11月25日、神戸・岡本にあるJAZZとライブが楽しめる店Born Freeにて、『JAZZ on a SPACESHIP』と題した小野雅裕さんのトーク×JAZZユニット『マトリカリア』のライブが行われました。小野さんの読者グループ「宇宙船PEQUOD」のメンバーでもある大塚恵さん(ウッドベース)の提案がキッカケで、この宇宙×JAZZのコラボ企画が実現した形です。
<当日のダイジェスト映像はこちら!>
NASAジェット推進研究所という宇宙開発の第一線で仕事をするエンジニアが語る宇宙の話と、JAZZの調べがどんな風に融合されていくのだろう、これまで小野さんの講演や著書・WEB連載中のコラムなどで目にしてきた小野さんとはひと味違う一面が、垣間見られるのではないかと期待に胸が躍りました。
宇宙への船出を飾った最初の楽曲は『How high the moon』あの月はなんて高いのかしら…と音楽と愛、そして私たちの住む地球から一番近くにある月が歌詞に散りばめられていて、ボーカルのパワフルな歌声とJAZZの調べを聴きながら小野さんのトークに誘われ、イマジネーションの世界へと漕ぎ出していく感じがしました。「じゃあ実際、月までってどのぐらい高いのでしょうか…もし地球が、ビー玉の大きさだったら…」と、だんだん天文学的スケールのお話になっていっているはずなのに、ゆったりとした語り口調のせいか、小野さんとの距離はとても近い感じを保ったまま、『私たち人間とは何者なのか』『人類は旅を通して宇宙の前に謙虚になる…』と、小野さんの語る言葉に惹きつけられました。
また、映像も小野さん自身が旅した時の写真や、アポロ8号が撮った月から見える地球の出の写真、ボイジャーに搭載されたゴールデンレコードに納められた美しい地球の自然や生命、そして人類のことを知る手がかりとなる文明の証が映し出されると、より一層胸に響くものがありました。同じくゴールデンレコードにも納められているルイ・アームストロングの『What a wonderful world』を聴けるともなれば、あっという間に心は宇宙を旅するボイジャーの姿や、広大な宇宙に想いを馳せることができ感動の嵐でした。宇宙に想いを馳せる時、小野さんの言うようにやはりイマジネーションの力というのは、とても大きく作用すると実感しました。
また、一番印象深かったのが、小野さんがカール・セーガンの『Pale Blue Dot』の一節を、遥か遠くにある小さな点にしか見えないような地球の映像が映し出される中、ステージ中央の椅子に座って、しっとりと英語で朗読されたことでした。私は、カール・セーガンの著書をしっかり読みこんでいる人ではなく、息子の興味がたまたま宇宙に向いたことで、子供と一緒に少しずつ宇宙について勉強している最中です。そんな私でも、あの一節はとても心に響くものがありました。この一節をこの時、この場所で共有できたことに感謝することができたライブだったように思います。
広大な宇宙から見ると点のような星。その地球に我々が生き、美しい地球を守りながらさらに遠くの宇宙を目指して旅にでるような、そんな時代が訪れようとしています。次の世代を担う子供たちへ、小野さんからのメッセージがちゃんと届いていることを伝えたい。一緒に参加した宇宙に興味のある息子にとっても『When you wish upon a star』は、偶然にも子守唄だったこともありリラックスした中で楽曲も楽しめたようで、今回の小野さんの宇宙×JAZZのコラボ企画は、大人も子供も楽しめたという点でも大成功だったと思います。
宇宙に想いを馳せた船旅は、最後に『見上げてごらん夜の星を』で締めくくられました。私たちは、夜空を見上げ星や月を見て、愛や文化を育み科学の進歩と共に、より身近に宇宙を感じることができるようになりました。ほんのわずかな星の瞬きにも、長い時の流れを感じることができるようになったからこそ、この美しい地球に生まれたことに感謝し、その先へ進む力としてイマジネーションを大事にしなければならないと感じたひとときでした。このような機会がまたあれば、ぜひ小野さんが誘う宇宙への旅に出かけたいと思います。
NASA技術者の小野雅裕さんによる、宇宙探査をテーマにした人気連載『一千億分の八』。この連載が加筆されて来年2月に書籍化されます。
タイトルは、「宇宙に命はあるのか 人類が旅した一千億分の八」
銀河系には約1000億個もの惑星が存在すると言われています。
そのうち人類が歩いた惑星は地球のただひとつ。
無人探査機が近くを通り過ぎただけのものを含めても、8個しかありません。
人類の宇宙への旅は、まだ始まったばかりなのです――。本書は、『宇宙兄弟』の公式HPで連載をもち、監修協力を務め、NASAジェット推進研究所で技術開発に従事する著者が、やさしくかみくだきながら「人類の謎」に挑む、壮大な宇宙の旅の物語です。
人類が解き明かしてきた謎とは? 「地球外生命や地球外文明は存在するのか? これからの宇宙探査はどうなる……? テクノロジーとイマジネーションを駆使して、独自の視点で語るエキサイティングな書き下ろし!
現在、amazonで予約が開始されています!
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〈著者プロフィール〉
小野 雅裕
大阪生まれ、東京育ち。2005年東京大学工学部航空宇宙工学科卒業。2012年マサチューセッツ工科大学(MIT)航空宇宙工学科博士課程および同技術政策プログラム修士課程終了。慶應義塾大学理工学部助教を経て、現在NASAジェット推進所に研究者として勤務。
2014年に、MIT留学からNASA JPL転職までの経験を綴った著書『宇宙を目指して海を渡る MITで得た学び、NASA転職を決めた理由』を刊行。
さらに詳しくは、小野雅裕さん公式HPまたは公式Twitterから。
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■過去の『一千億分の八』をイッキ読みしたい方はこちらから
【第1回】〈一千億分の八〉はじめに
【第2回】〈一千億分の八〉ガンジス川から太陽系の果てへ
【第3回】〈一千億分の八〉地球をサッカーボールの大きさに縮めると、太陽系の果てはどこにある?
【第4回】〈一千億分の八〉すべてはSFから始まった〜「ロケットの父」が愛読したSF小説とは?
【第5回】〈一千億分の八〉なぜロケットは飛ぶのか?〜宇宙工学最初のブレイクスルーとは
【第6回】〈一千億分の八〉なぜロケットは巨大なのか?ロケット方程式に隠された美しい秘密
【第7回】〈一千億分の八〉フォン・ブラウン〜悪魔の力を借りて夢を叶えた技術者
【第8回】〈一千億分の八〉ロケットはなぜまっすぐ飛ぶのか?V-2のブレイクスルー、誘導制御システムの仕組み
【第9回】〈一千億分の八〉スプートニクは歌う 〜フォン・ブラウンが戦ったもうひとつの「冷戦」
【第10回】〈一千億分の八〉宇宙行き切符はどこまで安くなるか?〜2101年宇宙の旅
【第11回】〈一千億分の八〉月軌道ランデブー:無名技術者が編み出した「月への行き方」
【第12回】〈一千億分の八〉アポロを月に導いた数式
【第13回】〈一千億分の八〉アポロ11号の危機を救った女性プログラマー、マーガレット・ハミルトン
【第14回】〈一千億分の八〉月探査全史〜神話から月面都市まで
【第15回】〈一千億分の八〉人類の火星観を覆したのは一枚の「ぬり絵」だった
【第16回】〈一千億分の八〉火星の生命を探せ!人類の存在理由を求める旅
【第17回】〈一千億分の八〉火星ローバーと僕〜赤い大地の夢の轍
【第18回】〈一千億分の八〉火星植民に潜む生物汚染のリスク
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