月面着陸フィギュア製作ストーリー☆手塗りならでは、世界にたったひとつのオリジナル
こんにちは。スタッフのアユミです。
先週よりお届けしている、
「宇宙兄弟 ムッタ・ヒビト月面着陸ソフビフィギュア」の作り手インタビュー。
本日は、制作過程のおはなしをご紹介します。
今回の作品作りにあたって、何を考え、どのように表現に落とし込んでいったのか。
アーティストRYUCAさんの筆塗りにこだわる理由。ぜひお楽しみください。
ここだけのおはなし!制作者のこだわりポイント
ー今回のフィギュア作りにあたって、なにか意識されていたことはありますか?
RYUCAさん(以下、RYUCA):
アーティストと漫画家という、ジャンルの違う2人の作品が、
どうやったらうまくマッチングするのかな、ということをまず考えました。
その結果、RYUCAさんが選んだのは、筆塗りという方法でした。
「龍之介」同様、フィギュアの原型はパーツごとに工場でつくられますが、
そこからあとは一つ一つ、顔、腕、胴体の宇宙服の細部まで、
手塗りでしあげていくのです。
ソフビカラーという専用の塗料を使って、
マスクをつけ、換気に気をつけながらの作業になります。
塗っては乾かし、塗っては乾かしを繰り返し、徐々にしあがりの色味に。
ほんとうに、手の込んだ細やかな作業です。
RYUCA:
漫画の作品をそのまま書いてしまうと、
せっかく立体なのにペタッとしたものになってしまうんです。
なので、影とかもあえて、入れていきたいなというのはありました。
前回(トリビュート展)のものよりは、線を濃くした方が、より漫画っぽさと、
26巻の表紙の雰囲気がでるかなと思い、カラーで載っていたので、
カラーで見たときの六太を極力再現しつつ、せっかくコラボなので、
立体ならではの表現もとりいれています。
ー手塗りの作業で、色を出すのかむずかしかったり、
とくにこだわったところがあれば、教えて下さい。
肌色をきれいに出すために、一度白で塗ってから、カバーしてから
日々人カラー、六太カラーを作りました。
六太の方が健康的な、赤みがかった肌色にしていますね。
日々人は金髪というのもあるんですけど、黄色味の強い肌色にしていて、
目もちょっと明るめの色に。原作の漫画とかチェックしながら、近づけていきました。
RYUCA:
(六太と日々人は)大人だけど、(RYUCAさんのシリーズ作品である)
龍之介はこどものキャラクターです。
こどもの頃の想いが大人になって叶ったということで、
こどもの感じをそのままにして作っています。
ほっぺたの赤いのもいれて。
RYUCA:
それから、たまたま資料でいただいた原稿が、
「レゴリスまみれにもなるし」っていうシーンだったんですよ(笑)。
月の砂(レゴリス)が手についたぞ、みたいな。
で、ちょっと汚した感じを入れたいなと思って、
腕や_袖の部分に汚れを入れました。
ー手塗りにこだわった理由はなんですか?
RYUCA:
1個1個ちがう感じを楽しんでもらえるような、1個1個のずれが、
購入された方にとって愛着となればいいなと思いました。
作業は細かい部分が大きく、MUTTAの文字もひとつひとつ違うんです。
宇宙服を再現するにあたって、「リアルすぎず、省略しすぎず」
を心がけたというRYUCAさん。
ムッタの「6」を、型抜きみたいな感じでくっきりとさせるか、
手書きにするかをすごく悩み、1つ1つ手書きにすることを選びました。
RYUCA:
手書きはやっぱりものすごくずれるんですよね。
ふつうのソフビって、一発OKか、ミスったら破棄か、
くらいのけっこうシビアなずれが出ます。
わたしはエアブラシでやってた時代には
けっこうシビアにやってきたんですけど、筆塗りになったときに、
描いたり消したりしているうちに、いろんな色がまざっていった結果、
新しい効果が生まれたりして。逆にそれを楽しんで、書いています。
それが、手に入れた方に伝わったらいいな、と思いながら。
下書きとかが残っていて、あ、ここもう1回書いたんだな、とか(笑)、
そういう、作家の息づかいを感じられるのがおもしろいかなと思っています。
RYUCA:
失敗したから捨てられちゃう人形もすごいかわいそう、
という気持ちもどこかにあって。
ちょっとずれたりしたところも、味というか。
それがあってこの子、みたいな人形になればいいなと思います。
ー制作期間はどのくらいかかりましたか?
RYUCA:
6月ごろに初めてお話しをいただいてから、
試作品は1ヶ月くらいでできました。
その後に、26巻が発売されて。
そこでやっぱり、読者の方の一番強いイメージって、最新刊になるじゃないですか。
それもあって、月に行ったぞっていう記念すべきということもあって。
26巻を実際に手にとって読んでみて、もうちょっとこうしよう、だとか。
7月末の声優さんとのコヤチュー部ファンクラブイベント
に参加させていただいたときに、
ファンの人たちの空気を実際に感じとれる機会もあって。
それもあって、このひとたちを喜ばせるためにはどうしたらいいのかな?
ということを考えながら、完成させました。
ー試作品のあと、どのような部分を修正されたんですか?
RYUCA:
試作品のときは、目のラインもまだ入っていなかったり、
細かなところにけっこう手を入れ始めて。
このNASAとかのワッペンも、もうちょっとそれっぽく。
より、手にとったときに喜んでもらえて、わぁー!ってなるような、
驚きのある作品にしたいなと思いました。
次回はいよいよ、連載コラムの最終回!
限定コラボフィギュアでは、フィギュアのデザインや塗装だけだけでなく
ヘルメット作りとパッケージにもご協力いただいたRYUCAさん。
さらに奥の深い、ものづくりの世界が見られます。
更新は30日!どうぞお楽しみに。
★いよいよ発売!『宇宙兄弟』× RYUCA 限定コラボフィギュアはこちら
宇宙兄弟 ムッタ・ヒビト月面着陸ソフビフィギュア
※すでに完売しました。
★連載ブログを読む
第1回:祝☆ムッタ月面着陸!限定コラボフィギュアができるまで
第2回:限定コラボフィギュアの作り手、RYUCAとは?
第3回:手塗りならでは、世界にたったひとつのオリジナル
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<アーティストプロフィール>
RYUCA(りゅか)
独特なタッチと世界観で、幅広い作品を制作する東京在住のアーティスト。
詳しくはRYUCAさんの公式ホームページへ