12星座の物語〜乙女座をたどる〜 | 『宇宙兄弟』公式サイト

12星座の物語〜乙女座をたどる〜

2018.06.05
text by:編集部コルク
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こんにちは。スタッフのゆみです^^
6月に入り、梅雨の季節が到来しましたね。
しばらくは雨の日も重なりそうですが、心待ちにする晴れの日の夜には空を眺めて気分転換も最適です。

春の大曲線の一つとして、白い宝石のように美しく輝くスピカという星を持つ「乙女座」は、6月の夜にも鑑賞することができる黄道十二星座。
全天で2番目に大きな星座としても知られています。

今回は12星座の物語の一つとして、乙女座の物語をご紹介したいと思います!

愛娘をさらわれた農業の女神デメテル

「乙女座」のモデルは、さまざまな女神の姿と見られていますが、ギリシャ神話に登場する農業の女神デメテルだとも言われていて、左手には麦の穂先を持ち、羽の生えた女性がイメージされています。

さて、この神話は農業の女神デメテルの愛らしい一人娘ペルセポネの身におきたある事件に関係しています。
冥土の王プルトーンが、ペルセポネを妻に迎えようと、地底の宮殿へと強引にさらっていったことから始まりました。

農業の女神デメテルは行方不明の娘を何日も探し回りましたが、冥土の王プルトーンが娘を連れ去ったことがわかると、悲しみのあまり洞穴に姿を消してしまいます。

地の母とも呼ばれた農業の女神デメテルの恵みにより、作物は一年中豊かに実り、人々は幸せに暮らしていましたが、彼女がいなくなったことで、地上は暗く寒い日が続き、とうとう農作物ができなくなりました。

これを見かねた大神ゼウス。
ペルセポネがまだ冥土の食べ物を口にしていなければ、この世に戻ってこれる望みがあると言い、冥土の王プルトーンにペルセポネを母のもとへ帰すよう命じました。

大神ゼウスには逆らうこともできず、冥土の王プルトーンはその要求をのみますが、彼はペルセポネの帰り際にそっとザクロの実を4粒ほど渡します。

ペルセポネは無事に母の元に帰ってくることができましたが、ザクロの実を4粒食べてしまったペルセポネは、1年のうち4ヶ月間は冥界で暮らす運命となってしまうのでした。

ペルセポネのいない4ヶ月間は、母である農業の女神デメテルが洞穴にこもってしまうことから、地上はその恵みを受けることができず、大地の凍てつく冬がやってくるようになるのでした。

乙女座の見つけ方のポイント☆

乙女座は、ほとんどが3等星以下のため、その形状は見つけやすいとは言えませんが、1等星の明るい星スピカを持つため、ここが見つけるためのポイントとなります。

7つの星が柄杓を形どったような北斗七星の柄の先から、うしかい座のアルクトゥールスをちょうど通る形状に緩やかな弓なりの曲線を描いていくと、乙女座のスピカにたどり着くことができるので、そこが目印となります。

ちなみに、この曲線のことを「春の大曲線」と言い、この曲線上にあるオレンジ色っぽく光を放つうしかい座のアルクトゥールスと、真っ白い真珠のように輝く乙女座のスピカは、「春の夫婦星」とも呼ばれているんですよ。
>>春の星座の詳細はこちら

いかがでしたでしょうか?
乙女座が織りなす季節の物語と、その見つけ方をお届けしました。
乙女座も今が見頃なので、晴れの日にぜひ探してみてくださいね^^

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<スタッフプロフィール>
ゆみ

星空をこよなく愛する宙ガール☆天文初心者のため勉強中です。
温泉と旅も大好き。いろんな所をめぐって、その魅力をお伝えします^^