地球の空は青く、白い雲が浮かんでいる。他の世界の空は、どんなだろうか?
金星の空は常にオレンジ色の雲に覆われている。太陽は見えない。昼はおよそ60日続く。雲に覆われて星の見えない退屈な夜も約60日続く。もしこの世界に雲がなければ、太陽は西から昇り東に沈む。
火星の一日の長さは24時間40分。あなたは毎日40分ずつ寝坊できる。一日は青い朝焼けで始まる。昼間の空はクリーム色。そして太陽は青い夕焼けを纏って沈む。夜空には地球と同じ星座が見えるが、北極星は北にない。代わりに天の北極近くにあるのは、はくちょう座のデネブである。
ガス惑星である木星には明確な地面というものはないが、雲の上に浮かべば四つの月が満ち欠けを繰り返すのが見えるだろう。その一つ、エウロパの氷の地表に立てば、巨大な木星が空にじっと動かず、威圧感を持ってあなたを見下ろしている。
土星もガス惑星だ。その雲の上から見れば、美しい輪が地平線から反対の地平線まで架かる雄大な光景を見ることができるだろう。
土星最大の衛星タイタンの空も、金星と同じようにオレンジの雲で覆われている。そこから冷たい雨が降る。マイナス180度のメタンの雨だ。地に落ちた雨滴は集まって川を成し、メタンの湖に注ぐ。
天王星のほとんどの場所では常に白夜または極夜である。昼は42年続く。夜も42年続く。平均的な人間の寿命では、日の出を一度しか見ることができない。
太陽系からもっとも近い系外惑星、プロキシマ・ケンタウリbの太陽は昼間も赤い。赤い光に照らされ、この世界の景色は常に夕焼けのように見えるだろう。
そんな光景を人類が目撃する日は、いつか来るのだろうか?