スペシャル記事

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ファンクラブ”コヤチュー部”情報や宇宙兄弟イベントなどをお伝えします!

【伝統工芸×宇宙兄弟】箔士・裕人礫翔さんが「宇宙兄弟アート」に込めた思い。

【伝統工芸×宇宙兄弟】箔士・裕人礫翔さんが「宇宙兄弟アート」に込めた思い。

オーガニックタオルやファッションブランドのアイテム、はてはカフェまで……。

これまでさまざまなコラボレーションをかたちにしてきた『宇宙兄弟』ですが、このたびまったく新しいジャンルへ足を踏み出すことに。

日本の伝統工芸美術とのコラボレーションが実現!の運びとなったのです。

《月に立つ》と題された作品をつくってくださったのは、箔アーティストとして世界的に活躍されている裕人礫翔さん!
そんな裕人礫翔さんに、『宇宙兄弟』のコラボ作品に込めた思いや経緯についてインタビューしました!

裕人礫翔(ひろと・らくしょう)さん
1962年京都・西陣生まれ。西陣織に使われる箔の技法を父より受け継ぎ、空間やアート、ライフスタイル分野にも展開。
日本のみならず世界各国に箔の魅力を伝える活動で世界中から注目を浴びる。
また、国内外の博物館に収められた文化財の複製にも携わり、経済産業省が認定する伝統工芸士として、多数の作品を寄贈・ー般公開している。

特に、建仁寺に奉納された国宝「風神雷神図屏風」の高精細複製では、独自に発展させた箔技術を駆使し、当時の風合いを緻密に再現したことで有名。
国内にとどまらず、シアトル美術館、メトロポリタン美術館等の海外に所蔵される作品の複製プロジェクトにも協力している。


 《月に立つ》はシリーズとして展開される予定ですが、第一弾として完成した作品がまずは2021年12月、東京銀座で開かれた裕人礫翔さんの個展で初披露されました。
 これがいったいどんな作品かといえば……。

 タテ長の画面の上部は、青を基調とした色合いが燦々と輝いています。ホログラム仕上げになっているので、見る位置をほんのすこしでも変えるたびキラキラ、キラキラとして目に眩しい。いっぽう画面下部はグッと抑えた色合いで、こちらも鈍い輝きを発しているとはいえゴツゴツ、ザラザラとした質感も感じられます。

 そして、画面中央にはドンッと、ひとりの人物のうしろ姿が。宇宙服を着込んで、飛び跳ねている様子……。この絵柄、『宇宙兄弟』ファンならピンとくる人も多いはず。そう、ヒビトが初めて月面に降り立とうとしていたころ、まさにこんなシーンがありましたね。

 正確には、ヒビトの月面での勇姿を、アズマが想像したひとコマです。ということは、画面上部の青いホログラムは、宇宙空間を表しているのでしょう。そうかあのときのヒビトの眼には、宇宙がこんな鮮やかに青く煌めいて映ったのかもしれません。

「ふつうなら宇宙空間は真っ黒で表現するところでしょうか。でも、宇宙とは本来いろんな美しい色を含んでいて、光さえ当たればそれが見えるんじゃないか……と想像して、こうした色にしました」
 と、礫翔さんがねらいを教えてくれました。

 そうなるとつまり、画面の下部は月面ということになる。荒涼たる、そして同時に神々しくもある、月の大地の存在感がここにみごと表現されています。
 この部分には、銀箔が使われているとのこと。なるほどこの確固とした物質感はそれゆえなのですね。

「はい、銀は熱を加えていくと赤、青、緑……、次々と色を変容させていき、最後には黒色になります。今回は月面のどっしりとした感じを出すため、渋い色合いを出すよう調整しました」

 礫翔さんはあっさり口にするけれど、聞くところによれば、銀箔を絶妙な色に仕上げるなんて、そう簡単にできることではない。熟練の高度な技を要することのよう。
 今作は、箔アーティストとして20年来のキャリアを持つ裕人礫翔さんであればこそ、完成させられる逸品となっているのです。

「技術に関しては私のものというより、西陣の伝統があってこそ為せる業となりますね」
 と言う裕人礫翔さんは、京都・西陣の生まれ。艶やかな着物や帯「西陣織」の産地として知られる土地です。礫翔さんの実家・西山治作商店はそこで代々、箔工芸を営んできました。

 箔とは、金や銀、真鍮などの金属を打ってのばして、極薄の紙状にしたもの。その薄さがまた尋常じゃありません。厚さはおよそ0.1ミクロンになるといいますから、ちょっと想像できる域を超えています。
 実家で箔の業を磨いていた礫翔さんですが、箔の持つ強みや魅力をより広く訴えられたらと考え、箔アーティストと名乗り作品づくりの道へ邁進するようになりました。
 卓越した箔の技術に現代的な感覚を掛け合わせ、礫翔さんは他に類例のない作品を続々と発表するようになります。以来、幅広いファン層を持つアーティストとして活動を続けてきたのでした。

 そんな裕人礫翔さんがなぜ今回、宇宙兄弟とコラボレーションしてくれることとなったのでしょう。そこにはどんなきっかけが?
 まずは「月」つながりという点が挙げられます。礫翔さんはもともと、月というテーマを創作の核としていたのです。

「かつてひどく落ち込んでいた時期に、ふと見上げた月に救われたことがありました。そのときからずっと、箔によって月を表現することに夢中になってきました」

 さらには、『宇宙兄弟』それ自体との関わりも、以前からありました。

「作品の存在はずっと前から知っていました。というのもじつは、私のアトリエのスタッフが『宇宙兄弟』の大ファンでして。『おもしろいし、インスピレーションの素になるだろうから』と、強く勧められ、読んでみると自分と近しい感情がそこにはありました。私自身が3人兄弟の長男で、子どもも3人いるので、兄弟のあいだに生まれる微妙な心理や連帯感はよくわかるんです。しかも南波兄弟はそろって月を目指すわけですから、胸に響かないわけがない」

 そうしたさまざまな縁があったからでしょう。2021年のある日のこと。自作の新しい展開を思案していた礫翔さんの脳裏にふと、宇宙兄弟のことが浮かびました。作品づくりのモチーフにしたいとの構想が固まり、礫翔さんからの連絡が『宇宙兄弟』チームのもとへ舞い込みました。
 ならばコラボレーションのかたちにして、存分にムッタやヒビトの姿を用いた作品をつくっていただけたら! と話が進み、「箔アート×宇宙兄弟」という異色の融合が動き出したのでした。

「モノを箔で覆う。するとそのモノの性質が変容し、新たな顔が垣間見えたり、それまでと異なる味わいが生まれたりします。『宇宙兄弟』という完成された作品に箔を付けるのは緊張することではありましたが、箔を介して見えてくる新しい魅力があればと、思い切って挑戦してみました」

 結果はみごとな成功を収めたと言っていいでしょう。コラボレーション作品は、月を題材とした裕人礫翔作品の新機軸として、従来のファンの方々にも好評のうちに受け入れられたよう。

「馴染みのお客様がご覧になってすぐ、これは観ているだけで元気の湧いてくる作品だ、と仰ってくださった。うれしかったですね。そして何より私自身が、つくっていて心底ワクワクできました。これまでの月の作品は、地球上から月を眺める視点でつくっていました。ですが今回は、月面上に視点を移して地球を眺めるかたち。絵の中で主体と視点と対象が従来と正反対になったことで、月というテーマの探究をぐっと進めることができました。夢のある企画を実現させていただき、ありがとうございます」

『宇宙兄弟』側からしても、絵柄を裕人礫翔作品に取り込んでもらったことで、名シーンにいつまでも色褪せない銀箔の輝きが加わることとなりました。このコラボレーションによって、まさに『宇宙兄弟』に箔を付けていただけたようなもの。
 それにしても、ジャンルを軽々と飛び越えて新しいことを成す裕人礫翔さんの軽やかさたるや。今回の作品のモチーフとなったヒビトにどこか似ているところがあると思うのですが……。

「いえそれは違うんです。長男だった私はよく出来のいい弟に煽られ浮き足立って、それなのに『兄は一歩先を歩いていなければ』と虚勢を張ったりしていたものです。だから完全にムッタ・タイプなんですよ」

 今月(2022年3月11日〜13日)には、日本最大級の国際的なアート展「アートフェア東京」で、裕人礫翔さんの《月に立つ》シリーズがまとめて発表される予定。また現在(掲載日当時)、東京駅すぐの百貨店・大丸東京で、10点のコラボ作品が3月8日まで展示中です。
 作品を生で鑑賞すると、写真では感じることができない沢山の魅力にきっと気づくはずです…! 「宇宙兄弟アート」が見れるこの機会をお見逃しなく!

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『宇宙兄弟』 × 裕人礫翔さんのコラボアート作品は、
3月1日〜8日、場所:大丸東京店
3月11日〜13日、場所:「アートフェア東京」(東京国際フォーラム)
にてに展示されます。

大丸東京店、アートフェア東京では異なる作品が展示されます。

どちらも無料でご鑑賞頂けます。
お近くにいらしたら、ぜひお立ち寄りください!

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■裕人礫翔展「月を見る。月から見る。」
期間:2022年3月1日(火)~8日(火)10:00-20:00(最終日は18時閉場)
会場:大丸東京店1階 イベントスペース(Google Map

裕人礫翔さんの強い思いから、せりか基金への寄付作品も制作して頂きました。
「せりか基金」寄付作品含め、大丸東京店では『宇宙兄弟』コラボ作品が10点展示中です。

■Art Fair Tokyo 2022 裕人礫翔展「月を見る。月から見る。」
期間:2022年3月11日(金) 〜 13日(日)11:00 – 19:00(最終日の13日のみ16:00まで)
会場:東京国際フォーラム ホールE/ロビーギャラリーブースNo.C008
住所:東京都千代田区丸の内3-5-1(Google Map

アートフェア公式サイト:https://artfairtokyo.com/
(※『宇宙兄弟』コラボ作品は、無料エリアでお楽しみ頂けます。)

アートフェア東京では、上記作品や南波兄弟月面再会シーンの金屏風など、未公開の『宇宙兄弟』コラボ作品が展示予定です。