
時計って、 時刻を見るものだけじゃない。
「こんな日常で身につけたいな…」グッズ担当・ささきによる妄想コラム。
「宇宙兄弟手巻き時計」のある生活1日目をご紹介します。
私は飽きっぽくてすぐに新しいことに惹かれてしまうけれど、
決めていることがひとつある。
それは、毎朝を心地よく過ごすこと。
よし行くぞ、と思える朝をつくる習慣を大切にしている。
朝、5時にアラームで起きるも、
30分ほどベッドでぼんやりしてから、ようやく起きあがる。
冬の時季だけは、朝焼けの橙色を見に東向きに窓がある部屋に向かう。
毎朝同じようでいて、
靄のかかり具合や流れる風が違う気がして、つと数秒その朝を感じる。
それから、追い炊きをしていた湯船に浸かり、
真夜中のうちに発売となった漫画や読みかけの小説を読んで、
つかの間、物語の世界に。
急いでいる朝も、漫画1話だけでも小説3頁だけでも読んで、力をもらう。
生活とは違う世界の豊かさに身体を温める。温かいな、と毎朝驚く。
シャワーを浴びて、身支度をして、朝食の時間。
夕食は翌朝でも美味しいものをつくっておいて、朝の楽しみにする。
夜のうちに食パンをアイスクリームと牛乳に浸しておくとか、
豚汁をたっぷりつくっておいて翌朝切りたての葱を入れるとか。
朝食という大きな楽しみを終えてしまうと、
粛々と片付けて、歯を磨いて、出掛ける直前の仕上げをする。
自室で、コートを羽織って、大判のストールに守られて、いざ。
大切にしようと決めた腕時計を右手にとって、
左の手首に掛けて、ベルトを留める。
ユニセックスの分、長さの余ったベルトを折り返す。
いつかの朝、湯船で読み返したシーンのように、左手の腕時計をじっと見る。
電池切れをきっかけに腕時計を変えてから、
私の朝の習慣に、時計のぜんまいを巻くことが加わった。
ぜんまいをチリリリと巻く。
巻きながら、ずっと夢焦がれていた舞台に降り立つときも、
ハプニングが起きて大変なときも、
誰かを思ってドキドキしてしまうときも、左手にいてくれよ、と時計に願う。
ぜんまいのせいなのか、以前の腕時計よりも左手が重たくなったけれど、
ずっしりとした重みは「付けている」実感を与えてくれる。
慣れると、これが癖になるだろう。
手塩をかけて、巻いていけば、少しずつ私の手に馴染んでくるのだろう。
飽きっぽい私にとっては、習慣を増やすことはチャレンジだけれど、
この重みが癖になる日を楽しみにしている。
もう時刻は7時を過ぎている。よし行くぞ、と冬の家を出る。
ムッタとせりかの手巻きの時計
12月1日 23:59までの期間限定販売!