
2023年9月、Spotify独占配信中の人気Podcast「佐々木亮の宇宙ばなし」と、『宇宙兄弟』のコラボ第2段!再び佐々木さんと担当編集ユヒコの対談が実現しました。
公式サイトでは、「宇宙飛行士の仕事」をテーマに、3回に渡って行われた対談の内容をスペシャル記事として公開します!今回はコラボ③をお届けします。
最終話となるコラボ③では、現実世界とリンクする『宇宙兄弟』について、担当編集者がフィナーレに向けての『宇宙兄弟』の読み方などを熱く語ります。
↑宇宙兄弟コラボ全3回を最初から音声で聞きたい方はこちらからどうぞ!
宇宙の専門家で熱心な『宇宙兄弟』ファンの佐々木さんと担当編集ユヒコの熱量をより感じられます!(笑)
小山宙哉流のイベントの起こし方
佐々木:前回のコラボの時も話したんですけど、先に何かイベント起こしますよね、小山さん。
ユヒコ:そうですね、爆発とか(笑)
佐々木:そう爆発とか(笑)それこそトンネルも見つけちゃったみたいな。もう見つけちゃおうみたいな感じで、それをどうするかの辻褄をちゃんと合わせてガチガチの地盤ができた状態で。
ユヒコ:そうですね。しかもトンネルを見つけようとしてなくて、パラソルアンテナがなくなっちゃったから、どこにあるんだってなったら、トンネルにありそうですねってなったっていう(笑)
佐々木:あそこをじゃあ衛星からズボッて上から落としていって何か問題を起こしたかったみたいな。
ユヒコ:なんか1個うまくいかない、その理由何が考えられますかって専門家の方に聞いたら、1つは縦穴に入ってしまったことが考えられます。てのが選択肢にあったんで、縦穴?みたいな(笑)
佐々木:なんだそれつって(笑)
ユヒコ:からのトンネルですねってなったら、溶岩チューブみたいなトンネルのってなったらおもしろいですねってなるんですよ。小山さんが採用ですねって。
佐々木: そういうことか。

ユヒコ:先に起こすんですけど、起こそうとして起こしているわけでもなくて、流れで起きちゃってます。
佐々木:何があるかわかんないですもんね。何があるかわかんないで、しかも逆に言うと、その縦穴とかっていうのが全くない状態で思いつくから、そこに現実が上手く当てはまると、めっちゃ気持ちくパズルハマるみたいな。
ユヒコ:そうですね、今回はそれ起きましたね。
佐々木:そうなんだ。それめっちゃおもしろい。
ユヒコ:なんか不思議、本当のことと同じ物事の起こり方をしてるんですよね。人間も生きてて、明日台風起こそうなんて思ってないじゃないですか(笑)
佐々木:たしかに、たしかに(笑)
ユヒコ:沖縄行ったら台風起きちゃったみたいな。それがトラブルじゃないですか、その仕組みですね。
佐々木:そのトラブルの起き方がめっちゃリアルなんですね。
ユヒコ:本当にリアル、無理してトラブル起こすこと無いんで。本当に起きちゃった、爆発しちゃった(笑)
佐々木:そういうことか(笑)で、わっ!いて良かったカルロ、みたいな。
ユヒコ:なんかトラブル起きたぞ、どうやったら解決できるんだ、みんな考えるぞってなった時の答えなんで。無理がない、その人に解決させようなんて最初から思ってないんで。
佐々木:だからリアルに描かれることになるんだ。
ユヒコ:はい。ISSでも穴あいて空気漏れちゃった場所描いたんですけど、それも空気漏れたらどう対処するかを考えてたら、エディがうまいことやってくれたってパターンなんで。
佐々木:あれもリアルにあった事象を引っ張ってきますよね。
ユヒコ:そうです、本当にあった話を。 やりたかったことは、ISSで穴が開いちゃったりした時にトラブルがあるっていうのはよくあることらしいんですけど。


佐々木:ちょくちょく起きますよね、確か。圧力めっちゃ減ったみたいな。僕、宇宙ステーションの外についてる観測機をずっとやってたから、中の異常事態とかも回ってきたりするんですよ。ああいうのたまにニュースで出るけど、確か『宇宙兄弟』であそこピックアップされた本当直前ぐらいに、内々で回ってきたやつがあって。個人的に普通に「え!?何で知ってんの?」みたいな(笑)になった記憶がすごい強くて。
ユヒコ:そうですね、それで言うと過去の事例とかも、ハプニングの参考にはしてます。ロシアで停電が起きて、大変な目にあった。
佐々木:ロシアのモジュールで?
ユヒコ:現実のロシアのモスクワの近郊で停電が起きたんですよ。道路工事で停電が起きたっていう事例があって、『宇宙兄弟』でもそのシーン描いたんですけど。
佐々木:ありましたっけ?
ユヒコ:結構最近の巻で、めっちゃ大事な場所で停電起きちゃったんですよ。
佐々木:はい。
ユヒコ:で、繋がらなくなって大問題みたいなのが起きたんですけど、漫画っぽいって思うと思うんですね、読んでる人は。停電とか起きるとフィクションじゃんみたいな。でも本当にロシアにあったこととから引用してるから、フィクションじゃないんですよね。みたいなのが結構あります。 読んでる人は、本当にあったことと思わないかもしれないなぁみたいな。



佐々木:たしかに。じゃあ今後、でもだからもう逆に言うと今って、『宇宙兄弟』の描かれている部分って、ちょっと未来っぽい部分が増えてきたじゃないですか。
ユヒコ:はい。
佐々木:僕たちが行けてる宇宙の距離よりも行けるところが増えてるとか、まだ人があんなに行ってないし。てなってるから、これが未来予知的に当たったらめっちゃおもしろいですよね。東京オリンピック駄目になったら、『AKIRA』で描かれてたみたいな。(笑)
ユヒコ:当たりましたみたいになってましたね、ネットで(笑)。
佐々木:将来計画とJAXAのめっちゃ硬いところちゃんと抑えてるから、多分ありえるじゃないですか。『宇宙兄弟』っぽいこと起こってるじゃんみたいな。
ユヒコ:事故はできれば漫画だけにしたいんですけど。
佐々木:本当にそうですね。
ユヒコ:1番起こると嬉しいのはせりかの実験成功とかは現実で起こると嬉しいですよね。
佐々木:たしかに。
ユヒコ:日本人が月面に立つとか。
佐々木:行って欲しいですよね。
ユヒコ:ハッピーなニュースは本当にそのまま起こって欲しいですね。
『宇宙兄弟』と現実世界のリンク話
佐々木:現実の宇宙の流れ盛り上がってくると、やっぱ『宇宙兄弟』が反響強くなってきたりするんですか?
ユヒコ:まだそこまで実感ないですね。
佐々木:本当ですか。そっか、まだ日本が月行ったとか。
ユヒコ:私が来たら嬉しいなあって思ってるお仕事は、宇宙旅行の航空会社から広告のお仕事で『宇宙兄弟』使いたいですとかはおもしろいですよね。
佐々木:最高ですね。
ユヒコ:おもしろいですよね、本当の宇宙に宇宙旅行の絵使うんだみたいな(笑)『宇宙兄弟』の絵を使ってなんかやるのおもしろいなと思います。
佐々木:でも、宇宙の描写をするってなったら、『宇宙兄弟』絶対に最初に候補にあがるだろうし。
ユヒコ:来たらいいけど。
佐々木:おもしろいですね。それこそワープスペースって宇宙スタートアップとせりかさん。せりかさんだって役員じゃないですか(笑)
※参考
株式会社ワープスペースのCDO(Chief Dream Officer)に就任している宇宙飛行士の伊東せりか
https://warpspacebrothers.warpspace.jp/
ユヒコ:そうですね(笑)そういうの起き始めてますね。
佐々木:ワープスペースは僕めっちゃ細かく出てもらってるんで、宇宙ばなし。CSOやってる森さんも出てもらってるし、ワープスペースの社内の人めっちゃ聞いてくれるらしいんですよ、宇宙ばなしを。
ユヒコ:じゃあこれもしかしたら。
佐々木:そうですそうですそうです。
ユヒコ:いつもせりかさんお世話になってます(笑)。
佐々木:せりかさんね、偉い人だから。
ユヒコ:ワープスペースさんから来る記事の確認依頼のとかくるんですけど、本当せりかの絵をめちゃくちゃうまいこと使ってくれてて(笑)。
佐々木:それめっちゃ思います(笑)。本当にいる人をただオマージュしただけかのように出てきますよね。ああいう現実とのリンクみたいなのを、ちらほら出てきたらおもしろいですよね。
ユヒコ:盛り上がりますよね。
担当編集者が語る『宇宙兄弟』フィナーレに向けた漫画の読み方
佐々木:宇宙飛行士の仕事の話もっとしたかったな。けどちょっと、時間もあれなんで。最後、最新話。このPodcast公開されるタイミングで最新話43巻発売。
ユヒコ:そうですね、43巻発売予定です。
佐々木:42巻、僕まだこの収録のタイミングで読めてないので、で単行本派なので。42で僕は今ソワソワしてる(笑)43でどうやって解決されるのかみたいな。
ユヒコ:42の終わり方が。
佐々木:そうです、そうです。
ユヒコ:人をハラハラさせる終わり方でしたもんね。
佐々木:そうなんですよね。だからちょっと楽しみにしてるんですけど。
ユヒコ:43巻からは、今まで『宇宙兄弟』って1話に1巻ぐらいのボリュームが入った感動が詰まるっていうのが小山さんが目指してることなんですよ。だから漫画1冊読んだ体験を1話分でさせるみたいなコンセプトがあって、1話読むだけで結構得られるものがあるみたいな感覚が、『宇宙兄弟』の漫画の作り方になってたんですよ。なぜかというと、それは週刊モーニングで連載されていて、いつ手に取るかわからない人がいるから、1話読んだだけでも成り立つような作品にしてるっていうのがあるんですね。
佐々木:素敵!
ユヒコ:単行本派だけど(笑)
佐々木:たしかにそう(笑)
ユヒコ:それすごいことなんですよ、技量としても。でも本当にそうなっているんですけど、それが今回の43巻からは、1つの大きな映画の始まりのようなスケール感になっていくので、今までと違う『宇宙兄弟』が始まるかもしれないです。
佐々木:超良いじゃないですか。内容の話一切せずにそんなワクワクさせることあります?(笑)
ユヒコ:内容は絶対に今日話せないですよね(笑)
佐々木:そうですよね。
ユヒコ:それが一緒にやってるスタッフ内では結構ざわついていて、本当の完結に向けてのフィナーレみたいなところなので、ギア上げてきたなみたいな。
佐々木:たしかに。前回出てもらった時に終わるって言っちゃったよ、みたいな話したじゃないですか?多分42に出るちょっと前ぐらいの時に、10周年?
ユヒコ:15周年。今年はまだもう少し15周年YEARですね。
佐々木:そうです。15周年のぐらいの時になんか直筆のやつで、フィナーレに向けてって。
ユヒコ:完結間近って(笑)
佐々木:え?みたいな(笑)そういう話したから、そこへのギアチェンジの。
ユヒコ:が、この43巻内で行われて行くんで、その視点で読むのもおもしろいかもしれないですね。
佐々木:たしかに、たしかに。やっぱ1話1話でちゃんと感動できるのもおもしろいけど、ガッツリでかい物だったら、最後くる感動もそりゃ倍増するじゃないですか。いやーすげえ、超楽しみになった。まだまだあるんだよな、発売まで(笑)。
ユヒコ:そうですね、来月か、そうですね。
佐々木:そうですね。収録のタイミングだとまだ1ヶ月もあるなぁ。ええ…モーニング漁りまくろうかな(笑)
ユヒコ:待てないタイプの人はモーニング読んでもらって(笑)
佐々木:そうですね。いやおもしろい。
ユヒコ:最後はもう単行本派の人も、週刊モーニングとかコミックDAYSの話で追って欲しいですけどね。
佐々木:はいはい。
ユヒコ:1冊待たずに、最後は1話ずつで盛り上がっていきたいですけどね。どっかで佐々木さんがコミックDAYSかモーニング買い出すみたいな。
佐々木:もう買います。だって結構単行本出た時って2・3話先ぐらいいるみたいな時ありますよね。
ユヒコ:そうですね。
佐々木:そうですよね。
ユヒコ:2・3話もないかもしれない(笑)
佐々木:ですよね。
ユヒコ:余裕がない。変わんないなって(笑)
佐々木:だからなんか、モーニングで読んだら、あれ?みたいな。あれまだここにいるの?みたいな。話数みたら、全然、この間単行本で読んだところだみたいになるから。そっか。いやでも、ちょっと毎週読みたくなります。43でギア上がった音がちゃんと僕にも聞こえたら(笑)。
ユヒコ:月に1、2回しか今掲載されてなくて、毎週回連載はちょっと難しくなっちゃってるので。
佐々木:内容が濃いから。
ユヒコ:でも最近のその1話のクオリティの上がり方がゾクっとするんですよ。
佐々木:その1発目もらった時とか?
ユヒコ:そうです、さっきも言ったギア変えてきたなみたいなのが伝わってくるんで、その感じは週刊係の追い方をしないと見逃しちゃうんですよね。
進化して、小山宙哉進化中なんで。
佐々木:うわ!何それ、超いい!
ユヒコ:それが今の楽しみですね。だから佐々木さんぐらいの熱量のファンだったら、ここらへんで多分切り替えて今回の43巻単行本あたりから、2週間ごととかで『宇宙兄弟』読むと、表現の変化に気づけるんだと思います。次の巻出るのもまた先になっちゃうんで。
佐々木:そうですよね。いつもまだかなって思います。
ユヒコ:そうなんです(笑)
佐々木:まだかなって思ったタイミングで調べるとまだ先なんですよね(笑)
ユヒコ:そうです(笑)
佐々木:でも、なんかおもしろいですね。前回の一緒に収録させてもらった時に印象的だったのが、僕が数年間宇宙の研究した中で『宇宙兄弟』の見方が変わったみたいな、年スケールの話したじゃないですか。
ユヒコ:あー!はい。
佐々木:こっからは、もうちょい短いスパンで、連載と一緒に追うからこそおもろい時期がくるみたいな。
ユヒコ:なるとおもいます。
佐々木:やります(笑)
ユヒコ:ありがとうございます(笑)いつ呼んでもいい『宇宙兄弟』から、今読まなければいけない『宇宙兄弟』になっていくのがこの後なんで。
佐々木:素敵だなー
ユヒコ:私も今後は今までは単行本発売楽しみにしてくださいって言ってたんですけど、ぜひ連載で追ってくださいってコミュニケーションに変えようと思って。
佐々木:いや、そうっすね。僕もじゃあそれを言います。
ユヒコ:佐々木さんもぜひ(笑)
佐々木:僕がしゅうじで読んでネタバレはしないけど、テンションだけ伝えるみたいな。読んだけどやばいみたいな。
ユヒコ:ぜひぜひ、そっちにしたいなと思ってるんで。
佐々木:あとやっぱ『宇宙兄弟』好きからすると、違う友達とかが『宇宙兄弟』読んだ感想とかちょっと聞きたいし。
ユヒコ:そうですね、それで話せそうですね。
佐々木:そうですね。いやぁおもしろ。じゃあ、ちょっとそこまた。
ユヒコ:最後の宣伝パート長くなっちゃいました。
佐々木:いや、宣伝ぽっくなかった、全部使います。おもしろかったんで。じゃあありがとうございます。最新話出てその後ね、色々それに関する回みたいな。
ユヒコ:そうですね、ネタバレありの話したいですね。
佐々木:したいですね。じゃあ、またお願いします。ということで、今回は『宇宙兄弟』コラボ第2弾と言うところで、ユヒコさんに来ていただきました、ありがとうございます。
ユヒコ:ありがとうございました。
いかがでしたでしょうか? 『宇宙兄弟』製作の貴重な裏話満載の対談となりました。対談を、よりリアルにお楽しみ頂けるPodcastもぜひお楽しみ下さい!
↓コラボ①・②の記事を読んでみたい人はこちらから!