12星座の物語〜蠍座をたどる〜 | 『宇宙兄弟』公式サイト

12星座の物語〜蠍座をたどる〜

2018.07.30
text by:編集部コルク
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こんにちは。スタッフのゆみです^^
8月に入り、夏も真っ盛りですね。
今年「火星大接近」が天体のニュースとして話題を呼びましたが、まだまだ火星はその見かけの大きさを保ち強い光を放ち続けています。
火星の赤色に対抗意識を燃やす“アンタレス”という星を持つ「蠍座」もまた、夏の代表星座として知られる黄道十二星座の一つです。

今回は12星座の物語の一つとして、蠍座の物語をご紹介したいと思います!

火星に対抗するもの“アンタレス”を中心とした蠍座の見つけ方☆

蠍座は南の空に目立つ星座。
低い位置にあるので、見られる時期が夏の他の星座よりも短く、南に行けば行くほど、高い位置に見ることができます。

蠍座の胸には、赤い1等星の“アンタレス”という星が輝いています。
“アンタレス”とは、“アンチ=アーレス”というギリシア語が語源であり、「火星に対抗するもの」という意味になります。

惑星である赤い火星が、“アンタレス”の近くを時折り通る時に、その赤さを比べて競っているように見えることから、その名前が付いたようです。

“アンタレス”は5年くらいの周期で0.9等星から1.8等星までの明るさが変わる半規則変光星なので、やや暗く見えることもあります。火星は地球との距離により光の見え方が変わりますので、赤さ比べの勝負はその時々で変わるようです。

蠍座の形状は、主星“アンタレス”を中心に、夏の天の川に垂れ下がる滑らかな釣り針型のS字カーブがポイントとなります。

しかし、実は蠍座にはもう一つのライバルが存在しているのだとか。
それは一体どのような存在なのでしょうか?

もう一つのライバル、冬の代表星座“狩人オリオン”

蠍座は古代バビロニアからある古い星座。
夏の代表星座でもある蠍座は、冬の代表星座のオリオン座のライバルです。

ギリシャ神話では、日頃腕力自慢で威張り散らしていたオリオンをこらしめるために、大神ゼウスの后である女神ヘラが猛毒をもつ大蠍を放ちました。
その大蠍が狩人オリオンを刺殺したことで、大蠍はその功績により星座として空に上ります。
狩人オリオンは蠍を恐れて、蠍座が沈んでからオリオン座の姿を見せるのだとも言われています。

これは、お互い正反対の位置関係にあり、蠍座とオリオン座が同時に見えることはなく、ライバル関係にある星座という解釈となります。昔の人は空を見上げながら、星座の位置関係までも巧みに使ってうまい話を作ったものだと感心させられますよね!

いかがでしたでしょうか?
グッと想像力を掻き立たせてくれる所も、星座の魅力の一つ。
夜空の物語を知ることで、夏の夕涼みに楽しみを見つけてみては^^

「火星大接近」の好機到来!


火星は近年注目度が高い惑星。
今年火星が「大接近」し、まだまだ強い光を放ち続けています。
この夏は火星に注目し、天体ショーを目に焼き付けてみては?
>>「火星大接近」の記事はこちら

<スタッフプロフィール>
ゆみ

星空をこよなく愛する宙ガール☆天文初心者のため勉強中です。
温泉と旅も大好き。いろんな所をめぐって、その魅力をお伝えします^^