色づく瞬間はまるで映像。自分だけの“金ピカ”を思い出す、特別な複製原画ができるまで【グッズ製作秘話】 | 『宇宙兄弟』公式サイト

色づく瞬間はまるで映像。自分だけの“金ピカ”を思い出す、特別な複製原画ができるまで【グッズ製作秘話】

2025.06.25
text by:西谷涉
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こんにちは。スタッフのアユミです。

紫陽花が美しく見頃を迎えているなか、真夏のような暑さが続いていますね。
海辺の街では海の家の準備が進み、いよいよ夏本番の到来です。

さて、『宇宙兄弟』の物語がはじまった年として描かれていた「2025年」。
物語の世界と現実が交差する、特別な一年を記念して、原作のメッセージを込めたメモリアルな原画作品をつくりました。「宇宙兄弟 レンチキュラー複製原画」をご紹介いたします。

『宇宙兄弟』の物語のはじまり。
2007年に描かれた「2025年」

2007年12月6日にモーニングでの連載がスタートした『宇宙兄弟』。
ムッタの物語は「2025年5月15日」にはじまりました。

宇宙飛行士がふたたび月へ行く、“ちょっと先の未来”として描かれていた2025年が、
今年ついに現実の時間に追いつきました。

原作では、ヒビトが月面に到着するのが2026年(第7巻)、ムッタが続くのは2029年(第26巻)。

近未来の物語としてはじまった『宇宙兄弟』が、現代が舞台となり、現在進行形で読むことができる今。物語の時代を自分たちが生きていると思うと、何気ない日常も、少しずつ色づいてくるような気がしませんか。

そんな2025年を象徴するようなアイテムとして、これまでも特別な節目にお届けしてきたオリジナル複製原画。今年は、特殊印刷を施した、よりメモリアルな一枚が誕生しました。

「俺の金ピカ」に描かれた、
ムッタが夢への一歩を踏み出すワンシーン

記念すべき“物語のはじまりの年”にお届けする複製原画として、今回選んだのは、第1巻《#2》「俺の金ピカ」より。

ヒビトと母のはからいで、JAXA宇宙飛行士選抜試験の書類選考を通過し、筆記試験の案内が届いたムッタ。

思いがけずに夢への切符を手にしたものの、素直によろこべずに、自分にはどうせ無理だと思い込んでいました。

失敗することを恐れて、挑戦することから遠ざかっていたムッタは、シャロンとの会話をきっかけに、忘れかけていた大事な気持ちを思い出します。そして、ついに筆記試験にも合格‥!

夜の探検でUFOを見たあの日から、
果てしない宇宙の世界に夢中になったムッタ。
弟ヒビトとJAXAに通ったり、天文学者のシャロンと親しくなったり、
科学雑誌の『Newton』を読んだり、ただただ宇宙を夢見ていた少年時代。

子どもの頃からの夢だった宇宙飛行士を、
今、もう一度、本気で目指そうと決意する、
ムッタの心の変化が描かれた大切な一場面です。

視覚効果のある印刷方法で、
物語の色づきを楽しもう。

ムッタの挑戦がはじまる、心の変化を表現するために、今回採用したのが「レンチキュラー」と呼ばれる印刷技術です。

レンチキュラーとは、見る角度によって、絵柄が変わったり、立体的に見えたりする印刷加工のこと。これは、凸レンズの特性をいかしたもので、複数の画像からつくられる合成画像と、かまぼこ型の目の細かな凸レンズ(レンチキュラーレンズ)を組み合わせて、視覚的な効果をうみだします。

工場での印刷の様子。レンチキュラー印刷のための特殊なプリンターを使います
手作業で細部まで点検を行います

この印刷方法を用いて、絵の角度によってモノクロの線画が、夕焼け空に色づいていく瞬間へと変化していく様子を、まるで映像のようにごらんいただけます。

「メロディなきメロディを奏で 道なき道へ行こう」という言葉のとおり。
ムッタの深まる想いがグラデーションとともに描かれ、まるでトランペットの音色も聞こえてきそうな、エモーショナルな一枚。絵のを世界観を引き立てる、紺色の木製額装に入れてお届けします。

サイズは単行本2冊分ほど。背面に紐がついているので、棚に立て掛けても、壁に飾ってもお楽しみいただけます。

あなたの忘れたくない夢は何ですか?

日常の忙しさに追われて、
瞬く間に時間ばかりが過ぎていくなか、
ふと悶々としてしまうことはありませんか。

大人になると、いつの間にか自分のことを後回しにしたり、
ムッタのように失敗を恥じてしまったり、
自分にはできるわけがないと思い込んで、
本当の気持ちにふたをしてしまうことがあるかもしれません。

でも、たまには少し立ち止まって、
自分の心に問いかけてみませんか。

自分の大切な気持ちを忘れていたムッタが、もう一度、夢を追うことを決意をしたのは、
ほかの誰のためでもなく、自分自身のためでした。

ムッタの挑戦のはじまりの想いをぎゅっと詰め込んだ「宇宙兄弟 レンチキュラー複製原画」

かつてのムッタのように、何かを諦めていたり、自分と向き合うことを後回しにしているあなたへ。
日々の暮らしの動線に飾って、小さな変化のきっかけにしていただけたら嬉しいです。

物語が色づく瞬間を眺めながら、
自分自身と向き合う時間をつくってみませんか。