大人気Podcast「佐々木亮の宇宙ばなし 」×宇宙兄弟【後編】 | 『宇宙兄弟』公式サイト

大人気Podcast「佐々木亮の宇宙ばなし 」×宇宙兄弟【後編】

2023.06.21
text by:編集部コルク
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2022年12月、Spotify独占配信中の人気Podcast「佐々木亮の宇宙ばなし」と、『宇宙兄弟』がコラボ!佐々木さんと担当編集ユヒコの対談が実現しました。

公式サイトでは、2回に渡ってその対談内容をスペシャル記事として公開します!今回は後編をお届け。(前編はこちら

後編では、編集担当という立場のユヒコから見た、『宇宙兄弟』の好きなエピソード、また、理研で働いていた佐々木さんが感じた、ある登場人物とのリンクするかのようなエピソードについて、シャロン天文台のエピソードの裏側などについて、ふたりが熱く語ります。

最初から音声で聴きたい方はこちらからどうぞ!


ケンジが働いている「光化学研究所」のモデルは…!?

佐々木:リアルな描写っていうと実はもう1個あって、多分、ユヒコさんが担当する前だから「へーっ」て感じで終わっちゃうと思うんですけど、宇宙飛行士の試験をやってる時に、ケンジの過去の描写のところがある時の、「このまま俺、終わっていいのか」みたいなのを食堂でとんかつにソースかけながら悩んでるシーンあるじゃないですか。ケンジ、理研ですよね、多分。

ユヒコ:そうですね。職員ですよね。どことは書いてないですよね。

佐々木:あの食堂、めちゃめちゃリアルなんですよ(笑)。僕、理研で研究やってたんで、結構毎日のように使ってた食堂があるんですけど。

ユヒコ:光化学研究所って名前にはしてるけど、モチーフはありますね。

佐々木:当時は、高校生か大学生のとき読んでて何も思わなくて、研究がっつりやり始めて理研にいる時に、もう1回最初から『宇宙兄弟』読み直してた時があって、その時に「あれ?」みたいな。ケンジの所属が光化学研究所っていうのを入れる前に、ケンジの食堂がどう考えても理研の食堂なんだよっていうのがあって(笑)。だから、そこまでちゃんと調べてるのか、みたいな勝手に一人で納得してました。

ユヒコ:多分、いつもの感じでいうと「こういうところ描きたいので資料ください」となり、資料をもとに描くことを大事にしているので、おそらくそのまま描いたんですよね、そこ。JAXAの建物もめちゃくちゃちゃんと描いてますし。ちょっと派生しますけど、シャロン月面天文台のことを研究している施設はほとんど国立天文台の建物を元にしていて、それはなぜかというと、私も何回も行って、そこで建物の写真を撮っているし、平松さん(監修者)にも教えてもらったりしてるんで、結果、そこになってしまうって感じですね。

佐々木:なるほど、そういうことなんだ。じゃあやっぱもう素材があって、それをリアルに描写しているからこその、あの風景というか。

ユヒコ:国立天文台は建物に名前が付いてたんです。例えばすばる棟とか。そういうのを見て「じゃあシャロンの月面天文台のことをやる建物も、ムッタたちの時代だとありますよね」みたいな会話があって、「じゃあシャロン棟も建ちますね」で、漫画の中ではシャロン棟が描かれています。

佐々木:そういうことか。今の話で思ったんですけど、だんだん現実世界があのストーリーに追いつきつつあるじゃないですか、時間軸が。めっちゃ追いついてるな、と。僕、ムッタと同い年なんですよ。

ユヒコ:1993年生まれですか。

佐々木:そうです、1993年のとこで生まれたんで、なんか未来予知してたかのように、今、宇宙飛行士の選抜試験とかやってるじゃないですか。タイミングがめっちゃ合ってるから、頑張って逃げていかないと未来の描写、描けなくなるよなっていう。

ユヒコ:近未来漫画と言いながらも、追い付かれてしまったら近未来漫画じゃなくなりますよね。未来のことを近未来として描けているのは、取材に協力いただく専門家の方々がおっしゃってる、その頃起こることの予想が当たってるってことなんですよね。

佐々木:まさにですね。今、月面の描写描いてるのも、多分月面の話がちゃんとストーリーとして出てきてみたいな。ストーリーじゃないか。『宇宙兄弟』始まるぐらいのタイミングとかぐらいで多分、将来計画的に月面の話って結構出てた時代かなと思ってて、それを描いてれば、確かに時代は追いついてくるって感じですよね。

ユヒコ:そうですね。ちょっと月に関しては変更したことが多くて、「もっと今の情報が分かってたら……」ってことはもちろん起きてますけど、今できる限界は挑戦してますね。

担当編集の「お気に入りのシーン」

佐々木:ちなみに僕、太陽フレアのあそこのシーン、めっちゃ気になるとかあったんですけど、ユヒコさん的に、作ってる側とかファン側とかどっちでもいいんですけど、なんかあるんですか? ここ好きだわ、みたいな。

ユヒコ:思い入れが特にあるのは2つあって、シャロン月面天文台の建設と、月でベティが怪我をしてしまって、それをISSで遠隔操作で手術をするというところは、取材も楽しかったですし、苦労もしました。

佐々木:作り手側の思い出的な感じなんですね。

ユヒコ:そうですね。確かにそこは作り手側ですね。

佐々木:しかも結構ボリュームありますよね。あそこの手術関連の流れ。

ユヒコ:手術、なんだかんだでなんか1冊分ぐらいいただきましたね。

佐々木:そのタイミング、僕、ちょうどNASAにいて。なんで、僕の手元に唯一単行本がないのが、そこのシーンなんですけど。『宇宙兄弟』、全部単行本で買ってるけど、アメリカにいるから買えないわと思って、Kindleで買って。アメリカで悪戦苦闘している時に読んでたのが、ちょうどそこの巻ですね。

ユヒコ:じゃあまさにNASAで。一方その頃、地上でも(制作陣は)苦しんでるっていう。「え? 手術するのか」ってなってましたからね。

佐々木:じゃあ、さっきは国立天文台に取材に行くとかってなってたけど、医療系にも取材に行かなきゃいけないみたいな状態になってたんですか。

ユヒコ:なりましたね。ベティが怪我してしまったものなので、本当にやっぱ月で怪我するって大変で。設備も整ってなかったので、どうしたらいいんだろうってみんなでちゃんと小山さんも含め悩みまして。……どういう順番だったかな?あ、最初に月でタンクが爆発してしまってベティが外傷を負った時に、ISSで手術することは全く考えていなかったんですね。

佐々木:あ、そうなんですか?

ユヒコ:はい、全く考えてなかったです。ベティの状況を見て、医師の方と、せりかのところもなんですけど、林先生っていう……。『宇宙兄弟』って先に情報で、巻末のところにスペシャルサンクスっていう場所があって、そこに取材にご協力いただいた方々の名前を掲載しているんですね。

この中に林先生っていう方が載ってるんですけど、林先生にベティの症状のご相談をして。そういう時の相談方法も、「月でこういうタンクが爆発して、ベティが吹っ飛ばされて、怪我をします。その際に、死ぬわけではなく意識はある状態で、ただ外傷なんですけど、こういう感じだとどういうふうな怪我になりますかね」みたいな相談をする。大体そこで、お医者さんから「こういうふうな怪我が起こり得るでしょう」というのを聞き、「それに対して医者の立場であるカルロはどういう措置を取りますか」と話をすると、「このぐらいの症状だと、気胸だけじゃなくて血胸も起こる可能性があるので、月での対応は難しいかもしれません」とかなってくるんですよ。

JAXAの方にもその話を「お医者さんにはこう聞いて」で相談していくと、「ISSなら手術可能かもしれない」みたいに、全員でベティを救おうと考えると、そうなっていくんですね。「着陸にはちょっと耐えられないかもしれないから、まず月、宇宙空間でベティの治療をしてから着陸させたほうが安全です」っていうのが見えてくるので、ここで「ISSで手術ってどうやってやるんだ」みたいな疑問が浮かび上がるので、小山さんもベティのためにISSで手術することを決断されて、その際に「ISSで手術するには、今、ダヴィンチっていう遠隔操作のロボットがあります」と。それを林先生に「ダヴィンチの取材をしたいんですけど」って相談をしたら、2カ所、「今、日本で僕の紹介でお話を伺えるかもしれません」って話になりまして。そこから千葉県の鎌ヶ谷(総合)病院という病院に直接取材をさせていただくことになりました。

佐々木:あ、そうなんだ。まだ医療ロボット自体はないですもんね、ISSには。

ユヒコ:ないんですよ。その実例がないので。架空で未来のことを本気で考えるって感じですね。

佐々木:置くなら、確かにそうなりますよね。

ユヒコ:なんで、34巻の巻末には鎌ヶ谷総合病院のお名前が記載されてますね。お手伝いいただいたので。実際に手術見せてもらって、それであそこまで描けましたね。ご協力があってこそっていうシーンの一つですね。

単行本34巻巻末

佐々木:ほんとだ、書いてある。確かに、まさに取材がそのまま実ってるって感じですね。

ユヒコ:はい。

佐々木:めっちゃ大変なんですね、漫画作るのって。

ユヒコ:人ひとり助けるのって本当に大変ですよね。だからなのかもしれないですね。

佐々木:そっか。編集の人が一番いろいろ詳しくなれそうな気もしますね、扱った題材とかで見ると。

ユヒコ:そうですね、本来は。私は結構、調べたら漫画に描いたらもう忘れちゃうんですけど。根本的にそういう分野に興味があるわけじゃないので、一過性で知識全部忘れてしまいました(笑)。

佐々木:えっ、ユヒコさんって、あんまアレなんですか? 理系の大学出てとか、そういう感じじゃないんですか?

ユヒコ:完全に文系で。

佐々木:めっちゃムズくないですが? それで宇宙を題材にって。

ユヒコ:わけ分からないんですよ、いつも。特に専門家の方々のおっしゃってることが。佐々木さんはポッドキャストの『宇宙ばなし』で、難しいことを分かりやすく話されてるじゃないですか。

佐々木:極力。

ユヒコ:でも、それだけでも正直難しいですね、聞いててね。

佐々木:頑張ってはいる……。

ユヒコ:専門家の方々、皆さん難しいので。小山宙哉さんも文系なんですよ。なんで、どうやったら読者に伝わるかのところの噛み砕きは、それで2人で頑張ってやりますね。そうしないと私も理解できないし、小山さんもどちらかというと読者側の方々に近いので、小山さんがすごくそれを分かりやすくして描くので、天才だなと思います。

佐々木:確かに。

ユヒコ:理系だったら、あんなふうに描けてないかもしれないですね。

佐々木:本当ですね。いや、絶対そうだわ。だって太陽フレアのあの描写に、僕、何の気にもならずに読んでたっていうか、あそこ僕は噛み砕けないですもんね、きっと。

ユヒコ:そうなんですね。そうなっちゃうのかな?

佐々木:そっか。すげぇ。

ユヒコ:文系でよかったのかもしれないですね、偶然。

佐々木:そっちのほうが、いい作品になりそうな気がしますね。

シャロン月面天文台シーンの裏側

佐々木:もう1個、気になってるエピソードって、シャロン……あれですか? 気になってるとか好きなエピソードって、月面天文台造るところですか? さっきおっしゃってた……。

ユヒコ:そうですね。ってか衝撃だったんですね。入って、担当になって、打ち上がるじゃないですか、ムッタが。「あ、ムッタ本当に月に行くんだ。じゃあ月で何するんだろう」って思ったら、天文台をつくるってことは描いてあるんですけど、「どうやってつくるか、まったく決まってないんです」って言われたんですよ。

佐々木:(笑)。また、無茶な注文が(笑)。

ユヒコ:その時に私は結構『宇宙兄弟』の読者として、「シャロン月面天文台に行きたいっていう情熱で動いてた人、ムッタだよね」みたいな。そこが決まってないとは、まさか思わなかったので衝撃を受けました。こんな大事な、漫画の根幹となるような建設を考えていかないといけないってことが、めちゃくちゃプレッシャーが自分の中であって。失敗できないという。

佐々木:確かに、軸ブレちゃうよな。

ユヒコ:それでもうそこからは、いつもお話で監修してくださってるJAXAの方の専門分野ではないので、国立天文台に問い合わせをしまして。平松さんがアルマ天文台をやっていたのを別の企画でお見かけしたので、それで平松さんに連絡取ってみたっていう形でした。そういう意味で、印象に残っているというのは、苦労したので印象に残っているのかもしれないです。でもその苦労が、自分の人生では味わえないような感動で作品の中で返ってきたので、建設をずっと始めてから10巻ぐらいかけて建設が完了したじゃないですか。その分の年数、ずっと天文台の建設を漫画の中でやっているので、その期間ずっとそのことを考えていた分、作中だともっと多くの方とか、あの長い期間があって、やっと完成したことなんですけど、私にとっても同じような気持ちがあったので、めちゃくちゃ感動しましたね、点灯式は。

佐々木:僕、あれ読んでる時、多分月面にアンテナ建てるみたいな方針出た時に、「あ、そういうので行くんだ」っていうのはね、普通に思ってたのと、あと僕、あれが実際に計画されているような内容のひとつだって、『宇宙兄弟』読んで初めて知って。あのエピソードを知ってから、将来計画みたいな話をなんかどっかで研究会かなんかで聞いたときに、月面に本当にそうやってアンテナ立てるやつって、電波天文学っていう分野なんですけど、それを月面で展開させようとしている計画があるみたいなのを聞いて、やっぱ『宇宙兄弟』すげえと思って。

ユヒコ:その時って、漫画読んで調べたりもするんですか? なんか『宇宙兄弟』で描かれてたら。今やってるのかな、とか。

佐々木:いや、当時は調べてなかったですね。調べてなくて、「あ、こういうアイディア、確かにあるよな」ぐらい。で思ってましたね。たまたまほかの研究会で裏付けが取れたみたいな。

ユヒコ:元々あったものをやってくれてたのか、私のほうでは全然分かってなかったですね。

佐々木:多分あったんだと思います。

ユヒコ:それを元に、平松さんが考えてくれたのかもしれないですね。

佐々木:そうですね。

ユヒコ:今、学びになりました。

佐々木:実際、宇宙空間に出て行かないとできない天文学って結構あって、それこそ月面に造るからこそ意味があるっていう側面もあったりとか。あとは。それこそ僕、国際宇宙ステーションずっと関わっててみたいなバックグラウンドがあるんですけど、あれも宇宙空間に出ないと見れない光を見るために、人工衛星だったり、宇宙ステーションになんか装置が搭載されてて、とかみたいな感じで、宇宙空間に出る必然性があるからこその計画が、そのまま作品に落としこまれてるみたいなのは普通にすごいなっていう。

ユヒコ:天文台に関しては目標になってたので、実際に宇宙に、月の重力、空気がない状態でやってた時に、何のメリットがあるのかも、最初は分かっていなかったです。正気じゃないですよね、今の佐々木さんにそれを伝えると。

佐々木:いや、分かんないですよ、絶対。

ユヒコ:それは私もで。あんなに必死にムッタ建てるって言ってたけど、小惑星シャロンを見たいからって言う理由が書かれてたんですね。でも建てようとしてたのが、それこそ電波形式の望遠鏡だったじゃないですか。だから、文系の人たちが見たいと思ってるのって目で視認することだから、電波の説明しないといけないとか、そこらへんも後で出てきたんですね。しかも、小惑星シャロンを見る程度であれば、質の良い光学望遠鏡を月に立てることで見ることができる、というふうになって。じゃあ、なんで電波望遠鏡みたいな感じになって、そこもちょっと大変だったところでしたね。

佐々木:いや、そうっすね。確かに確かに。

ユヒコ:でもそのおかげで、光学望遠鏡も建てられましたし。

佐々木:そう、黄金のやつ建てたの。

ユヒコ:黄金のやつ、建てました。そこもやっぱり、そういう時に都合よく電波望遠鏡で小惑星シャロンを見ようとかはならないんですよ。それって事実に反してるじゃないですか。だから、漫画的に都合がいいからそうしようって、本当にならなくて。じゃあ、小惑星シャロンをシャロンに見せてあげるために。光学望遠鏡を建てるって話になるのが、私が『宇宙兄弟』の好きなところです。

佐々木:月面に電波望遠鏡を建てるのは、全然違う科学の目的になっちゃうから。

ユヒコ:はい。

佐々木:そうなんだ。めっちゃいい。

ユヒコ:逆に、全然違う科学の目的を勉強したので(建てる時の)。それをやっぱり「こういう意義がある」っていうのを教えていただいたところは、小山さんがすごくいい形で描いてくださって、特に平松さんは何度もおっしゃってて。私も印象に残ったのが「自分が生きてる間には、その成功を見れるようなプロジェクトじゃない」っていうところを、天文学の世界は今やっていることが、実際に見れずに生涯を終えてしまって、でも数世代先の人がそれを叶えてくれるっていう話をしてくださって、やっぱそういう話を本当の研究者の方にこうやって聞けると、そこが漫画の中で芯になるというかストーリーになるので、面白いですよね。

佐々木:そうですね、確かに。シャロンみたいな感じで、自分の人生を賭けて1個のミッションを実現させるかしないか、みたいなところで動いている人がたくさんいて、周りにもいたので。そこが多分、確かにリアルに描写されているんだなって、今、話聞いててめっちゃ思いましたね。

ユヒコ:そこが小山さんのすごいところだなと思います。佐々木さんとかも、小山さんとか、例えばこう取材していくと、佐々木さんもやはりちょっと変なところ、変っていうとアレなんですけど、なんか佐々木さんだからこその視点とかこだわりとか、毎日なぜ……毎日更新って言っちゃっていいんですかね? そういうレベルでやってますよね。そういうことを知ってるのかの背景の奥底にある理由とかに、長くお付き合いしてたりとか、2〜3時間、話を聞くとたどり着くじゃないですか。そこまで聞けたら、すごくいい取材になったなと思って、漫画に何か生きる題材になるかもしれないとかは思いますね。

佐々木:うわー、編集者すごい。超かっこいい。

ユヒコ:めちゃくちゃ聞くモードになったら、立場逆転して、私、質問ばっかはじまると思います。

佐々木:その取材のところ、見たいな。

ユヒコ:面白いかもしれないですね、公開取材みたいなのも。

佐々木:そうですよね。多分、今、結構そういう制作……僕が結構、制作の裏側とかの話を見たり聞いたりするのが好きなタイプなんですよ。映画とかもメイキングを結構ちゃんとタイプというか。でも、メイキングですらもう半分出来上がった状態で動いている人たちの状況だから、そこを深めていこうとすると、多分取材レベルのところが気になってくるなって最近は思ってて。だから、もの作ってる人とか、作っていってるみたいなところの過程を、少しでも今回、話している中で聞ければと思っていろいろ聞かせてもらったんですけど。

完結間近が発表された『宇宙兄弟』のこの先

佐々木:そろそろお時間というところで。最後、15周年を迎えた『宇宙兄弟』で、これからどんなことがあるよとか、ちょっと『宇宙兄弟』の話を最後していただいて終わろうかなと思うんですけど。

ユヒコ:『宇宙兄弟』が2022年12月6日で15周年を迎えたので、その際にですよ、小山宙哉さんが「15年間ありがとうございます。完結間近、描き切れるように頑張ります」っていう発表しました。

佐々木:見ました見ました。

ユヒコ:見ました? びっくりして。

佐々木:びっくりして?

ユヒコ:びっくりして。完結間近って言うんや、みたいな。

佐々木:そういうことか(笑)。いや思いました、それめっちゃ。

ユヒコ:初めてじゃないですか、そんなこと言うの。

佐々木:そう。どっかでなんか見逃したかなと思ったぐらい、さらっと言ってたから、「あ、終わるんだ」と思って思って。

ユヒコ:さらっと言いすぎて、うまくこうなんだろう……トップニュースになってもいいようなぐらいの衝撃でしたけどね。もう読者にも伝えてもいいぐらい、自分の中で終わりの映像というか、もうすぐ完結だっていうふうに描いてるってことじゃないですか。

佐々木:そうですね、確かに。

ユヒコ:もうすぐ完結するので、完結してから読もうとか、ちょっと読んだけど止まってたって方がいたら、ぜひこのタイミングでまた『宇宙兄弟』にハマってもらえたら嬉しいなと思ってます。

佐々木:うわぁ、楽しみ、それ。やあ、そう言っちゃったんだ、アレ。

ユヒコ:言っちゃいましたね。びっくりしました。

佐々木:連載のほうが、やっぱり。

ユヒコ:連載でおって読むってすごい面白い体験だと思ってて、それこそ佐々木さんがそういう読み方で『宇宙兄弟』一番楽しんでもらっているのかもしれないですけど、学生の時に読んで、そこから自分の社会的な環境がコロコロ前に進んでいく中で、NASAでも読んじゃったりとか。で、読み方も変わっていくじゃないですか。年齢もだし、自分の知識も増えて、そういうふうに一緒に並走して読むのが一番連載漫画って面白いと思っているので、多分、間近っていうこのタイミングでも『宇宙兄弟』だったら、またこの一年とかで感じることとか変わっていくので、ぜひその感じを体験してもらいたいなと思います。連載で読むの面白いっていうのは、佐々木さんが一番言えるかもしれないですね。人生が大きく変わっているので。

佐々木:そうですね。変わっていく中での読み方の違いと、あのそのケンジの職場がわかるみたいな小ネタがありつつ、読み返したときの面白さっていうのは全然違うんで、確かに今の時点で一回、みんなに追いついてほしいですね。

ユヒコ:ありがとうございます。

佐々木:はい、皆さんにこう。追いついてもらって、僕が最新刊発売された時にどんな熱量で喋るかを楽しんでほしいですね(笑)。

ユヒコ:はい、楽しみですね。

佐々木:一人でワクワクしてます。ありがとうございます。

ユヒコ:ちょっと宣伝になっちゃいましたけど、はい。

佐々木:ありがとうございます。もう僕が宇宙の研究開発を進めるきっかけをくれた『宇宙兄弟』と、こんな形でコラボができると本当に思ってなかったんで、すごい夢みたいな時間を過ごさせてもらいました。

ユヒコ:ありがとうございました。

佐々木:ありがとうございます。

ユヒコ:一番厳しい目をしてるはずの知識のある読者である佐々木さんが、『宇宙兄弟』を面白いって言ってくれてるのがすごい安心しました。ありがとうございます。

佐々木:本当ですか? いや本当に楽しませてもらってるんで、最後まで頑張ってください。頑張ってくださいっていうか、応援してます。

ユヒコ:裏話が楽しく話せる稀有な場だと思うので、『宇宙兄弟』の技術面の、もしよかったら、これからもこういうところ気になったとか、もっと深掘りしたい場所あったら、呼んでもらえると嬉しいです。

佐々木:ぜひお願いします。

ユヒコ:マニアックな話をしたいので。監修者さん、監修してくださった方が『宇宙兄弟』の細かいところ、思いっきりしゃべるかもしれないですね。

佐々木:確かに確かに。うわぁ、それやりたい。お願いします。やらせてください。

ユヒコ:はい、ぜひぜひお願いします。

佐々木:はい、ありがとうございます。ということで、今回は『宇宙兄弟』の編集を担当されているユヒコさんに来ていただきました。ありがとうございました。

ユヒコ:ありがとうございました。


いかがでしたでしょうか?

『宇宙兄弟』製作の貴重な裏話満載の対談となりました。対談を、よりリアルに生々しくお楽しみ頂けるPodcastもぜひお楽しみ下さい!