
日々人賞|心の中にムッタを【エッセイプロジェクト】
宇宙兄弟はじまりの年を記念して、六太がミラクルカーを退社した5月15日に募集開始した宇宙兄弟エッセイプロジェクト みんなの心のノート。
「あの人とわたし」がテーマとなった第1回の入賞作品から、六太賞/日々人賞/宇宙兄弟賞の受賞作品をご紹介していきます!
今回は日々人賞受賞作品です。
心の中にムッタを(30代 猫のち猫)
私はかなり「せっかち」で「短気」で我が道を行くタイプだった。
やりたいことはやりたいし、やりたくないことはやりたくない。竹を割ったような性格で、自分が正しいと思い込んでいた。やりたいと思ったことは思った瞬間に走り出している。そんなタイプだった。
そんな私が、社会人になり宇宙兄弟にハマった。

当初のあこがれはブライアン・Jだった。「私もカリスマリーダーになりたい!」と息巻いていた。会社でもブイブイ言わせてバリバリ仕事をやってきた。
当時の私の中でムッタはうじうじして、思ったことをなんで言わないの!と思って、ムッタに対し、やきもきイライラしたりしていた(ごめんなさい)。

仕事が生きがいのような生活をしていたある日、その仕事で大変ショックな(今でも思い出したくないくらいの)出来事があり、会社に行くことができなくなってしまった。家で泣いて、ソファでうつぶせになり、自分に価値なんてないのではないかとふさぎ込んでいた。何もしたくない日々が続いた。
数週間が過ぎ、少し落ち着きを取り戻し、時間もあったのでふと宇宙兄弟を読みなおし始めた。
痛みを知った私はムッタの気持ちに深く共感できた。「ムッタ、お前いいとこあるじゃん…!」大変失礼な感想だが、ムッタの良さに気づき夢中で宇宙兄弟を読んだ。
私のあこがれはムッタに変わった。

ただ、憧れているということは、自分には無いものを持っているということ。私はムッタになれない。と思ったが、心の中にムッタを置いてみることにした。
当時、心が落ち込んでいたので、他人の言葉にびくびくしていた時期でもあった。もちろん、傷つけるために言った言葉ではないと分かっていても、私にとっては鋭く、突き刺さる言葉もあった。
心が落ち込みそうな時、ムッタを呼び出してみた。ムッタは困った顔をしていた(笑) 私も困った顔をした。全然役に立ってないんだけど??
でも、他人を傷つけにいくことはなくなった。落ち込む前の私は他人の気持ちを気にしない無敵の人間だった。自分は良かったけど、今になって振り返ると周りには迷惑をかけていたと思う。

誰が良い、悪いではないけれど、今のあこがれはムッタだ。
AかBかじゃなくてCを提案できるムッタになりたい。周りの人を笑顔にできるムッタになりたい。まだまだ心の中のムッタは困った顔をしているだけだが、これからも心の中にムッタを置いておきたいと思う。
久しぶりにFFS診断をしてみた。エディ・Jだった。落ち込む前の自分はブライアン・Jだったと思う。
ムッタへ私は少しあなたに近づけましたか?私は成長できたのでしょうか。いつも元気と勇気をくれてありがとう!これからも世界中の人を笑顔にしてね。
ほかの受賞作品はこちらから読めます
・六太賞|つまずきながら、前へ。
・宇宙兄弟賞|スプーンの上の砂糖つぶ
・宇宙兄弟賞|足下の日々と、遠い空の向こう
・宇宙兄弟賞|私とムッタと挫折と夢
・宇宙兄弟賞|六太と私
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