小山宙哉ラジオ「ノンノ・バビア」第8回「”せりかの涙”誕生秘話」
コヤチュー部プレミアム会員に向けて配信中のラジオ「小山宙哉のノンノ・バビア」。担当編集のコムロがキャラクターの創造秘話や小山さんの好きなマンガや映画を掘り下げていく企画。ときには、おたよりを元に本気の妄想をしてみたり。毎回バクバクなおしゃべりをお届けしています。
コムロ:
前回「ムッタの創造秘話」をお聞きするお便りがありましたが、今回はこちらのお便りです。
「27巻259話のセリカの名シーン(コニャックを入れたタンパク質が結晶化したところ)の裏話などあれば教えてください。バクバク」
ということで。前に僕がちらっと聞いたのは、セリカが泣くシーンは、結構前から決めていたと。
小山:
8巻ぐらいから、泣くシーンは決めていましたね。
コムロ:
『踊る宇宙飛行士』のもっと前かな。「合格して泣かないぞ」っていうシーンがあって、泣かないぞっていいながら、泣きそうになるシーンが。
小山:
何回かあるんですよね。泣きそうだけど、泣かないっていう。
コムロ:
「まだここじゃない」っていう趣旨の言葉をセリカは自分に言い聞かせていたんですけど。
小山:
言ってたよね。つまり?っていう。(笑)。あとで、みたいな(笑)。
コムロ:
つまり・・・と思いながら描いていたと(笑)。そういうふうに泣くっていうことが決まってたんですね。先に。
小山:
そう。ISSで泣く。涙が浮かぶ場面は描きたいなと。それが決まっていたぐらいで。あとは、その場、その場で組み立てていったかんじですね。
難しいですけどね、先に決めておくっていうのはね。そうはならない場合もあるんでね。
なんとか。なんとか強引にというか。強引には見えてないかもしれないけど、なんとかやりきった感じですよね、あそこは。
コムロ:
全く強引にという感じではないと思っています!
それは、「今回やな」と思うんですか?ネームを描き始める瞬間に。「今回でこれ泣くな」って決めて描いているのか。描いている間にセリカが泣いていったのか。
小山:
今回やなっていうか、セリカのそのシーンに関しては、もう描くって決まっていたからそこに向かっていく。で、そのタイミングがきたら泣くっていう感じです。そこに至るまでの話が、何話か必要でしたね。
コムロ:
なるほど。セリカのシーンに関連する質問でもう一つお便りがあります。
「27巻で、何年も前から考えていたセリカさんの重要なシーンと一緒に聞いていたという曲名とアーティスト名を教えてください」と。
小山:
このシーンは、8巻のあたりから、シガー・ロスの『Hoppipolla』という、実写映画にも使ってもらった曲を聞いていました。北欧の方で、天使の歌声と言われてる男性ボーカルですよ。
夜にね。仕事場の帰り道に、歩きながらその曲を聞くんですよ。聞きながら、月を見ながらこのシーンを毎回想像してました。
だから、あのシーンを読みながら、この曲を聞くといいかもしれないですね。
#08は他にも「情報とストーリーのすり合わせについて」「他のキャラクターを描くときに聴く曲について」などを話しています!
小山さんの声で制作裏話を聞いてみたい方は、小山宙哉ファンクラブ【コヤチュー部プレミアム】をチェックしてみてください!
#06は「宇宙兄弟に悪い人いないのなぜ?ほか」から一部抜粋してお送りします! お楽しみに。