火星は生命体存在の可能性が探られるなど、近年注目度が高い惑星。
約2年2カ月ごとに地球に接近している火星ですが、今年はなんと「大接近」の年で、観察に適しています。
今年の一大天体ショー「火星大接近」についてご紹介します☆
火星とはどんな惑星なのか?
火星は、地球のすぐ外側を公転している惑星です。
直径は地球の半分ほどの大きさで、重力は地球の4割ほど。
重力が小さいので軽い気体は存在できず、主な成分は二酸化炭素と言われ、酸素はほとんど存在しません。
これまでに数多くの探査機が火星に送り込まれており、驚くべき地形を持つ火星世界が明らかとなっています。
赤く輝いているのは、火星の表面が酸化した鉄分(赤さび)を多く含む岩石におおわれているからです。
ひときわ夜空を赤く輝いているが特徴的なので、街中でも簡単に見つけることができます。
7倍も大きく見える!7月31日「火星大接近」
2018年7月31日に火星が地球に最接近します。
約2年2カ月ごとに地球に接近する火星ですが、「大接近」とも呼ばれるほど地球に接近するのは、15年ぶりのこと。
この時の火星と地球の距離は、5,759万キロメートルとなり、見掛けの大きさは最も遠い時期に比べ“7倍”も大きく見えます。
また、地球との位置関係(距離)によっても明るさは大きく変り、最接近時には約40倍ほどの明るさとなります。
では、なぜ火星は最接近するのでしょうか?
地球の軌道とは異なり、火星の公転軌道はつぶれた楕円形をしています。
地球の外側を回る火星は、地球と同じように自転をしながら、687日をかけて太陽を1周しています。
内側を回る地球は、それよりも365日をかけて早く回っているため、ある地点で火星に近づき、そして離れていきます。
火星の軌道が楕円であるため、最接近時の地球からの距離は約6000万キロメートルから約1億キロメートルまで大きく変化します。
接近時はいつも同じ距離なわけではないようですね。
このように火星も太陽の周りを公転しているため、時期ごとに星の間を縫うように動いていきます。
7月31日の最接近時には、東の空に昇り“やぎ座”あたりで見ることができ、ほぼ一晩中観測できるようです。
肉眼では普段より明るく見える程度にしか分かりませんが、天体望遠鏡を使用して観察すれば、火星表面の模様なども見ることが可能です。
次の火星大接近は、17年後
火星を観察しやすい時期は、今年の“9月上旬頃まで”続きます。
ちなみに次の大接近までは、17年もあるのだとか。
この夏はぜひ今年のトレンドでもある火星に注目し、天体観望会などに参加するなど、天体ショーを目に焼き付けてみてはいかがでしょうか?
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[参考文献]
・The Real Mars 火星の素顔
<スタッフプロフィール>
ゆみ
星空をこよなく愛する宙ガール☆天文初心者のため勉強中です。
温泉と旅も大好き。いろんな所をめぐって、その魅力をお伝えします^^