。すぐテントへ戻り、もういちど発射準備に取り組みはじめました。今回のイベントは、ひとりにつき3回の発射チャンスがあるのです。

 黙々と作業する男の子を見守るお父さんが、こう教えてくれました。

「親のほうが『宇宙兄弟』ファンなので、このイベントに申し込みました。子どもがこれほど夢中に取り組んでくれてうれしいです。

 夏休みも後半になると、子どもを連れ出す行き先がネタ切れで、たいへんなんです。この時期にイベントを開いてくれるのはありがたい。ロケットが飛ぶしくみなんかも知れて、ずいぶん勉強になっているみたいですしね」

 そう、ペットボトルロケットのキット付属説明書には、このロケットがなぜ飛ぶのか、どうするとうまく飛ばせるのか、科学的な根拠を含めてていねいに記載されています。

 たとえば、ペットボトル内の空気には、外へ押し出される反作用の力がはたらいており、空気が出ていくときには、出て行く向きとは反対向きの反作用の力がペットボトルに加わり、そのエネルギーがペットボトルを飛ばすのだ……とか。または、ロケットには重力、揚力、推力、抗力の4つの力がはたらくので、それぞれの力の性質を知って飛ばせばうまくコントロールできる……ですとか。

 説明を読んで、制作し、飛ばしてみて、また読んで改善点を見つけて……というプロセスを経ると、楽しみながら科学的な知識と思考法が身につくしくみになっているのです。

 会場には、さらなる強い味方もいてくれました。各テントをめぐって、ほうぼうに声をかけたり、質問に答えたりしている人がひとり。アドバイザーとして大会に参加してくれている、岡田修平さん(JAXA)さんです。

 岡田さんはふだん、本物のロケットづくりに携わっています。そんな方に直接指南してもらえるなんて、またとない貴重な機会。これを逃さぬようにと、あちこちから質問が飛んできます。

「羽の取り付け方によって飛距離は変わりますか?」
「水はどれくらい入れるのがいちばんいいんですか?」
「ペットボトルロケットが飛ぶ原理は、本物のロケットの飛行原理と同じ?」

 などなど。どんなことを訊いても、すべて的確にアドバイスをしてくれる岡田さんなのでした。

 そうこうしているうちに、それぞれの発射台のうしろには列ができ、続々とロケットが発射されていきます。みなさんコツをつかんできたのか、ロケットの飛距離は順調に伸び、月面に見立てたスペースにみごと着陸するロケットも現れるようになってきました!

 月面着陸が成功するたび、大きな歓声が上がります。無事に月へ降り立った人たちに、喜びの声とコツを聞いてみると、まず小学生の男の子は、

「ママが申し込んでくれたんだけど、僕も『宇宙兄弟』は読んでます。『月面』の真ん中をねらって発射したら、本当にそこまでロケットが飛んでいった」

 とのこと。5人の友人グループで来ていた20代の男性は、

「本当のロケットをつくってるつもりで、ひとつずつの作業をていねいにやりました。これでダメでも『本気の失敗には価値がある』と思えるように」

 と、『宇宙兄弟』で定番の名言でキメてくれました。

 夏の終わりとはいえ暑さの衰えない公園では、陽が傾くころまでバシュッ! バシュッ! という発射音が、鳴り続いていたのでした。

夏祭り屋台は、科学の目が育つ場所

 ペットボトルロケット大会とともに、公園内の旧渋沢庭園と呼ばれる一角では、「宇宙兄弟 夏祭り」も開催されていました。

 広場のなかに点在するテントで、それぞれ何が催されているかといえば……。

 まずは売店があります。ソフトドリンクやアルコールで喉を潤すこともできるし、「宇宙兄弟」公式グッズもペン、マスキングテープ、キーホルダー、ワッペン……、ずらりとそろっていて、じっくり品定めしたくなります。

 ちなみにいちばん人気を集めているのは、アポのぬいぐるみだそうです。いろいろなグッズが当たる「宇宙兄弟くじ」にも、挑戦する人が絶えませんでした。

 売店の眼前にあるのは、「せりかの惑星バスボールづくり」のテントです。クエン酸や重曹を用いて、惑星そっくりのバスボールを自作できるのです。参加者は、用意されたさまざまな素材から、好きな色を選んで水を加え、カップのなかで混ぜていきます。

 混ぜる分量によってどんな色だってできてしまうのがおもしろいところ。青と赤を1:1で合わせれば紫になるし、赤と黄色を1:1でオレンジができます。

 つくったバスボールは持ち帰れます。参加した子どもたちがみんな、大事そうにバスボールを手にのせて歩き去っていくのが印象的でした。

 お隣は「アポの巨大シャボン玉」のテントです。広いスペースで大きいシャボン玉を思う存分つくることができます。いろんな姿をしたアポのパネルが点在しているので、記念撮影もしてみたいところ。

 シャボン玉のもとになる液体は水、PVA(ポリビニルアルコール)、洗濯のり、食器用洗剤、ハンドクリームにも使われる保湿剤のグリセリンなど複数置いてあって、自由に使えます。液体やその分量のチョイスによって、割れにくさや遠くまで飛ぶかどうかが変わってきます。

 あれこれ模索することで、自然に科学的な考え方を得てもらえたらとの思いを込めています。

 広いスペースを使って展開しているのは、「ヒビトのロケットまとあて」です。フィルムケースでつくったミニミニロケットの筒の内側にアルコールをつけて、発射台にピタッと取り付けます。スイッチを押すと発射されるので、それを惑星型のマトに当てれば成功! というゲーム。

 このロケットが飛ぶ原理はこうです。点火スイッチを押すと、クリップに火花が発生し、その火花が圧縮された容器の中でアルコールと反応。空気が膨れ上がって爆発し、推進力が発生するという具合。これは宇宙へ届く本物のロケットと同じつくりです。ここにも、楽しみながら宇宙科学の第一歩を知るきっかけがたっぷりなのです。

 夏休みの飛鳥山公園に出現したイベントは、目一杯遊び楽しみながら、ちゃんと「宇宙兄弟」や学びの世界とつながっていて、持ち帰れるたしかなものがある場なのでした。

 「宇宙兄弟 ペットボトルロケット大会」は、10月に埼玉での開催が決定しています。飛鳥山に参加した人もそうでない人も、ぜひチャレンジしに来てください!

詳細はこちらから

大宮…10/12~13 10:00〜17:00

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