
『宇宙兄弟』45巻の発売日、2025年7月23日(水)まであとおよそ一ヶ月!記念セットの「複製原稿」をご注文いただいた皆さまは、きっと今、ワクワクしながら待ってくださっているのではないでしょうか。
そんな「複製原稿」は、現在、絶賛仕上げ中!
先日、記念セットをお買い求め下さった方にお送りしたメールマガジンで、今回の複製原稿がどれほど細部にこだわって作られているのか、その裏側をご紹介しました。この記事では、その内容をあらためてご紹介します!
なお、2025年6月末時点では、まだ少しだけご注文受付が可能です。気になっていた方は、ぜひ参考にしてみてください!
『宇宙兄弟』45巻の発売まで、あと1ヶ月となりました!
記念セットとしてご用意している「複製原稿」も、いよいよ仕上げの工程に入っています。
今回の複製原稿は、作者・小山宙哉が実際に執筆し、入稿した“生の原稿”をもとに、その風合いまでできる限り再現することを目指して、印刷の調整を進めてきました。
なかでも大きな山場となったのが、ホワイト修正の表現です。
実際の原稿のホワイト修正が入った部分は、ツヤやわずかな厚みがあり、光の当たり方によって立体的に浮き上がって見えることがあります。
けれど印刷では、その“盛り上がり”や“存在感”を表現するのがとても難しい。色としては原稿用紙に近い白色なので、高精度に複写をしたとしても、データをそのまま印刷するだけでは目立たなくなってしまうのです。
そこで今回の複製原稿では、製造を担当してくださった「岡村印刷工業」の技術者さんが、
ホワイトの存在がきちんと伝わるように、影の出し方やグレーの補正などを手作業で細かく調整。1ページごとに、ていねいに仕上げてくださっています。
たとえば下の画像では、左が初稿の色校、真ん中がホワイト調整後の再校、右が原稿本体です。

初稿では、ホワイトが原稿用紙に馴染んでしまい、立体感の表現が、やや物足りない仕上がりでした。再校では、手作業でホワイトの調子を丁寧に加えていくことで、原稿本体の印象に、より近づけることができました。

さらに、このページのせりかの姿は、もともと別の紙に描かれたものを原稿に切り貼りしてあるのですが、その微妙な“段差”や質感まで伝わるよう、細かく調整を重ねました。
ほかには、ベタの黒さにもこだわりました。
ムッタの髪の毛や、母・真弓さんの髪の毛など、ベタで塗りつぶされているページ箇所が多いのですが、黒が薄くならずに、ツヤっとした黒さを出しつつも、タッチの表情が見えるような塩梅に調整しています。

原稿用紙は、経年変化で全体的に黄色っぽくなっていたり、真っ白ではない独特の色味になっています。その風合いも、見てお楽しみいただけるよう、原稿サイズよりひとまわり大きな用紙に、“フチつき”で複製をお作りしています。
“生の原稿”の空気感まで、感じ取っていただけたら嬉しいです。