[千葉県立現代産業科学館]期間限定の特別なプラネタリウムで50万年前の星空を☆ | 『宇宙兄弟』公式サイト

[千葉県立現代産業科学館]期間限定の特別なプラネタリウムで50万年前の星空を☆

2018.09.04
text by:編集部コルク
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千葉県立現代産業科学館は、産業に応用された科学技術を体験的に学ぶことのできる場で、子供から大人まで楽しめます。
毎年、夏の間のお盆の時期を中心に2~3週間ほどプラネタリウムを上映しています。
今年で13回目となり、プラネタリウム・クリエーターの大平 貴之さん(@ohiratec_mega)も自ら登壇し、プラネタリウム上映の解説会を行います。

最新鋭の12Kデジタル投映+MEGASTAR-FUSIONを導入し、直径23メートルのドームにさらに臨場感あふれる投影を実現しました!

今回は「千葉県立現代産業科学館」のプラネタリウム上映の解説会での体験をご紹介します☆

大平 貴之さんによる遊び心あふれるプラネタリウム生解説!

夏の星座“蠍座”と天の川の正体の発見

ドームには夏の夜空が映し出され、夏の星座“蠍座”の物語が語られます。
力自慢をし過ぎた狩人オリオンを刺し殺した蠍座の話から、「口は災いのもと」「出る杭は打たれる」と表現され、日々日常で感じている教訓や処世術を夜空は伝えてくれます。

蠍座の多くの部分は天の川の中にありますが、空に川が流れていると考えられていた天の川の正体は、イタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイによってたくさんの星が集まっていることが発見されました。
そして天の川は、巨大の光の円盤・銀河系を中から見た姿だということが分かっていったのです。

天の川の位置関係に見る「夏の大三角関係」!?

その天の川ですが、七夕に由来する2つの星、織姫(ベガ)と彦星(アルタイル)の星の位置関係による距離感から、織姫の心情の移り変わりを読み取ることができるのだとか。

また、大神ゼウスが化けたはくちょう座(デネブ)も2つの恋仲の星の間に割って入ることで、“夏の大三角”のことを「夏の大三角関係」と大人な洒落をきかせ、天文学の教科書にも載っていない大平さん独自の解釈によるオリジナルの話を聞くことができるのも、この上映解説会の醍醐味なんです^^

(理科のテストではそう書かないよう子供達に注意を促すシーンもありました 笑)

大平さんのまとめ
「星空に奥行があるのは、たくさんの星が散りばめられているからだけではありません。様々な意味があり、私たちにそれを伝えているのです」

プラネタリウム上映会「Ancient Stars~ 50万年前の星空~」

続いてこちらのプラネタリウム番組「Ancient Stars~ 50万年前の星空~」も、大平さんの語りとともに上映。

過去へとタイムスリップしてさかのぼり、紀元前まで遥かな時間の旅に出かけます。
あまりにも長い年月は星座の姿をも変えてしまうようで、50万年前に見えていたであろう星空が再現され、想像力を巡らせていきます。
マンモスなどの絶滅してしまった動物たちが星座に見立てられたことも、きっと当時はあったのではないでしょうか。

現代を生きる私たちの課題

「地球の歴史上始まって以来の“大量死滅”の時代。それは、私たち人間が数を増やし様々な活動を広げて、多くの動物や植物たちの住みかを奪っているからだそうです。それだけではなく、私たちの文明のエネルギー源もだんだん底をつこうとしています」

今ある大都会の街灯りは、私たちの先祖50万年の人々の歩みがあってこそのもの。
こういった問題に、私たちはどのような答えを出し、どのような未来を作れるのでしょうか?

大平さんは答えました。

「その答えのヒントは“宇宙”にあるように思います。宇宙に無数に星があり、もし地球のような星があって、私たちが彼らから学ぶことができれば、それは私たちにとって大きなヒントになるはずです。

夜空を見ることは決して、夢やロマンだけではありません。この大きな宇宙の広がりの中のたった一つの惑星“地球”を見つめ直し、そして私たちが未来にどんな方法に向かっていくかを私たち自身で語り合い、そして見つけていく。そんなきっかけにできればと思っています」

ユーモアがありながらも、心に重く響くメッセージを伝えてくれました。
現代が抱えている問題は決して外で起きていることのように他人ごとではなく、私たち自身の問題として捉えていきたいものです。

そんなふうに時には宇宙の見方を変えて、現実の問題に立ち戻ってみることも、視野を広げてくれるものがあっていいのかもしれませんね。

【千葉県立現代産業科学館】

●営業時間:9:00~16:30(入館は16:00まで)
●休館日:月曜日(祝日または振替休日の場合は開館し翌日休館) ※年末年始:12月28日 – 1月4日
●アクセス:千葉県市川市鬼高1丁目1−1−3
>>詳細はこちら

書籍「Twitter宇宙講座」

マーカス・チャウン/ホヴァート・シーリング 翻訳:不二淑子 監修:大平 貴之 (共著)

プラネタリウム・クリエーターとして有名な大平 貴之さんが監修するこちらは、外国の天文ライターがTwitter上で天文学講座を開いたことから、書籍化が実現した一冊。
「宇宙ってどのくらい大きいの?」 「天の川ってどんなもの?」
誰しも疑問に思ったことがあるかもしれない、宇宙に関する数々の問いの答えを読み解きます。

>>詳しくはこちら

<スタッフプロフィール>
ゆみ

星空をこよなく愛する宙ガール☆天文初心者のため勉強中です。
温泉と旅も大好き。いろんな所をめぐって、その魅力をお伝えします^^