宇宙兄弟賞|地球人【エッセイプロジェクト】 | 『宇宙兄弟』公式サイト

宇宙兄弟賞|地球人【エッセイプロジェクト】

2025.11.12
text by:編集部コルク
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宇宙兄弟はじまりの年を記念して、六太がミラクルカーを退社した5月15日に募集開始した宇宙兄弟エッセイプロジェクト みんなの心のノート

「心のノートにメモった言葉」がテーマとなった第2回の入賞作品から、六太賞/日々人賞/宇宙兄弟賞の受賞作品をご紹介していきます!

今回は宇宙兄弟賞受賞作品その3。
受賞者の方には賞品として、小山宙哉サイン入り色紙を後日お送りします。

地球人(30代 MIE)

私の国籍は韓国だ。しかし、韓国語は話せない。なぜなら生まれも育ちも日本だから。両親も日本生まれ日本育ち。ちなみに祖父が韓国人、祖母が日本人だ。

けれど、子どもの頃はよく国籍の違いで嫌な思いをしていた。「キムチ臭い」「何で日本にいるの?」親戚からは何で韓国語を話せないのかと怒られることもあった。仕方ない、私は小学校から高校まで日本の学校で日本人の友達と過ごしてきたのだから。

私は自分の国籍を話さなくなった。日本人として韓国人だとバレないように生きようと心にモヤモヤを抱えた10代を過ごした。そして20代、私は国籍を隠したまま暮らしていた。

そんな時に宇宙兄弟でフィリップが登場する。最初は癖の強いキャラクターで正直、何を考えているのか分からなかった。

読み進めていくうちに、フィリップの過去を知る。それは私の過去とピッタリ重なった。子どもの頃に感じていた孤独や悲しみ、どうしようもないモヤモヤ…色んな感情が湧き出ていた。

そして、宇宙から地球を見た時のフィリップの言葉に出会う。

「俺 もう…”地球人”でいいや」

自分の中で何かがストンと落ちた音がした。あぁ、そうか。国籍の枠にはめようとするから苦しいんだ。もうどこの国の出身とかどうでもいいや。私は地球人として生きていこうと思った。それからはあまり気にならなくなった。もっと広い目で世界を見ようと。

悲しいかな国籍の違いで時々嫌な思いをすることはどうしてもある。でもそんな時は、心のノートにメモったフィリップの言葉を思い出す。

「俺 もう…”地球人”でいいや」


ほかの受賞作品はこちらから読めます
六太賞|「悩むなら、なってから悩みなさい」
日々人賞|ひとりきりで見つけたもの
宇宙兄弟賞|宇宙に咲く花
宇宙兄弟賞|心にメモった2人の言葉
宇宙兄弟賞|1番最初に決めた夢
宇宙兄弟賞|シャロンに救われた過去
宇宙兄弟賞|母親で、父親で。

ただいま第3回の募集中!テーマは「約束」
「大切な人と交わした約束」「果たせなかった約束」「自分との約束」など…………あなたの中の「約束」の話を教えてください。

締め切りは12月16日。みなさまからのご応募をお待ちしております!
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