第2回 母ちゃん土産の豚キムチ定食
料理の腕はムッタの方が上?
ヒューストンでムッタがヒビトに張り合って作った豚キムチ定食。どうやら料理の腕はムッタの方が上らしい(ムッタ本人談)。
ヒビトも心の中で(うまいな これ)と思いながら食べていたようだ。
兄弟であり、ライバル。南波六太・南波日々人。
久しぶりに再会した弟・ヒビトに「もっと張り合えよ つまんねえよ」と言われてしまった兄・ムッタ。子どもの頃とは違う。現実をつきつけられ、宇宙飛行士試験など自分が受かる筈もない—そう思ってしまった。
料理の腕は自分の方が上、山手線の全駅名を早く言える、Jリーグの選手年鑑は暗記済み…。“そういうことじゃない”とわかってはいても、まるで小4のように張り合おうとするムッタ。
自己嫌悪に陥りながら、ムッタは昼間ご近所さんであるオジー夫妻と話したことを思い出していた。—そして、翌朝ヒビトへ置手紙を残す。
明日は俺もNASAへ行く。しかもお前より早起きしてな!
また一歩、葛藤し迷いながらも、ムッタは進み始めた。
「チンして食べる肉まん」「味付けのり」「かきピー」「賞味期限残り2日の韓国 キムチ」。わざわざ土産としてアメリカに持っていく?と思えるほど不思議なチョイス。兄弟は、「ようは自分がいらないもんくれたんだな」ということで納得らしい。
12巻#113『日々人を待つ人々』では「日本的なやつ」ということで「もずく」「増えるワカメ」「鳩サブレー」そして南波家といえば…な「大量のうどん」を持ってきた母(&恐らく父)。この時は自分も滞在するので自分が食べる用にも買ってきたということなのだろうか…。南波母土産、今後も注目である。
材料(2人分目安)豚キムチ
豚バラ肉 | 200g |
---|---|
市販のキムチ | 300g |
ゴマ油またはサラダ油 | 小さじ1 |
めんつゆ | 10滴ほど |
他にもやしや玉ねぎ等お好みの野菜を入れるのもオススメ。
作り方-豚キムチ-
【1】
豚肉は3〜5cm程度のお好みサイズに切る。
【2】
温めたフライパンに油をひき、肉を一枚一枚剥がしながらいれ、豚肉を炒める。
【3】
火が通って色が変わってきたら好みの野菜を入れて炒める。今回は玉ねぎ1/2個を入れる。
【4】
野菜にも火が通ってきたらキムチを入れる。サッと混ぜながら炒め、最後にめんつゆを数滴入れ、再びサッと混ぜてお皿に盛り付け完成。
味付けが物足りない人は、塩・味噌などで調整する。豆板醤などで辛めの味漬けにするのもオススメ!
材料(2人分目安)豆腐とワカメの味噌汁
豆腐 | 1/2丁 |
---|---|
ワカメ | お好みで適量 |
ネギ | 適量 |
水 | 400cc |
味噌 | 大さじ1と1/2 |
ほんだし | 2g(スティック1/4程度) |
作り方-豆腐とワカメの味噌汁-
【1】
ワカメを水で戻す。一度サッとすすいで塩を落とし、5〜6分浸しておく。(乾燥ワカメの場合は不要)豆腐を1〜2cm角のサイコロ状に切る。
【2】
水400ccにほんだしを入れ、中火で温める。沸騰する前の泡がぷつぷつ湧き出したくらいで味噌を溶かし、豆腐とワカメを入れる。(乾燥ワカメはこのタイミングで)
【3】
沸騰する手前くらいで火を止め、器に盛って輪切りにしたネギを入れ完成。
ムッタは準備中。
どの巻ももちろんそうだ、という大前提はあるのだが、2巻には特に読者が共感してしまうような名場面が多いと思う。
ムッタ自身はとてもハイスペックな人なのだが、兄としての理想とする自分に追いつけていないのか、いまひとつ自信を持てていないように見えるしとにかくネガティブに考えがちな傾向がある。何かとうまくいかない現実を「ドーハの悲劇」生まれの宿命とし『優秀すぎる』弟によって気持ちがぐらついている状態だ。
昔から「頭のネジが一本足りない」という表現がぴったりだったヒビト。シャロンに英語を教えてもらっていながらとんちんかんな訳やスペルミスは多いし、全く勉強ができない。勉強という勉強はいつもムッタが教えていた。だがヒビトは突然ムッタより頭が良くなり、自分の夢を叶え宇宙飛行士になってしまった。
そんなことを思い出しながらオジーとオバーにヒビトの話をすると、夫妻は笑いながら言う。誰だって何か足りないものだと—。
この言葉で心が少し軽くなった読者も多いのではないだろうか。そして、ムッタは今頃何をしているのかと尋ねるオジーにヒビトは決まってこう言った。
ムッちゃんは今頃日本で
宇宙飛行士になる準備をしてる筈だよ
自分のことを周りにそんな風に言っていたなんてことを初めて知ったムッタ。
きっと自分の後を追ってくるだろうと信じて疑わないヒビト。
少しずつ変化していくムッタの心情に思わず『頑張れ!』と声を掛けたくなる。
地上約400km上空にある、世界15か国が協力して作り上げた巨大有人施設、国際宇宙ステーション。日本が持っている「きぼう」モジュールでは今でも様々な実験が行われている。サッカーコート1面分の大きさのISSは、時々日本からでも観ることができる。天気の良い仰角30度以上の日がオススメで、点滅しない明るい光が特徴で、スーッと空を横切って行くのが肉眼でも確認できる。
目視予測は「きぼうをみよう」で検索または
http://kibo.tksc.jaxa.jp/へアクセスしてみよう。
せりかが目指し、ムッタやヒビトたちが子どもの頃からワクワクしながら眺めたISSを、あなたもぜひ観てみよう。
きぼうは2007年〜2009年の3回のスペースシャトルミッションによって組み立てられた。
土井・星出・若田宇宙飛行士が建設に関わった。
2024年まで運用延長が決定されたISS。2016年7月27日現在、大西卓哉宇宙飛行士が搭乗している。ぜひISSを見つけて手を振ってみよう。
ヒビトにNASAに来るよう呼ばれたムッタ。自分は宇宙飛行士にはなれないと「わかっている」ムッタを焚き付けるヒビトだったが、ムッタは張り合うことをとっくの昔に止めてしまっていた。ある日ヒビトの友人であるオジー夫妻とレストランに来ていたところ、事件が起こり…。
宇宙兄弟2巻、好評発売中!
樹咲リヨコ(きさき・りよこ)
デザインやイラスト、ナレーションなどを仕事にしているフリーランス。宇宙兄弟や宇宙が大好きで、宇宙兄弟や宇宙の魅力をもっとたくさんの人とわかちあいたいと思っている。特に好きなキャラクターはムッタ、好きなセリフは「人生は短いんだ。テンションのあがらねえことにパワー使っている場合じゃねえ」。いつか宇宙に行ってみたい。
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